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    新校長語る「大志抱き、より高い目標へ」…昭和秀英

     千葉県内で指折りの進学校である昭和学院秀英中学校・高等学校(千葉市)の新校長に、県立千葉中学校・高等学校の校長を退任した鈴木政男氏が着任した。10年余にわたって同校を作りあげてきた山崎一男・前校長の後を受け、どんな新しい教育を展開していくのか。鈴木校長に、その構想を聞いた。

    「非常に学校らしい学校」

    • 「『大志』に出会う機会をもっと作りたい」と語る鈴木政男新校長
      「『大志』に出会う機会をもっと作りたい」と語る鈴木政男新校長

    ―――こちらの学校に赴任された第一印象は。

     「まず感じたのは、非常に学校らしい学校だなということです。学校としてやるべきこと、生徒に必要なこと、保護者が望んでいることを、日々一つ一つ、丁寧にやっている印象を抱きました」

    ―――具体的にはどのようなことでしょう。

     「たとえば中学校では、始業前に20分間の自習を行います。内容は、その日の授業を踏まえて教員が作った英・数・国の課題です。しっかり予習を行うことで頭を起動し、また自主学習を習慣づける効果も狙っています。授業のレベルは相当高いので、きちんと理解できるよう教える必要があります。そこで、教科ごとの研究会や教員同士の意見交換なども頻繁に行っています。さらに、年2回の基礎学力テストで個別の生徒の実力を把握し、指名補習や希望者への補習などでサポートします。本校には特進クラスや習熟度別クラスがありませんが、それでも全員の学力を上げていく仕組みができているわけです」

    ―――授業以外の取り組みはどうですか。

     「学級運営もきめ細かいですね。朝8時の職員打ち合わせの前に、各担任がクラスの様子を見に行くことで、何か問題があれば早めに発見、対策ができるようになっています。日々の活動については、計画から実行、成果の確認、報告までのサイクルができています。教科会議の報告から道徳活動、保健室の入室状況まで、あらゆる報告が毎日、校長へ上がってきます。教育委員会などで多くの学校を見てきましたが、その経験から言っても、日常的にここまでやっている例はなかなかないと思います」

    ―――なぜ、そこまででしっかりできているのでしょう。

     「本校の母体である千葉県市川市の昭和学院は、昭和女子商業学校(現・昭和学院中学校・高等学校)が前身です。女子の商業学校ですから、丁寧に生徒の面倒を見て、実践的に教えることを基本にしてきました。本校はもともと共学校ですが、こうした伝統を引き継ぎ、保護者の方々が安心して子供を預けられる校風を作ってきたからでしょう。また、特にこの10年余りは、山崎一男・前校長が大学受験に焦点を絞り、レベルアップを図ってきたこともあります」

    「大志」に出会う機会をもっと作りたい

    • 植松電機の植松努社長による特別講演会
      植松電機の植松努社長による特別講演会

    ―――新校長として新たに取り組みたいことを聞かせてください。

     「実は赴任間もなく、知り合いの教育関係者に『秀英は、もっと実績が上がってもおかしくない』と言われました。言われてみれば、そこそこのレベルで『この辺でいいか』と思ってしまっている生徒も結構いるかもしれない。受験勉強とは結局、地道な作業の積み重ねでしかありません。合格の先にやりたいことや夢があってこそ、高い目標へ向かって頑張れるものです。そこで、今年の始業式と入学式では、クラーク博士の『少年よ、大志を抱け』という言葉を踏まえて話をしました」

    ―――やる気を育てるのですね。何か方策を考えていますか。

     「『大志』に出会う機会をもっと作りたいと思っています。たとえば、毎年行っている文化講演会の人選です。実は先日、理想的な方に講演してもらうことができました。TEDという講演会などで有名な植松電機の植松努社長です。北海道大学と共同で宇宙ロケットを開発した町工場の経営者です。前任の中学校で講演を聞いて感動し、本校でもぜひと思っていたところ、お菓子メーカー・森永製菓のキャンペーンで、植松さんが全国1校だけ特別講義をすることを知り、応募したところ、なんと当選しました。生徒の反応はとても良く、植松さんも『講演後にこんなに質問が来たことは初めて』と言っていました。こうした若々しい向上心と感性を持ち、生徒に近い目線から大きな夢を語れる、そんな方に今後もお願いしていきたいと思っています」

    • 米ボストンでのNASA訪問と研修
      米ボストンでのNASA訪問と研修

    ―――その他にも取り組みたいことはありますか。

     「研修旅行についても構想があります。現在は高1を対象にホームステイ中心の海外語学研修を実施し、半数近くの生徒が参加しています。これを語学の枠を越えて充実させたいと考えています。たとえば、米ボストンでNASA(アメリカ航空宇宙局)やMIT(マサチューセッツ工科大学)を訪問する研修がありますが、スペースセンターの見学や宇宙飛行士と昼食を共にするプログラムのほかに、各国から来た学生たちとの交流にも期待しています。特にアジアの子供たちはレベルの高い英語を駆使して、自分のビジョンを堂々と語ったりします。彼らに接して『このままじゃいけない』と奮起する生徒が増え、学校を引っ張る力になってくれればと思っています。ただ、高1年次で研修を二つも行うと、部活などに影響が出ますので、語学研修は中3に前倒しすることも検討中です」

    理系の素質を掘り起こす新入試構想

    ―――やる気のある生徒を育てるには、資質のある生徒を集めることも必要ですね。

     「入試にも、2018年度から新しい方式を導入しました。従来の4教科とは別に、算数と国語の2教科受験です。理系の才能を掘り起こすのが主な目的なので、時間や点数配分は3対2で算数にウェートを置き、新大学入試を前提に、知識ではなく、主体的な思考や表現力を問うものにしました。本校はかつて私立文系が強いイメージでしたが、この数年で国公立、理系、医学部進学者も増えています。この実績をさらに積み上げ、理系に強い学校へ本格的に脱皮したいと考えています」

     「当たり前のことを丁寧に」。それができることは学校の大切な資産だ。鈴木校長は、それを踏まえて、なお高い目標を生徒たちとともに目指す姿勢だ。前校長の築いた進学校の歴史にどんな新しい構想を重ねていくのか、その行方を見守りたい。

    (文・写真:上田大朗、一部写真:昭和学院秀英中学校・高等学校提供)

    2018年03月06日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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