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    入試スタイルを貫く人気の伝統校…神戸女学院

     関西2府4県(大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀)の私立中学入試が1月14日、始まった。関西地区で抜群の人気を誇る神戸女学院中学部(兵庫県西宮市)では、この日に学科試験、16日には体育実技試験が行われた。数年来、生徒確保のために多くの中学が入試方法に工夫を凝らす中、不変の入試スタイルを貫く同校の入試について、受験日の様子とともにリポートする。

    ミッション校らしく試験は土曜と月曜

    • 多くの受験生が列をなす
      多くの受験生が列をなす

     関西の中学入試は、今年も大学入試センター試験と同じ14日の土曜日にスタートした。神戸女学院キャンパスには、中学部・高等学部、大学がある。大学でセンター試験が実施されるため、中学と大学の受験生がともに集まってくる。背後に六甲の山々、かなたに大阪湾を望む丘の上の静かなキャンパスも、この日はあわただしい空気に包まれる。

     中学部では午前中に国語と算数、午後は社会と理科の4科目の筆記試験が、1日置いて16日の月曜日午前には体育の実技試験が実施された。日曜日に試験を行わない理由は、キリスト教では日曜日を安息日としているため。ミッション系学校の習わしとして学校行事も一切ない。

    丘の上に建つ国の重要文化財の校舎

     体育の実技試験が行われる16日朝、同校を訪れた。最寄り駅の阪急今津線「門戸(もんど)厄神(やくじん)」駅に着いたのは7時45分。まだ、受験生と保護者の姿はほとんどなかった。駅から学校までは徒歩で約15分。正門の受け付け開始が8時15分なので、寒い戸外で待たずに済むよう、時間を調節して会場に向かう受験生が多いのだろう。

     神戸女学院は、岡田山という丘をまるごと使ったキャンパスに建っている。140年以上続く伝統校で、この地に移転してからも80年以上が()っている。かつては田畑だったという学校の周囲もすっかり住宅街になったという。大学などを含めた校舎群は、建築家ウィリアム・メレル・ボーリズ博士が手掛けた。2014年に国の重要文化財に指定された名建築だ。ただ、入学試験の当日は、受験生とその保護者しか立ち入りを許されていない。

    正門前での静かな激励

    • 受験生や保護者でにぎわう正門前
      受験生や保護者でにぎわう正門前

     午前8時に学校の正門に着くと、周囲には受験生を励まそうと塾の関係者が集まっていた。

     関西の有名男子校では、塾の講師、スタッフが大勢、お(そろ)いのカラフルなダウンウェアに身を包み、のぼりを立てて激励するのが入学試験日の名物になっている。しかし神戸女学院中前では、塾の名前を書いたのぼりもダウン姿もなく、講師らが門前で静かに受験生を待っていた。周りが閑静な住宅街で、受験生がみな女子だからという配慮もあるのだろう。

     8時を過ぎると受験生たちがやってきた。講師を見つけては駆け寄って握手をし、励ましの言葉を受けていく。男子校と異なり、静かな応援風景だった。

     厳しい寒さの中、受験生たちの列ができ始めると、予定の8時15分より少し繰り上げて受け付けが始まり、次々と受験生が保護者とともに門内に入っていった。試験開始時刻は9時10分。受験生と保護者は8時45分までにキャンパス内の講堂に集合することになっている。20分ほどの間に受験生の姿は消え、構内の坂を上るのは、大学に向かう女子大生だけとなった。

    伝統校らしい不変の入学試験

    • 塾の先生に励まされる受験生
      塾の先生に励まされる受験生

     今年、神戸女学院中学部では募集定員135人に対し、260人の出願があった。倍率は約1.9倍。それほど高くないように思えるが、むしろ粒よりの受験生しか門をたたいていない証拠だ。

     ここ数年、児童数、受験者数の減少が続き、優秀な生徒の確保に向けて関西でも数年前から、首都圏同様の午後入試が行われるようになった。特別なコースを新たに設置して入学試験を複数回行ったり、英語が得意な生徒を優遇する試験を行ったりと、各校が工夫を凝らしている。

     その中で、神戸女学院は入試日程や受験科目に一貫して変化を加えていない。コースの新設などもしておらず、いかにも伝統校にふさわしい落ち着きを保っている。

     試験科目の内容は、国語、算数が各120点。社会と理科は各100点。体育実技は20点の合計460点の試験だ。特色はやはり体育実技試験だろう。体育実技を課する中学は今や全国でも数えるほどになっている。

    • 入学式が行われる講堂(試験日とは別の日に撮影)
      入学式が行われる講堂(試験日とは別の日に撮影)

     得点配分が20点と少なくなってはいるが、体育実技を試験し続ける理由は何かについて同校は、「運動が苦手なお子さんがいるかも知れませんが、『できる』『できない』ではなく、苦手な種目にも全力で取り組む姿勢を見させていただいている」と説明会などで話している。生徒の資質を知るうえで、取り組む姿勢は重要な情報とみているのは間違いないのだろう。

     学校のホームページには「身体的事情で体育実技試験の受験に困難を感じる受験生の方はご相談下さい」と明記されている。試験直前にけがをしたり、病気になることもあるだろう。入学試験である以上、当日に試験会場へ行くことは外せない前提ではあるが、体育実技試験に関して同校に配慮があることは知っておきたい。

     (文と写真:水崎真智子)

    2017年02月14日 05時50分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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