文字サイズ
    中学受験サポートに協賛する会員校の特色や、会員校からのお知らせなどを掲載しています。

    丘の上でのびやかな文化祭…帝京大中

     帝京大学中学校・高等学校(東京都八王子市)は10月29、30日に「邂逅(かいこう)祭」(文化祭)を開催した。丘の上の自然豊かな立地を生かし、生徒らはスケールの大きい美術表現や楽しい演奏会、にぎやかな出店販売などを繰り広げた。手厚い進学指導で知られる同校から連想されがちな堅苦しいイメージを超え、のびやかかつ責任感のある生徒たちによる文化祭の様子をリポートする。

    校舎に続く坂道に歓迎のタペストリー

    • 坂道に飾られたタペストリー
      坂道に飾られたタペストリー

     学校の最寄り駅はJR豊田駅と多摩センター駅(京王相模原線・小田急多摩線)だ。両駅からスクールバスが運行している。バスは生徒たちを乗せて、自然豊かな丘の上に立つ校舎前まで運ぶ。いかにものびのびと活動できそうな環境だ。

     文化祭当日。まず目に入ったのは、正門から校舎前に続く長い坂道の両壁面を飾る、巨大なタペストリーの数々だ。坂の下から上まで隙間なくびっしりと飾られている。毎年、美術部員全員で名画を模写するのが伝統だ。年ごとに枚数が増え、この壮観な風景を作っている。今年は日本画に挑戦し、およそ3か月かかって完成したという。

     坂の途中には階段アートもあった。幅が広く段数の多い階段をキャンバスにした見応えある作品だ。スケールの大きな歓迎に、文化祭への期待が高まった。

    メニュー豊富な出店コーナー

    • エプロンや手袋をし、衛生的に食品を提供
      エプロンや手袋をし、衛生的に食品を提供

     校舎入り口前の広場には、さまざまな食べ物を提供する出店コーナーがあった。中3、高1、高2の各クラス、各運動部が出店し、食事スペースも設けられていた。メニューはラーメン、お好み焼き、ミネストローネ、チヂミなど幅広い。食事していたある生徒は、文化祭期間中に全品制覇すると言っていた。

     出店コーナーを見て回ると、「代金をもらったら『ありがとうございます』と言おうな」と、店舗の裏手で生徒たちが接客マナーを確認し合っていた。チェックシートを手にした保健委員が手袋、エプロン、マスクなどの準備を確認していた。校内の調理室で下ごしらえをし、ラップをして店まで運ぶ姿も見かけた。

     近年、文化祭で生徒が食べ物を扱うことを避ける学校や規模を縮小する学校が多い中、生徒たちの活発な取り組みが目立った。入試広報部主任の石戸達則教諭は「文化祭で生徒が食べ物を作ることを積極的に応援しています。やめてしまうことは簡単ですが、体験を通して学ぶことがたくさんあります」と話した。

     調理には火や油を使う。食べ物を安全に調理し、衛生的に提供するのは決して簡単なことではないが、自主的に責任ある活動に取り組むことで学ぶことは大きい。

    人気のマジック部や競技かるた体験

    • かるた部の体験
      かるた部の体験

     各教室、中庭のステージ、体育館ではさまざまな催しが行われていた。

     文化祭を訪れる小学生に人気なのは、マジック部によるショーだ。小学生の時、文化祭で行われたショーを見て入学を決めた生徒もいるという。「マジックの習得そのものより大事なのは、お客さんとのコミュニケーションです。手先が不器用でも大丈夫。僕も決して器用な方じゃないから」と部員が語りかける。勧誘のトークもマジック並みに鮮やかだ。

     競技かるた部の会場では競技かるた体験があり、部員のお姉さんに交じって小学生の女の子が挑戦していた。参加者の保護者は「アニメの『ちはやふる』の世界に憧れて、ルールを知らなくても競技かるたが体験できると知って、参加させていただきました。子どもにとって良い体験になりました」と感想を語った。見学者らがおしゃべりを始めると「静かにお願いします」と声が飛んだ。読み手の声が聞こえないからだ。勉強だけでなく、部活動に真剣に取り組む生徒たちの姿を見た。

    南米音楽や書道のパフォーマンスも

    • 書道同好会のパフォーマンス
      書道同好会のパフォーマンス

     体育館では、舞台をステージに演奏会が行われていた。

     全国の中高でも珍しい部活動である南米音楽部は、アンデス地方の楽器で同地方の伝統音楽を楽しむ部活動だ。顧問の先生がセミプロ級の演奏者で、文化祭ではOBも駆け付け、在校生とともに合奏を披露する。

     竹製の縦笛ケーナをはじめ、縦笛が何本か並んだサンポーニャ、ヤギの毛皮を使った太鼓のボンボ、弦楽器のチャランゴなど、普段なかなか見ることのない楽器が登場する。ほとんどの部員は入学してからこれらの楽器に親しむようになったが、とても上手で、なにより楽しそうだ。有名な「コンドルは飛んで行く」も演奏し、観客も手拍子でリズムを取り、音楽を楽しんでいた。

     体育館の隣の中庭では書道同好会がパフォーマンスを披露。はかま姿の男女10人が音楽に合わせ、一気に書を完成させていく。見応えのあるパフォーマンスに、観客から大きな拍手が湧き起こった。

    中1は調べ学習の発表会

    • 中学1年生によるパネル発表
      中学1年生によるパネル発表

     文化祭は日々の学習成果を発表する場でもある。入学したばかりの中1生は調べ学習の成果を文化祭で発表するのが恒例となっている。今年は6人ずつの班を作り、20の班がそれぞれ一つの国を取り上げ、各国の教育制度などについて調べ学習を行った。

     文化祭当日は、その成果をパネルにまとめて発表する。クイズ形式にしたものや、受験生にプレゼントするメッセージカードを用意したものもあり、親しみやすさを工夫していると感じた。

    「帝京LOVE」の卒業生が駆けつける

     「最近卒業した生徒の間で『帝京LOVE』という言葉が流行(はや)っているそうです。母校が好きで、母校を応援したい気持ちが表れた言葉だと思います」と、石戸教諭が紹介してくれた。卒業したばかりの生徒でなく、20歳代後半から30歳代前半の卒業生が文化祭を見に母校を訪れるそうだ。卒業生の保護者の姿もあるという。卒業生だけでなく、保護者にとっても親しみのある思い出の場所となっている。在校生や卒業生の口コミで文化祭を訪れる受験生の保護者からは「アットホームな雰囲気なんですね」といった声を聞くという。

     石戸教諭は「受験対策や学力指導が手厚い学校と評判をいただいていますが、文化祭などに足を運んでいただき、生徒たちのいきいきとした様子を確かめてほしいです」と話した。

    (文と写真:水崎真智子)

    2016年12月05日 10時33分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    おすすめ
    PR
    今週のPICK UP
    中高生新聞「練習手帳」に挑戦!