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    生徒たちの真心が光るオープンスクール…晃華

     晃華学園中学校高等学校(東京都調布市)は6月18日、「受験生のための小さな学園祭」と題するオープンスクールを開催し、中学受験を目指す小学生とその保護者約800人が参加してにぎわった。生徒たちが心を込め、アイデアを絞ったイベントの中からユニークな三つの企画を紹介する。

    アニメキャラが分かりやすく学校説明

    • アニメによる学校紹介は、生徒会役員がキャラクターの声を担当
      アニメによる学校紹介は、生徒会役員がキャラクターの声を担当

     オープンスクール「受験生のための小さな学園祭」は、生徒たちのアイデアと企画力を生かしたユニークな一日だった。特にユニークだった「生徒会役員による学校説明」「ユネスコの部屋」「都道府県カフェ」を紹介しよう。

     同校「マリアンホール」では、午後1時に校長挨拶(あいさつ)に続いて「生徒会役員による学校説明」が始まった。

     この「学校説明」は、ホールの巨大なスクリーンに映し出されたアニメのキャラクターが学校生活を説明するという楽しい構成だ。晃華のオープンスクールを訪れた小学生「ちかげ」を、高2生の「みずき」と「かのん」が案内していくストーリーで、学園の施設や各教室の特徴、授業の内容、さらに教科書・ノートの効率的な使い方まで細かく教えていく。

     各キャラクターの声を担当したのは、2人の中2生と高2生。キャラになりきるために猛練習を重ねたという。また、今回の映像は、高2の生徒会長が制作指揮し、3週間かけて作った力作だ。

     生徒会長は「5月の生徒総会でもこのような映像を作って発表しました。反響が良かったので今回のオープンスクールでもやろうと、新たに学校説明の映像を作りました。初めての試みですが、来年も後輩たちに引き継いでほしい」と話した。

     小学生や保護者たちは説明アニメを見終えて、「お姉さんたちがとても頑張っていた」「学校全体のことを分かりやすく紹介している」「アニメなので親しみやすく、見ていて飽きない」「生徒たちの熱演に好感が持てる」などと、絶賛していた。

    ユネスコスクールとしての活動紹介

    • 「ユネスコの部屋」では高2生が自らの体験を踏まえてプレゼンテーション
      「ユネスコの部屋」では高2生が自らの体験を踏まえてプレゼンテーション

     「ユネスコの部屋」では、ユネスコスクールとしての同校の具体的な活動を紹介していた。ユネスコスクールとは、ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、平和や国際的な連携を実践する学校のことで、同校は2012年に加盟している。ユネスコスクールのネットワークによって情報や体験を分かち合い、地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発、発展を目指す目的がある。

     この部屋では、2人の高2生がパワーポイントを駆使して自らの体験を踏まえた活動をプレゼンテーションした。まず、スクリーンに「SDGsを知っていますか」というタイトルが映し出される。SDGs(Sustainable  Development Goals)とは、「持続可能な開発目標」の意味だ。「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」など、2030年までに達成すべき17個の目標を掲げている。

     高2生の1人は、中2から高1にかけてインドに住んでおり、「路上に暮らし、物乞いをする人々を目の当たりにした」という。これをきっかけに同校のユネスコ活動に参加し、SDGsを広める運動を始めた。今回のプレゼンテーター役も、その一環と捉えて立候補したという。

    「今を生きる私たちが地球を大切にしなければ、未来の人たちは地球に住めなくなる」と話し、小学生に向けて「皆さんにもできることがあります。たとえば、夏にはエアコンの設定温度を上げる、電気をつけっ放しにしないといったことなどです」とやさしく解説した。

    「カンボジアの現状にもっと関心を」

    • カンボジア・スタディツアーで学んだ教育の問題点を発表
      カンボジア・スタディツアーで学んだ教育の問題点を発表

     もう1人の高2生は、昨年8月、「カンボジア・スタディツアー」に参加した1週間の体験を語った。

     このツアーはユネスコが「異文化理解」「国際社会・地域社会の問題解決への貢献」「参加者とのネットワークづくり」を目的に催行した。高2生は「前々から国際関係に興味があった」といい、応募して全国から選抜された10人のうちの一人だ。

     プレゼンテーションでは、最初にカンボジアの歴史として、1970年代のポル・ポトの独裁が今も国中に壊滅的な爪痕を残していること。そのため国を挙げて復興に努めているが、教育、宗教、文化のいずれにも課題が山積していることなどの状況を説明した。そのうえで「寺子屋運動」を進めている学校で自分がソロバンを教えたことや、バイヨン寺院の修復を手伝ったことなどを報告した。

     「このツアーに参加して考えさせられたことがあります。それは刑場跡のキリング・フィールドやトゥール・スレン虐殺博物館など、ポル・ポト政権下で起きた出来事を生々しく伝える場所に日本人の姿がほとんどないことです。このプレゼンテーションは、そのようなことにもっと関心を持ってもらうためのものでもあります」と締めくくった。

     最後までプレゼンテーションを聞いた小学生は、「私にもよく分かるように話してくれて、さすが高校生だと思いました」と目を輝かせた。保護者も「高校生であれだけ高度な内容のプレゼンテーションを行えるのかと、感心しました」と驚きの声を上げていた。

    都道府県を代表してディスカッション

    • 「都道府県カフェ」で和気あいあいとディスカッションする小学生たち
      「都道府県カフェ」で和気あいあいとディスカッションする小学生たち

     最後に紹介する「都道府県カフェ」は、「模擬国連」を小学生向けにアレンジしたもので、20人の小学生が参加した。

    「模擬国連」とは、世界中の高校生・大学生が、ある国を代表する「大使」として、様々な国際問題について英語でディスカッションしながら解決策を見つけ出す学びの場のこと。これをアレンジし、小学生が都道府県を代表して地元の名産品を使ったメニューを提案する内容にした。ディスカッションしながら最終的に五つのメニューに絞り込んでいく流れだ。

     このイベントが盛り上がるかどうかは、司会進行する「議長」の腕にかかっている。そこで、議長役には昨年度の「全日本高校模擬国連大会」に出場し、高校生ベスト100に選ばれた高2生を抜擢(ばってき)した。

    今回の「模擬国連」を指導した佐藤駿介教諭は、「模擬国連は自己主張の中にも協調性が必要とされる教育活動です。その点、本校はカトリック校の伝統として、相手の立場になって、ものを考えるのは得意とするところ。中3生には全員に模擬国連をさせています。今回の『都道府県カフェ』も、協調性や相手の多様性を重んじるプログラムになっています」と話した。

     参加した小学生たちは最初、ぎこちなかったが、イベントの進行と共にリラックスし、終盤には笑い声も立てながらディスカッションを楽しんでいた。

     

    最後に「議長」から「皆さん積極的に発言し、和気あいあいとした雰囲気のうちに会議ができたのは(うれ)しいことです。今回はその中で特に積極的に発言した愛媛県代表の〇〇さんをVIPとします」との挨拶。名前を呼ばれた小学生は(うれ)しそうに記念品を受け取った。

    どのイベントもアイデアを凝らした楽しい内容だったが、何より感じられたのは、自分たちの学校と生活ぶりを小学生たちに知ってもらおうとする生徒たちの真心だった。

    (文:松下宗生、写真:中学受験サポート担当)

    2017年10月06日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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