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    中学受験のプロ講師たち「マナビレンジャー」がアドバイスするコーナーです。

    来年の入試算数は「2016」に注目…竹内洋人

    西暦の数字にちなんだ問題は毎年出題

     理科や社会の入試ではその年の出来事をテーマにした「時事問題」が出題されます。理科社会はあまり詳しくないのですが、北里大学の大村先生や東京大学の梶田先生のノーベル賞受賞というニュースが流れましたし、うるう秒の挿入、探査機ニューホライズンズの冥王星フライバイという出来事もありました。

     先日のスーパームーンも海外では皆既月食と同時に観測できる通称「スーパーブラッドムーン」と呼ばれる非常に珍しい現象だったそうですね。社会では「TPP」や「安全保障関連法案」、「明治日本の産業革命遺産」といったトピックが思い浮かびます。

     一方、算数では数年前にお笑い芸人さんの影響で「3の倍数と3がつく数字」が話題になりましたが、特に時事問題というほどのものはありません。ただ毎年、西暦の数字にちなんだ問題が出題されるので、2016年入試に向けて、一足先に「2016」という数字がどのような数なのか、問われる可能性の高い主な性質を取りあげてみたいと思います。

    1. 「2016は4の倍数」

     暗算でもパッと確認できますが、受験生であれば「4の倍数条件」という道具がありますね。「4の倍数条件」は「下2桁が4で割り切れる」という条件なので2016の下2桁の16だけに着目して、16が4で割り切れることから2016は4で割り切れる数であることがわかります。

    2. 「2016は9の倍数」

     2016の各位の数の和は 2+0+1+6=9 で9はもちろん9で割り切れるので2016は9の倍数です。これも受験生にはおなじみの「各位の数の和が9で割り切れる」という「9の倍数条件」を利用しています。6年生の人は9の倍数条件が成り立つ理由を式変形で説明できるようにしておきましょう。また11の倍数条件も定番ですが覚えていますか?忘れた人は要チェックです。

    3. 「2016は三角数」

     例えば 1+2+3+4+5=15 のように「1から連続する自然数の和」を「三角数」と言います。1+2+3+…+63=(1+63)×63÷2=2016 となるので2016は63番目の三角数です。2016がちょうど三角数になっているので数列で「2016番目の数を求めなさい」というタイプの問題が出題されやすいかもしれませんね。

    4. 「2016の素因数分解は2×2×2×2×2×3×3×7」

     素因数分解をすると 2016=2×2×2×2×2×3×3×7 となります。2016は2と3と7の素因数でできているのですね。素因数分解をすることで、4や9の倍数であることも改めて確認できますし、「2016は7の倍数」であるということもわかります。素因数分解は数の性質を調べるための強力な道具です。数の性質を問う問題で見慣れない整数が登場した場合は悩む前に素因数分解をしてみるといいですよ。

    5. 「2016の約数は36個」

     2016は2が5個、3が2個、7が1個の積でできているので2016の約数の個数は公式を利用すると (5+1)×(2+1)×(1+1)=36個 もあることがわかります。たくさんありますね。約数の個数を求める公式の説明は省略しますが、テキストに載っているはずですし、インターネットで調べると簡単に見つかるので、忘れている人や知らなかった人は目を通しておいて下さい。2015年入試では難関校でもこの公式を知っているかどうかで大きく差がつくような問題が出題されていました。

    ちなみに1から2016までの整数の中で約数を最も多く持つ整数は1680で40個。2016は 1260, 1440, 1800, 1980と同じく36個で1から2016まででは1680に次いで約数を多く持つ整数の1つです。2016の約数をすべて書き並べると 1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9, 12, 14, 16, 18, 21, 24, 28, 32, 36, 42, 48, 56, 63, 72, 84, 96, 112, 126, 144, 168, 224, 252, 288, 336, 504, 672, 1008, 2016 となります。また2016の次の2017は素数です。

    6. 「2016の約数の和は6552」

     36個の約数をすべて足すと 1+2+3+4+6+…+1008+2016=6552 となります。

    公式を利用すると、

     というふうに求めることもできます。約数の個数の公式とセットで道具として持っておきましょう。

    7. 「2016を2進数で表すと11111100000」

     2016を2進数で表すと6個の1と5個の0がきれいに並びます。「きれいな数」というのは問題として取りあげられる可能性が高いので、こちらも要チェックですね。もちろん丸覚えではなく、一度自分の手で2進数に変換して確かめておいて下さい。

    出題の可能性が高いテーマはきちんと準備…丸覚えはダメだけど

     暗記で得点することは算数や数学の学習の本質ではありませんが、出題の可能性が高いテーマについては前もってきちんと準備をしておきましょう。それも立派な実力ですし、努力の証しですよね。繰り返しになりますが丸覚えはダメですよ。自分の手で検証して下さいね。

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    2015年10月13日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    
    プロフィル
    竹内洋人  (たけうち・ひろと
     東京大学理学部・同大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻修了。自身の体験を通じて算数指導に目覚め、在学中より塾講師・家庭教師として数多くの子供たちを教える。森上教育研究所特設教室として宮本算数教室教材「賢くなる算数」教室を指導運営。著書、『中学受験 お父さんが教える算数(ダイヤモンド社)』『算数 計算と一行問題(受験研究社)』など。
     
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