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    「Good!」連発の楽しい英語集中ゼミ…千葉明徳

     「英語は楽しいもの」。千葉明徳中学校・高等学校(千葉市)の英語教育は、この精神で始まる。今年で3回目を迎えた「英語集中ゼミ」でも、講師たちは「Good!」の連発だ。ゼミ責任者である土佐和也教諭に、工夫を凝らした同校の英語教育について聞くとともに、今春卒業した中高一貫コースの1期生に、同校の英語教育を振り返ってもらった。

    間違いも気にせず話し続ける

    • 英語教育について語る、英語科の土佐和也教諭
      英語教育について語る、英語科の土佐和也教諭

     今年の「英語集中ゼミ」は夏休み中の7月31日から5日間にわたって行われ、高1生31人と高2生7人の計38人が参加した。ゼミの特徴は日本語を一切交えない英会話。参加者は、毎朝8時40分から4時間たっぷり、「英語のシャワー」を浴びた。

     このゼミは、英会話スクール「ベルリッツ」と提携して開催している。教材は、留学準備用の教材「My First Passport: 2nd Edition」(OXFORD社)を使用し、同スクールから派遣された講師2人が授業を担当した。

     ゼミを取材したのは最終日の2時限目だった。片方のクラスでは、レストランを舞台に想定した英会話を学んでいた。

     「何をご注文ですか」「ステーキとサラダをお願いします」。生徒は2人1組で、交互に客とウェーターを演じる。これまでも空港の税関、ショッピング、飛行機の中などを想定し、英会話を学んできた。いずれも語学留学やホームステイに備えての練習だ。

    • 「アリゾナ州はどこにあるのか」などの質問と応答を英語で行う
      「アリゾナ州はどこにあるのか」などの質問と応答を英語で行う

     もう一つのクラスでは、壇上にアメリカの地図を掲げ、「アリゾナ州はどこにあるのか」「その州で有名なものは何か」といった質問と応答を英語で行っていた。

     印象的だったのは、生徒が多少間違えても、講師2人は「Good!」を連発していたことだ。これについて中高一貫コース長でもある英語科主任の土佐和也教諭は、「日本人はつい正解を求めてしまうが、今回のゼミではどのような解答も正解とします。多少間違っていようとも、構わず話し続けさせるのが今回の取り組みの目的です」と説明する。

     「ゼミに先立って行われた準備講座でも、不正解を恐れて黙ってしまうことのないよう、まず気後れを取り去ることに留意しました」

    「タランチュラは何味?」

     2時限目の授業を終えた高1生たちに、ゼミに参加した動機を聞いた。彼らは中学からの千葉明徳生だ。「中学時代に比べると英語力が落ちてきたような気がしたので、夏休みの間に英語を重点的にやろうと思った」「しゃべるとなるとついつい考え込んでしまうので、この機会に直そうかと思いました」という。

     同校では中学にも週1で英会話の授業があるので、彼らもある程度「話す」ことに慣れてはいるが、この際、特訓しておこうという心掛けだ。

     実際、受講してみて「英語を通じて世界が広がっていく実感を覚えた」「海外で仕事をしたいという夢に、一歩近づいたような気がする」と目を輝かせる。「文法などは一切やらず、会話がメインだから楽しかったし、身に付いたと思う」。中には「英語の謎々が面白かった。タランチュラは何味か。答えはサワー味。タランチュラはスパイダー(酸っぱいダー)だって」と笑い声を弾ませる生徒もいた。

     土佐教諭は「この英語集中ゼミは、4技能(聞く・話す・読む・書く)のうちの『話す』に重点を置いたものですが、それ以上に『英語は楽しいもの』ということを生徒たちに実感させたい」と話す。

     英語集中ゼミを受講した生徒たちは、この思いをしっかり受け止めたようだ。

    英語スキット・コンテストの会場が爆笑

     同校は、週5時間の英語の授業のうち、1時間をネイティブの講師による英会話に充てていた。さらに今年から、中学校の授業でベルリッツの講師による英会話の授業を1時間増やす。

     ネイティブの講師による授業では、文法の授業で習った項目を英会話に生かしている。ベルリッツの講師による授業では、英語集中ゼミと同様、シチュエーションを想定しての英会話となる。同じ英会話でも、視点を変えることによって生徒の会話の幅を広げる狙いだ。

     工夫を凝らしているのは英会話の授業だけではない。千葉明徳では中1から高3までの6年間、さまざまな国内外のプログラムを用意している。

     中1、中2では全員参加の「英語レシテーションコンテスト」がある。100~200語の本格的な英文を暗唱(レシテーション)するコンテストで、クラス予選を勝ち抜いた生徒は同校のメビウスホールで行われる本選に進む。

    • 英国風の語学研修施設「ブリティッシュヒルズ」
      英国風の語学研修施設「ブリティッシュヒルズ」

     中3になると「スキット・コンテスト」に全員が挑戦する。2人1組になって英語でシナリオを書き、3分間の寸劇(スキット)を披露するが、そのコミカルな演技に、会場が爆笑に包まれることもあるという。高校に進学する直前の春休みには、福島県天栄村にある英国風の語学研修施設「ブリティッシュヒルズ」で合宿し、2泊3日を英語漬けで過ごす。

     海外プログラムも充実している。中3の終業式直後に行われる「ボストン短期語学研修」は、希望者を募ってハーバード大学やマサチューセッツ工科大学を訪れる。

     高1、高2では、希望者向けに2週間の「セブ島語学研修」がある。生徒は現地の語学学校に入校し、先生とマンツーマンで英会話を学ぶ。内容の濃いプログラムだ。

     グローバル教育の仕上げは、高2で実施される「ハワイ研修旅行」。生徒は5泊7日でハワイを訪れ、ハワイ大学の学生やルーズベルト・ハイスクールの生徒たちと交流し、現地の生物・天文・地質の調査を行う。

    第1志望に合格したOBが振り返る6年間

     この春、千葉明徳中高一貫コースの第1期生33人が卒業した。うち5人が国公立大学、7人が早慶上理、17人がGMARCHに合格した(延べ人数)。津田塾大学、成城大学などにも合格者を出している。

     注目すべきなのは、第1期卒業生33人のうち22人が一般受験し、10人が大学入試センター試験の英語で約8割を得点したこと。しかも5人は9割を得点した。同校の英語教育が確実に実を結んでいることの証しだ。

     取材の際、この第1期生である三池拓さんが土佐教諭を訪ねてきた。第1志望の千葉大学工学部・物質科学コースに合格した三池さんは、千葉明徳での6年間をこう振り返った。

     「小学生のころから科学に興味があり、屋上に天体望遠鏡があることに魅力を感じ、千葉明徳に入学しました。中高一貫コースの第1期生になれるのもうれしかった。理数系科目だけでなく、英語の授業も面白かったので、すごく勉強しました。千葉大の英語の授業で、同級生はみんな文法や読解はできるけど、スピーキングやリスニングは僕の方が得意かなと思います。そんなとき、千葉明徳の英語教育は素晴らしかったと改めて思います」

     学ぶ楽しさを弾みにして、生徒たちはますます英語力を身に付けていくことだろう。

     (文と写真:松下宗生 一部写真:千葉明徳中学校・高等学校提供)

    2017年11月09日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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