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    一貫校だからできる…知力重視の「ゆとり学習」

     今年で設立4年目となる千葉明徳中学校(千葉市)。併設の千葉明徳高等学校に初めて内部進学生を出した。同校の山田教夫副校長は「完全一貫校だからできることがある」という。独自の中高一貫教育について聞いた。

    中学と高校の内容、まとめて学ぶ

    • 完全一貫校ならではの教育プログラム
      完全一貫校ならではの教育プログラム

     中・高の通算6年間は「発掘課程」「磨き課程」「完成課程」と2年ごとの課程に区切られた「中高一貫コース」で学習する。高校からの入学組が進む「特別進学コース」「進学コース」「アスリート進学コース」とは、カリキュラムも違う。

     長年、高校教員としてキャリアを積んできた山田副校長は、中高一貫教育のメリットを次のように語る。

     「高校受験を気にしないで授業を進められることです。私は数学科の教員ですが、たとえば二次方程式は、中3から高3までの教科書に3回出てきます。これを、千葉明徳では虚数解を除いては中3でまとめてやってしまう。学力レベルの問題ではなく、まとめて学んだ方が理解しやすいのです。公立高校の先生が千葉明徳の中3の授業を見ると驚かれます。高校受験があると、中学課程の内容と高校課程の内容と分断して教えなければいけません。完全一貫校だからできることなのです」

     また、高校受験がある学校では、部活や自治活動を中3の半ばでストップさせたり、行事予定を組むことを控えたりすることがある。

     「千葉明徳では、任意参加の語学研修旅行など、中3にも行事をたくさん入れています。運動部は中3で一度引退しますが、希望すればその後、高校の部活に参加できます。学習も部活もゆとりを持って取り組めるというのも、中高一貫のメリットです」

     高校の「特別進学コース」には、県内の中学で高い内申点を取った優秀な生徒が集まってくる。一貫コースの生徒とは、学力面ではどう違うのか。

     「一貫コースの生徒の方が、学力のばらつきは大きいです。高校受験を経て入学すると、学力レベルがまとまっています」(山田副校長)

     しかし、学力の差より目立つのが学習に向かう姿勢の違いだという。

     「一貫コースの子は、勉強を義務感でやるものだと思っていない。知的好奇心が強く、苦手なことでもやってみようという意欲があります。中学が少人数なので、人間関係でもまれていない部分もありますが、その分、真面目で素直です」

    手描きポスターでプレゼンテーション力磨く

    • 「職業インタビュー発表会」予選
      「職業インタビュー発表会」予選
    • 生徒自身が評価する
      生徒自身が評価する
    • ホールで行われた本選
      ホールで行われた本選

     同校では、学習した成果をプレゼンテーションする力を重視している。大学進学後や社会に出た時に、自分の考えや知識を他者に伝える能力が不可欠だと考えるからだ。そのため、教科ごとにさまざまなプログラムを用意している。

     取材した「職業インタビュー発表会」の予選は興味深いものだった。日本有数の食器・厨房機器問屋街である東京都台東区のかっぱ橋道具街で、いろいろな職業の人の話を聞く。その話をまとめ、班ごとに5分の持ち時間で発表していた。班は中1・2年生の混合だ。

     発表内容は模造紙にまとめて掲示する。イラストや写真で工夫を凝らした展示内容(ポスター)は、校内にしばらく展示し、投票で優秀作が選出される。

     「パソコンを使わず手描きで作ります。実際に手を動かして配置を決めたり、ペンで書いたりすることも大事だからです。パソコンは修正が簡単ですが、手描きのポスターは、慎重な作業が必要ですから」(山田副校長)

     参加した全18班のうち、5班が本選に進む。オブザーバーとして参加する中3を含む全校生徒、教員、保護者が集まるホールが発表会場だ。最優秀賞・1班、優秀賞・2班が会場の参加者全員による投票で選ばれることになる。

     職業研究というと、「どういう職業があるか」「将来どういう職業につきたいか」を学ぶキャリア教育だと思いがちだが、山田副校長は「進学や就職より、『どう生きればいいか』という幅広い学びが大切だと思っています」という。

     フィールドワークで考える力を養うプレゼンテーションに、千葉明徳が進める教育の奥深さを改めて感じた。

     (文・写真 織江理央)

     千葉明徳中学校・高等学校について、詳しく知りたい方はこちら

    2014年07月09日 15時34分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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