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    「国際」テーマに研究発表…貞静学園

     貞静学園中学校(東京都文京区)は、中学生たちがグローバル化する社会を生き抜く課題解決能力を身につけられるよう、年間テーマを選んで研究発表を行っている。テーマは「国際~Living Together~」。この発表会が2月4日に開催され、生徒たちは一人一人、世界各地の政治、経済、文化、課題などについて、1年がかりの学習成果を発表した。

    1年生から3年生まで31人が発表

    • 発表に先だってあいさつする新橋校長
      発表に先だってあいさつする新橋校長

     「そもそも自分の中で、アジアという概念が漠然としている。またそのアジアにおける日本のポジションを知りたかったんです」

     中3生の野尻龍志君は、同校2階の記念ホールで行われた「総合学習<研究発表会>」で、先生や保護者を前に、自分が取り組んだ研究の動機をはっきりと語った。発表タイトルは「アジア~ASEANと日本~」だ。

     同校の研究発表会では発表スタイルが決められている。まず「発表の流れ」としてテーマと主な内容を説明する。続いて「調べた理由」で動機を述べ、「調査方法」で情報の出典を明らかにする。「調査結果」を分類して提示し、「まとめ」で結論を述べる。持ち時間は1人5分なので、手際の良さが求められる。

     野尻君は、まずASEANが10か国で構成されていることや、多くの宗教や言語の存在、食文化の多様さなど「アジアの基本情報」を展開した。そこから自分の研究動機である「ASEANと日本の関係」に焦点を絞り込んだ。パワーポイントを駆使しながら、長年の協力関係、日本のポップカルチャーや日本語に対する学習熱の高まりなどを丁寧に紹介し、国際交流の重要性を指摘して締めくくった。

     発表後に出来栄えを聞くと「少し緊張しましたが、事前の準備も発表の練習もしていたので、不安はありませんでした。発表は中1、中2と2回経験しましたが、自分でも上達を実感しています」と振り返った。

     この日は1年生から3年生まで、31人が発表した。「オセアニアとTPP」「EUと難民の関係~そもそも難民とは~」など、いずれも力作ぞろいだ。1年生でも、律令制の考察から中国文化の日本への影響を跡付けた「アジア~日本文化における中国の影響~」という発表など、初めては思えない説明ぶりで聴衆をうならせていた。

    発表で課題解決能力を磨く

    • 総合学習を担当する社会科の岡村教諭
      総合学習を担当する社会科の岡村教諭

     同校は、中学校の総生徒数が約40人というコンパクトなクラス編成を生かし、約3年間かけて基礎学力を固めることと、課題解決能力の育成にウェートを置いている。この課題解決能力の育成のために2013年から取り組み始めたのが「総合学習<研究発表会>」だ。

     総合学習を担当する岡村京子教諭によると、グローバル社会を生き抜く知恵を身につけるために、「国際」「環境」「人権」の三つのテーマを年替わりで生徒に研究、発表させる。生徒はそれぞれ3年間で三つのテーマを研究し、発表することになる。

    グループ学習から個人発表へ

    • 貞静ひなづる祭での展示発表
      貞静ひなづる祭での展示発表

     今年のテーマは「国際」だった。1年間の研究は、1年生から3年生まで4人程度でグループを作り、調べ学習を行うことから始まる。「アフリカの現在」「オセアニアとTPP」などの八つの小テーマから選んでグループで学習を進める。

     学校は、この小テーマに合わせてさまざまな学習機会を設ける。昨年5月には東京・市谷にある国際協力の拠点「JICAひろば」を訪問し、スタッフから海外派遣ボランティア体験談を聞いた。また、翌6月にはカナダ大使館に「出前授業」をお願いし、カナダの文化や社会の多様性について講演してもらった。

     このグループ学習の成果は昨年9月の文化祭「貞静ひなづる祭」で展示、発表された。生徒たちはこの発表を土台とし、さらに自分の関心に合わせて学習を深めてきた。細かな準備をし、この日、個人発表の場を迎えたわけだ。

    取り組んだ課題を今後に生かして

     発表会が終わり、新橋成夫校長は「学んだことをどう発展させるか、取り組んだ課題を複眼的に見てほしい。そして学んだことをさまざまな場面で生かしてほしい。すばらしい発表会でした。保護者の皆さん、このすばらしい発表をされたお子さんを、ぜひ、ほめてあげてください」と講評した。

     参加した野尻君の母は「上手に発表できたと思います。今後は貞静学園の充実した海外研修などに参加して、視野を広めてもっと積極的に考えを伝えるようになったら、すばらしいと思います」と話していた。

     (文と写真:丸山典昭)

    貞静学園中学校のHPはこちら⇒
    「3学年合同で深める課題解決型学習」(2015年の記事)はこちら⇒

    2017年03月13日 11時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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