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    KEIKAフェスタ、生徒主体で小学生をおもてなし…京華

     京華中学・高等学校(東京都文京区)で9月に行われたKEIKAフェスタ。中学を受験する小学生やその保護者を対象に、学校説明会や体験授業、クラブ体験など校内の雰囲気を味わってもらうイベントで、ここで活躍しているのが、KSN(京華スクール・ナビゲーター)のメンバーたちだ。学校の広報を先生たちと一緒に行い、このイベント全般を運営するのが彼らの役目。その活躍ぶりと、一緒にイベントを盛り上げている保護者の姿をリポートする。

    学校の広報をする生徒たちの組織「KSN」

    • KEIKAフェスタの前日、遅くまで打ち合わせをするKSNのメンバーたち
      KEIKAフェスタの前日、遅くまで打ち合わせをするKSNのメンバーたち

     KEIKAフェスタの前日、KSNの控室では、翌日の準備が慌ただしく進められていた。代表の齋藤貴宏くん(中3)の周りで、メンバーがワイワイ騒がしく作業をしている。「ちょっと、ひとりずつ話してよ~、オレは聖徳太子じゃないんだからさ~」と齋藤くんが悲鳴を上げる。準備の様子を見ていると、先輩と後輩が肩を組んだり、じゃれあったり、とにかく仲がいい。

     「毎年500~600人が来場するKEIKAフェスタですが、はじめは学校側から各学年に手伝いをお願いしていました。それが昨年、生徒たちが有志を募ってKSNを結成し、メインで動いてくれるようになりました。ほかにも学校紹介の動画を作ってくれたり、学校説明会を手伝ってくれたり、学校の広報全般を手伝ってくれています」と、入試広報部長の山田道行教諭は説明する。

     一方、代表の齋藤くんは、こう話す。

     「単に学校のことを話すだけでなく、保護者の方に伝えられる能力が必要だと感じています。受験生のお母さま方と話して、この学校のことを理解してもらえると、やりがいを感じます」

     KSNのメンバーは約100人、さらに部活単位で応援してくれる生徒を含め、多くの生徒がこのKEIKAフェスタのため、暗くなるまで準備をしていた。そうした姿を見て、山田教諭は目を細めながらこう語った。

     「KSNの活動では、人に見られ、注目されることが励みになって頑張ることができるのです。それが生徒の成長につながっていると感じています」

    「面倒見がいい」のが校風

    • 鉄道研究部がベストクオリティ賞を受賞した作品
      鉄道研究部がベストクオリティ賞を受賞した作品

     KEIKAフェスタ当日、受付や柔道部員による餅つき大会、吹奏楽団のミニコンサート、歴史研究部の歴史体験コーナー、サッカー部やバスケットボール部、剣道部などクラブ体験の各運営で、生徒たちが小学生らに親切に対応した。

     なかでも小学生男子に人気なのが、鉄道研究部。全国大会でベストクオリティ賞を受賞した「銀河鉄道999」の模型や、5インチゲージのミニ列車も紹介。「小学生に楽しんでもらうため、ゴールデンウィークから準備してきました」とは、部長の丹川碧人くん(高2)。昨年に続き今年も訪れたという小6男児が、「今年はさらにクオリティーが上がっていて、とても楽しい。質問すると生徒たちが優しく教えてくれるので、ぜひこの部に入りたい」と目を輝かせれば、同行の母親も「いろいろな学校を見学しましたが、ここの生徒さんは一番面倒見がいいので、親子で気に入っています」と満足そうに話した。

     面倒見がいいのは校風だ。保護者からの評判も高い。この日手伝いに来ていたPTAの保護者(中3の母)に聞くと、「先生方の手厚いフォローのおかげで、自分から勉強する『自学力』がつきました。自分から勉強して、テストの点数もどんどん上がっているので、息子の変化に驚いています。いい先生に出会えたと感謝しています」との言葉が返ってきた。先生と生徒の距離はもちろん、先生と保護者の距離も近く、「母親では年頃の息子は分からないことが多く、男子教育を熟知している先生にたくさん相談にのっていただきました」と話す保護者(高3の母)もいた。

    • おやじの会は焼きそば販売でKEIKAフェスタを盛り上げる
      おやじの会は焼きそば販売でKEIKAフェスタを盛り上げる

     学校と保護者の距離が近いこともあり、KEIKAフェスタではPTA保護者たちが手伝いをしたり、有志の「おやじの会」が焼きそばを作ったりして、盛り上げていた。「おやじの会」代表の町側尚則さんは、「私たちの方が、生徒たちより団結力あるのですよ(笑)。保護者も盛り上げているので、そんな雰囲気が受験生の親御さんにも伝われば」と話す。食堂では受験生親子だけでなく、先生や生徒たちも「おやじの会」の焼きそばを楽しんでいて、学校と生徒と保護者が一体になっているのを感じた。

    成功体験が自信になって成長する男子

    • 救命講習で心肺蘇生法を教える町田英幸校長
      救命講習で心肺蘇生法を教える町田英幸校長

     体験授業は英語、数学、国語、理科、社会、情報、家庭の各科のほかに、プログラミング教室と救命講習会があり、真剣な顔つきで小学生たちが学んでいた。英語の体験授業を受けた小学生は、「外国人の先生で最初は緊張したけれど、英語で化学実験をするのが面白かった」と笑顔で話していた。理科の化学実験では、花粉管がぐんぐん伸びていく様子をリアルタイムで観察した親子から歓声があがり、ここでもKSNの生徒たちが実験の手伝いに奔走していた。

     校長の町田英幸先生が自ら教えていたのは、救命講習だ。心臓マッサージや人工呼吸による心肺蘇生の方法を小学生に実演指導した。講習をサポートしたKSNのメンバー、山口碧仁くん(高2)は、こう話す。「母親がケガしたことがきっかけとなり、災害時支援ボランティア登録証と、上級救命技能認定証を取得しました。自分なりに頑張って取得できたので、受験もこんなふうに乗り切れるんじゃないかと自信になりました」。小学生に丁寧に教え、「先生も生徒さんも明るくて、知らなかったことを楽しく学べました」と感謝されていた。

     町田校長は「こういう資格を取って、人に教えることで、また自信がつくのです。男子は成長とともに階段を上るわけではありません。この学年にしては幼いなと思っていると、あるとき急にぐっと伸びる。自分のやりたいことをやらせてあげて、いろいろな経験をすると、その成功体験が自信になって成長するのです。それは山口くんのように資格だったり、海外留学だったりいろいろです。海外に行って1か月で別人のように成長する生徒もいます。大事なのはその経験を邪魔しないことなのです」

     KEIKAフェスタのために頑張る生徒たち。そしてそれを見守る先生と、応援する保護者たち。生徒と先生、保護者が一体となって京華を盛り上げようとする姿に、きっと多くの受験生と保護者が魅せられたことだろう。

    (文と写真:小山美香)

    2017年11月09日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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