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    【入試ルポ】さあスタート!関東一円から受験生続々…浦和明の星

     埼玉県で私立中学校入試が1月10日にスタートし、今年の中学受験が幕を開けた。同県の女子難関校とされる浦和明の星女子中学・高等学校(さいたま市)の第1回入試は1月14日に行われ、名目倍率15.9倍となる1911人が出願した。関東一円から受験生を集める同校の魅力と、入試当日の様子をリポートする。

    午前4時半から塾の先生が大集合

    • 午前7時。気温2度の寒さの中、受験生らが試験会場へ向かう
      午前7時。気温2度の寒さの中、受験生らが試験会場へ向かう

     同校の入試の集合時間は午前8時30分だ。7時30分から受け付けが始まるので、7時には、ちらほらと受験生が現れ始める。しかし、入試応援のため塾の先生が駆けつけるのは、さらに早い。まだ薄暗い4時30分、一番乗りのグループが現れた。大手学習塾「早稲田アカデミー」の先生たちだ。同塾の各校舎の先生に加え、志望校別講座の先生ら総勢約100人が校舎前にずらりと並び、教え子の到着を待っていた。

     「早稲田アカデミー」教務本部副本部長の千葉崇博さんは、「浦和明の星の新校舎は大きなインパクトですね。第1回入試出願者数は、ここ数年1800人前後だったのですが、一昨年からさらに人気が上がって1900人を超えています」と話す。「予備校的な学校が増えているなかで、同校は本来の学校にしかできないことを大切にしています。埼玉では都内のように公立が復活しておらず、学力上位層は私立に流れています。同校が第1志望の生徒も増えています」

     第1回入試には、募集人数120人に対して1911人が出願した。15.9倍(名目倍率)の高倍率だ。女子御三家を狙う受験生トップ層の前哨戦ともいわれる。2月の入試の行方を占う重要な入試であるだけに、「サピックス」「四谷大塚」「栄光ゼミナール」などの大手から中小規模まで、多くの塾から集まった数百人の先生が並び、受験生に声援を送っていた。

    マリア像に見守られながら受験会場へ

    • チャペルの鐘が鳴るころには、受験生でいっぱいに
      チャペルの鐘が鳴るころには、受験生でいっぱいに

     大手学習塾「日能研」の先生たちは、学校前の公園に集まった。塾生は、公園で先生たちに励まされてから、校門をくぐっていく。

     都内に拠点を置く個別指導塾「中学受験ドクター」の先生たちは、そろいの黄色い鉢巻きを締め、校門前に並んでいた。この塾の海田真凜先生に受験のポイントを尋ねると、「浦和明の星の算数は、時間配分が重要です。大問で必ず条件整理の問題が出ますが、そこに時間をかけ過ぎると失敗します。生徒たちには、頑張っていつもの力を出してほしい」と話した。

     「最初の教科は、国語だからね。落ち着いて。君なら大丈夫、頑張ってね」。塾の先生にそう声をかけられた受験生は、うなずくと真剣な面持ちで校門に入っていく。別の受験生は、「あ、先生!」と自分から塾の先生に駆け寄り、何人もの先生と握手をして、試験会場となる校舎へ向かっていく。

     7時過ぎには、校舎前に受験生の列ができた。7時30分に校舎の扉が開き、受け付けが開始された。受験生は試験会場へ、保護者は控室へと向かった。受験生の到着のピークは、7時40分から8時過ぎにかけて。続々と詰めかけ、校門から校舎までの坂はごった返す。朝日を浴びたチャペルが、8時の鐘を鳴らす。敷地内にある聖母マリア像が、その様子を見守っているようだ。

    関東一円から人気の源は校風

    • 塾の先生が数百人も集結し、熱を込めて応援する
      塾の先生が数百人も集結し、熱を込めて応援する

     中学受験サポートのコラム「マナビレンジャー 合格への道」でおなじみの、啓明舎の後藤卓也塾長も応援に駆け付けていた。

     「浦和明の星の入試は、一昨年からさらに難化しています。学校や生徒の雰囲気を見て、特にお父さんが気に入るケースが多いです。娘を、都心より郊外に通わせるほうが安心ということもあるでしょう。都内からも通いやすい。以前は、東京の受験生にとってお試し受験という場合が多かったのですが、今は第2志望が多く、受かったら実際に通うことも多いです」

     湘南新宿ラインや上野東京ラインが利用できることもあり、受験生は埼玉だけでなく、千葉、東京、神奈川、群馬、栃木、茨城と関東一円から集まる。遠方から通学している生徒もいるそうだ。

     交通の便もさりながら、受験生が多く集まる人気の理由は、やはり校風といわれる。同校に足を運んだことのある人は、しばしば、その温かい雰囲気について口にする。

     島村新校長は、埼玉県私立中学高等学校協会の機関紙「緑陰」の中で、こう書いている。「子供たちを『素質』において比較することは必要のないことなのです。(中略)教育とは、子供がその『素質』を『存在価値』と捉え、生きるように勧めるものであり、その子供に使命を生きることを促すものであるということです」

     これが同校の哲学だ。学校説明会でも島村校長は、「生徒を大事にしていると話す学校は多いのですが、明の星は本当に本当に大事にするのです」と力を込めて話していた。

     こうした学校側の思いが、受験生や保護者らにも自然と伝わるのだろう。

    ほぼ例年通りの出題傾向

     集合時間の8時30分、入試会場の各教室で試験が始まった。この日の科目は、1時間目が国語(50分)、2時間目が算数(50分)、3時間目が理科・社会(合わせて50分)だ。

     「サピックス」小学部の教育事業本部本部長・広野雅明さんは、「ほぼ例年通りの出題でした。基礎から応用まで幅広く出題しており、客観問題が中心です。一部、思考力を見るような問題も出題しているので、過去問の学習は必須です」と、今年の出題を分析した。また、「埼玉県では唯一のカトリックの女子中高一貫校で、大学進学実績も安定しているため、人気を維持しています。進学校として学習進度も速く、家庭学習の量も多い。入試問題を見ると、真面目にコツコツ学習できる生徒を求めていると感じます」と話した。

     2月4日には、第2回入試(募集人数40)がある。一人でも多くの受験生が、実力を発揮し、晴れて「星子」(在校生たちの自称)となってほしい。

     (文と写真:小山美香)

    2018年01月31日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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