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    卒業生も実感、「世界人」を育てる教育…明治学院

     明治学院中学校・明治学院東村山高等学校(東京都東村山市)は、ヘボン式ローマ字の考案で知られるJ.C.ヘボン博士が開いた英学塾が淵源で、「キリスト教に基づく人格教育」を土台に、グローバル社会で活躍できる「世界人」の育成に力を注いでいる。大西哲也副校長に同校の教育理念や英語教育法を聞くとともに、卒業生に英語教育の印象を語ってもらった。

    「道徳人・実力人・世界人」の理想

    • 世界人育成の取り組みについて語る大西哲也副校長
      世界人育成の取り組みについて語る大西哲也副校長

     同校は1963年、明治学院の第7代院長・武藤富男氏が「贖罪(しょくざい)と愛の教育」を唱え、「道徳人・実力人・世界人の育成」を教育目標に掲げて設立した。その理想とする人物像はどのようなものか。

     「『道徳人』といっても、単に社会的ルールを守れる人間のことを指しているのではありません。本校が考える道徳人とは、礼節をわきまえ、規律を重んじるのはもちろん、生まれながらに自分に与えられている使命に気付き、社会貢献できる人間のことです。『実力人』とは、勉学の実力はいうまでもなく、自分に与えられた使命を果たすための技術を身に付け、持てる能力を存分に発揮できる人間。また、『世界人』とは国籍や民族などにとらわれず、世界的な視野を持ち、世界の平和を祈念しつつ、文字通り世界で活躍できる人間のことと考えています」

     明治学院東村山高等学校の初代校長となった武藤富男氏がこれらの人物像を理想に掲げたのは、もちろんグローバル社会などの言葉が人々の口に上るずっと以前のことだ。

     「当時は1ドルが360円の固定相場の時代でしたが、『これからは日本にいたとしても世界的な視野で考え、行動し、社会に貢献しなければならない時代になる』と武藤校長はいち早く指摘していました。その後、日本はまさに国際化してきたわけですが、開校当初から本校ではグローバル化する社会で活躍できる人材の育成を念頭に指導してきました」

     「しかし、いくら技術を身に付け、世界的な視野を養ったとしても、自分のことしか考えないような利己的な人間では真の世界人とはいえません。周囲のことも我がこととして受け止めることができる高い人格を備える必要があります。本校が『道徳人・実力人・世界人の育成』の前提として、キリスト教に基づく隣人愛の精神を柱とした人格教育を教育理念に掲げているのには、そうした思いがあるからにほかなりません」

    キリスト教に基づく人格教育

     「道徳人・実力人・世界人」の土台となる人格をどう育成するかについて、大西副校長はこう話す。

     「人格教育の中心となるのは、毎朝8時40分から9時まで行う『日々の礼拝』です。聖書を読み、賛美歌を歌い、クリスチャンの教職員の奨励を聴き、隣人に仕えていく精神を養います」

     この礼拝は中高6年間を通じて行われる。礼拝を通じてキリストと出会い、教職員と生徒が一つになり、隣人に仕える精神を養う。

     この隣人愛の精神は、さまざまなボランティア活動でも実践されている。NPO法人「チャイルド・ファンド・ジャパン」を通じて、フィリピンの貧しい子どもたちの就学を支援したり、キリスト教海外医療協力会への援助を行ったりしている。こうした活動によって傍観者としてではなく、共に生きる人間としてのかかわりを学ぶのだという。

    バランス取れた英語4技能の育成

    • アメリカでのホームステイプログラム
      アメリカでのホームステイプログラム

     キリスト教を通した人格の育成は、同校の変わらない教育方針であるが、一方で時代の求めに応えていくことも学校の務めである。そこで、人物像の三つの理想の中でも現在、特に「世界人」の育成に力を注いでいる。

     「世界人として活躍するには英語が不可欠です。英語で考え、英語で表現する、いわゆる『英語脳』を身に付ける教育に力を入れています」

     大西副校長によると、同校が、こうした英語教育を実現するために積極活用しているのが「プログレス21」という教材だ。さまざまな私立校で採用され、定評のある教材だという。内容は「聴く→話す→読む→書く」の順に構成されており、まずはネイティブが話す教材音源を繰り返し聴くことで、「英語の耳」を徹底的に鍛える。

     「リスニング能力が身に付くと、自然と英語が口をついて出てくるようになります。幼い子どもが自然と母国語を話し始めるのと同じで、『英語脳』が成長している証拠です。リーディング教材には、物語や歴史の話のほか、9.11同時テロやEUの諸問題などを扱った時事的なものもあります。文学的な表現から最近の時事問題までの用語をカバーしているので、英作文にも応用が利きます。大学進学後に英語で行われる講義にも十分ついていけると、喜んでくれる卒業生は少なくありません」

    • 中3生対象のサマーキャンプ
      中3生対象のサマーキャンプ

     また、国際交流の歴史は長く、1972年以後、アメリカでのホームステイプログラムが毎年実施されている。「サマーキャンプ(中3生対象)」や、「40日ホームステイ(高1生対象)」は希望者が対象で、ホームステイをしながら生活や文化をじかに体験する。また、そのような国際交流プログラムを体験した後、「1年留学(40日ホームステイを体験した高2・3生対象)」に出て行く生徒もいる。「一定期間、英語だけで生活することによって、会話力や英語によるコミュニケーション能力が向上するほか、異なった文化に触れることで国際理解力を高めることにも役立っています」

     もちろん、通常の英語の授業や、リスニングを中心とした授業、ネイティブの教師による英会話の少人数授業にも力を入れている。「読む・書く・聴く・話す」の4技能をバランスよく育成し、大学入試改革に向けての受験対策も怠りない。

    「大学の英語授業、米国留学も苦労なし」

    • 卒業生の大和勇介さん
      卒業生の大和勇介さん

     卒業生で、現在は明治学院大学国際学部国際キャリア学科4年の大和勇介さんに、中高校時代の英語授業の印象を聞いてみた。

     「私が明治学院を選んだ理由の一つは、英語教育に熱心だったことです。現在、在籍している国際キャリア学科では、必修科目も選択科目も8割くらいの講義が英語で行われています。いわゆる『英語で学ぶ授業』です。入学当初は多少不安がありましたが、講義内容をちゃんと理解することができました。中高校時代に『英語の耳』をつくる教育を受けてきたおかげだと実感しています」

     大和さんは大学3年生のときに10か月間アメリカに留学。留学中にはインターンシップでフロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでスタッフを経験した。「留学中も、英語で苦労したことはありませんでした」と振り返る。将来も、中高大を通して身に付けた英語力を生かせる仕事に就きたいと話していた。

     キリスト教に基づく人格教育を土台に、グローバル社会で活躍できる「世界人」を育成する同校の理想は着実に実を結んでいる。

     (文と写真:山田雅庸 一部写真:明治学院中学校・明治学院東村山高等学校提供)

    2017年11月29日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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