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    進学者が倍増! 英語力強化でさらなる飛躍へ…武蔵野

     今年創立105周年を迎える武蔵野中学高等学校(東京都北区)は昨年度と一昨年度、以前に倍する200人超の大学進学者を出した。女子校からの共学化を経て、進学指導の取り組みが一挙に開花した背景には進路指導と学習の拠点「武蔵野進学情報センター」の存在がある。強化に着手した英語教育の内容と併せて、同校の取り組みを取材した。

    進学率倍増の決め手は「進学情報センター」

    • 学習の拠点「武蔵野進学情報センター」
      学習の拠点「武蔵野進学情報センター」

     同校の2015年度、16年度の大学進学者数は、それぞれ200人を超えた。これは14年度以前に比べて約2倍に達する。この生徒たちは、同校の「武蔵野進学情報センター」で学んだ1期生、2期生にあたる。

     同センターは、生徒の進路・学習をサポートする目的で、2012年の同校創立100周年を機に設置された。大学受験に関するさまざまな情報を集める「進路情報エリア」や、集団学習を行う「トレーニングエリア」、マンツーマン指導が受けられる「個別指導エリア」、自習室などを備えている。常に10人前後の教員が待機しており、学習や志望大学について、いつでも相談することができる。また、備え付けのパソコンで各大学の最新情報を自由に検索できるようにするなど、大学受験を強力にサポートする環境を整えている。午後9時まで開放しているので、毎日多くの生徒たちが自習などに利用している。

    • センターでの自習風景
      センターでの自習風景

     同センターの一番の特徴は、講師による完全個別指導(有料)が受けられることだ。指導を受けたい生徒は、それぞれの進路や学力に合わせて主要5教科から自由に選択し、個別に相談しながらカリキュラムを決める。特に難関大学の突破を目指す「特進ステージ」の高校生にとっては、学校からの補助金も受けられるので、塾へ行くより経済的かつ効率的に勉強できるのが魅力だ。

     入試広報部の筒井敏夫教諭は、「本校はクラブ活動が必修なので、終わった後に利用する生徒も多いです。ですから、生徒のさまざまな生活実態やニーズに合わせて活用できるようにセンターの運用を工夫しています。勉強のやり方はもちろんですが、大学生になって生活リズムが変わった時に必要になる、時間の有効な使い方もここで身につけられます」と話す。学習サポートだけでなく、幅広い役割を果たしているようだ。

    朝テストとセルフチェックで進学意欲アップ

     同校が共学化したのは13年前で、もともとは女子校だった。そのため、教育の中心はしつけや礼儀だったが、共学化以後は進学を意識して、学力アップや生徒のレベル向上に力を入れてきたという。

     その取り組みの一つが、「ムサシノ・スパイラル・サイクル」と呼ばれる独自の勉強法だ。武蔵野進学情報センターで指導を担当する講師が英語の問題を作成し、生徒たちに毎朝、テストで解答させる。採点したテストは放課後、生徒たちに返して見直させる。この学習を6年間続けていく。入試広報部の星野弘教諭は、「学力を付けていくには毎日の積み重ねが大事です。これを欠かさず3年間、6年間と続けることで学習習慣を身につけていきます」と説明する。

    • 「セルフチェックノート」で学習面と生活面をサポートする
      「セルフチェックノート」で学習面と生活面をサポートする

     「セルフチェックノート」も重要な役割を持っている。生徒たちは、このノートを使って学習スケジュールを作成し、その日に学習したことや学校での出来事などを記入している。1日を自分で振り返り、得意不得意などを自己分析し、次の学習につなげていくのが目的だ。ノートは担任と保護者が必ずチェックする。相互に連携して生徒一人一人の勉強の進み具合や悩みなどを共有し、学習面と生活面をサポートするという。

     「女子校時代の大学志望者は数えるほどでしたが、現在は8割が大学へ進学します。授業の中でも常に大学進学を意識させ、受験を考えていなかった生徒にも自信を持たせて背中を押してあげられるように指導しています。普段から大学という選択肢を考えることが、今の実績に結びついていると思います」と星野教諭は話した。

    高1全員留学で英語と目的意識を学ぶ

     グローバル時代への対応として英語教育の強化も始まっている。これまで希望者を対象に行われてきたニュージーランド留学が、2018年度から内部進学生の高1で必修になる。1月から3か月間、生徒は一般家庭にホームステイしながら現地の高校に通い、授業やさまざまな経験を通して英語力やコミュニケーション力を磨く。

     中学3年間はこの留学に向けて準備をする。グループワークやディスカッションなど、生徒に「何かをさせる」授業で英語に慣れさせるところから始まるが、週10時間の英語授業のうち6時間を外国人教員が担当するので、1年もたつとヒアリング力が大きく向上するという。

    • 留学先での授業風景
      留学先での授業風景

     さらに、中3での「クロス・カルチュラル・プログラム」で、米軍基地に勤務する米国人ファミリーと触れ合う日を設け、丸2日間、英語のみで交流させ、文化や習慣の違いを体感させる。こうして海外生活を疑似体験し、ニュージーランド留学のための英語力と心構えを身につけるのだ。

     「留学に参加した生徒たちは、行く前に比べて驚くほど前向きになりますね。目的意識が高い現地の学生に刺激を受けて、将来の目標をしっかり語れるようになります。『日本のことをもっと勉強しなきゃいけない』とか『英語だけできてもダメなんだ』と気付く生徒も多いです。それを認識できたことは大きな収穫だと思います」と筒井教諭は話した。

     前回の参加者の中に、携帯電話を持って行かなかった生徒がいたという。一緒に留学した友人ともほとんど顔を合わさない3か月間、携帯電話は心の支えのようなものだ。筒井教諭は「連絡手段をあえて持たず、厳しい環境に身を置こうという気持ちの強さに私たちも驚かされました」と話した。

     大学進学とさらにその先の将来、グローバル時代を生き抜く語学力や広い視野を身につけることが求められている。同校のサポート体制は、生徒自身も気付いていない力を発掘し、伸ばしている。

    (文と写真:石井りえ 一部写真:武蔵野中学高等学校提供)

    2017年05月26日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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