文字サイズ
    中学受験サポートに協賛する会員校の特色や、会員校からのお知らせなどを掲載しています。

    フレッシュOGが高3に進学アドバイス…東洋英和

     東洋英和女学院中学部・高等部(東京都港区)は4月21日、今春、大学進学したばかりのOGらを講師役に、高3生向けの進学ガイダンスを開いた。OGらは母校の後輩たちに対し、親身になって自らの大学受験体験や進路の選択方法、受験対策などをアドバイスした。OGらの協力を広く生かすために同校は、「KAEDE OG BANK」という人材登録も開始しており、同校に集う人々の絆をますます深めている。

    高3生にありのままの経験伝える

    • 前向きに受験に臨むことを訴える卒業生の平沼さん
      前向きに受験に臨むことを訴える卒業生の平沼さん

     この日の進学ガイダンスで受験体験を語った卒業生らは24人。それぞれ理系、文系、芸術系、海外進学など、さまざまな進路を歩み始めたばかりだ。これから具体的な進学準備に入る高等部3年生約190人が先輩たちを迎え、生の大学受験体験の話に耳を傾けた。

     ガイダンスは進路別に六つの教室に分かれて行われた。理系(医・歯・薬・看・獣)の教室では、東京女子医科大学医学部医学科に進んだ鈴木美優さんらが登壇した。鈴木さんは志望校ごとの対策の立て方や、どの試験に向けてどういう勉強をするかなどを中心に話した。鈴木さんが医師を目指したきっかけは中2生のときの職業体験の授業だったといい、その体験からも「早めに受験勉強のスイッチを入れたほうがよい」とアドバイス。「受験勉強をしていて不安になったときには周りの人に相談したことで頑張れました」などと語った。

     また、「これから受験までの時期は、早寝早起きを心がけるなど、体調管理をしっかり行うことも大切です。あとは強い意志をもって、入試シーズンが始まったら、たとえ第1志望の大学の入試がうまくいかなかったとしても気持ちを切り替え、自分がやってきたことを信じて突き進むこと。最後まで諦めずに頑張れば、自分に合った学校が必ず見つかるはず」などと、受験期の具体的な心がけも話した。

    • ガイダンスの後も質問攻めに遭うOG
      ガイダンスの後も質問攻めに遭うOG

     文系(法・商・経・国際等の社会系)の教室では明治大学政治経済学部政治学科の平沼愛梨さんらが登壇した。平沼さんは、併願する際の試験日程の組み方、予備校や問題集の活用方法などを丁寧に説明し、「自分の経験をありのまま伝えるので、これを聞いて活用できるところは全部役立ててほしい」と話した。

     また、「本当に行きたかった大学があったのですが、残念ながらその大学には行けませんでした。でも、今になってみれば、それは大したことではないと感じています。大学名だけがすべてというわけではありません」とし、後輩たちに対して、前向きに受験に臨むことの大切さを強調した。

     ガイダンスに参加した高3生の1人は、「今回、偶然同じ塾に通っていた先輩から、どの教材をどう使ったかなどのお話を聞くことができ、とても参考になりました。また、多くの先輩が、たくさんの大学に出願することを薦めていましたが、そういうお話と自分の性格を踏まえて、志望校をどう決めていくか、これから考えたいです」と話した。

    卒業生からの情報が進路指導を支える

    • 卒業生による経験談の意味とその影響を語る松木教諭
      卒業生による経験談の意味とその影響を語る松木教諭

     この進学ガイダンスの効果について進路指導主任の松木強教諭は、「生徒たちは、先輩たちのリアルな話を聞くことで、翌年に控える大学受験を、いよいよ自分のこととしてとらえるようになります。大半の生徒はここで、『先輩方が乗り越えることができたのだから』と覚悟を固め、真剣に大学入試に向けたスケジュールを考え始めます」と話す。

     さらに「進学したばかりの先輩たちの話はとても説得力があり、教員が話すよりも伝わりやすいところがあります。女子校ならではのアドバイスもあり、受験情報誌などからは得られない貴重な情報源となっています」とも。

     同校進路指導室は、近年、新しい学力観に対応して変化しつつある大学入試の傾向をとらえるため、入試情報の収集や生徒・保護者へのサポートを積極的に行っているという。今年度も、受験が終わったばかりでまだ記憶が新しい卒業生たちに「大学入試受験体験レポート」の提出を呼び掛け、多くの卒業生から詳細なリポートが寄せられた。受験校別の貴重な資料となるだけでなく、受験勉強を続ける中でモチベーションを上げたり、気持ちが揺らいだ時の心の支えとしたりする生徒もいるそうだ。

    OGのネットワークは財産

    • 貴重な情報が詰まった「KAEDE OG BANK」について語る石澤教諭
      貴重な情報が詰まった「KAEDE OG BANK」について語る石澤教諭

     今回の進学ガイダンスに限らず、同校には、母校の役に立ちたいと考えるOGが多いという。有志OGが、在校生のためのチューターや家庭教師を買って出たり、戦前から続く「野尻キャンプ」などの学校行事をサポートしたりするのは、もはや伝統となっている。

     そこで、同校としてもOGたちの思いを広く受け止められるように、10年前に「KAEDE OG BANK」という人材登録を開始した。同校のシンボルである「(かえで)」の名を冠したこの登録制度は、卒業生それぞれが、学校に協力できる項目を選択して、自分のデータを登録する仕組みだ。

     「KAEDE OG BANK」を立ち上げた中学部長の石澤友康教諭は、「卒業生は本校の財産です」と語る。

     石澤教諭によると、幅広い分野で活躍する卒業生たちは、職業分野別や海外などの地域別に、それぞれに自主的な交流ネットワークを結んでいる。その活動は盛んで、ときにOGたちによる文化祭が学校で開かれたこともあるほど。OGたちの活動に触れることは、生徒たちの社会性を伸ばすことにも役立っているという。

     「東洋英和には、新しいものに取り組む自由な校風の一面、変わらず大切にしてきたものもあります。幾重にも連なるOGたちのネットワークの基礎には、変わらず守り抜かれてきた学校の精神と共通体験からくる共感があるのではないでしょうか」

     生徒たちは学校生活の中で、折あるごとに先輩たちのサポートを受けて成長していく。次は、彼女らが後輩たちのサポートに回る番がくる。時代とともに少しずつ進化しながら、伝統校の価値観は連綿と受け継がれていく。

     (文:山本華子 写真:中学受験サポート)

    2018年05月25日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    おすすめ
    PR
    今週のPICK UP