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    中学受験のプロ講師たち「マナビレンジャー」がアドバイスするコーナーです。

    受験のハードル、乗り越えるカギ…中曽根陽子

    「もう勉強やめたい~」

     みなさん こんにちは

     1学期が始まってもう2か月が過ぎました。

     中学受験のカリキュラムは、6年生の夏休み前までに一通りの範囲を終えることになっていると思います。受験生の中には、毎日覚えることもたくさんあって、「たいへ~ん」「もう勉強やめたい~」と心の中で思っている人がいるかもしれません。

     そうだよね。受験勉強ってハードル走のようだよね。

     一つハードルを越えたら、またすぐ次のハードルが現れる。

     いったいいつまで、これが続くんだろうと思う時もあると思います。

     でもね、今体験しているそのハードルを越える体験こそが、受験することで得られる大きなプレゼントなんですよ。

     これまでいろいろな角度から、皆さんに知っておいてほしいことを書いてきましたが、一番大事なこのメッセージを贈りたいと思います。

     「成功のカギは、才能ではなくやり続ける力」だということです。

    成功と才能は関係ない…成功を収める人に共通する性格

     世間では、成功した人を見ると「あの人は頭がいいから」「才能があるからね」

    と言われることが多いのですが、実は成功と才能は関係ないということを研究した人がいます。

     アメリカの心理学者でアンジェラ・リー・ダックワースさんという人です。

     ダックワースさんが学校の先生をしていた時に、IQが特別優れているわけではないにもかかわらず、テストで上位の成績を取る子もいるし、逆にIQの数値は高いのに、テストでは点数が取れない子もいることから、何が違うのかと研究をした結果、成功を収める人たちは、共通してある1つの性格を持っていることが明らかになったんですって。

     それが、「グリット」です。

     「グリット」とは、物事に対する情熱であり、また何かの目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力のことです。

    受験勉強も同じ…諦めずにやり続ける

     今、皆さんがやっている受験勉強も同じですね。

     試験本番に向けて、毎日毎日頑張って勉強をしていると思います。

    その中で、ぐんぐん成績が伸びるときもあるけれど、頑張っているのにテストで思うような成績が取れなくてお母さんから叱られたり、お友達と比較されて「○○ちゃんは頑張っているのね~」とちょっと嫌みなことを言われたりすることがあるかもしれません。

     そんなふうに言われたら、ヤル気もなくなるかもしれないね。

     分かる、分かるその気持ち……。

     でも、そこで諦めたら決して成功はできません。

     だって、成功する人は、成功するまでやり続けた人だからです。

     受験勉強の目標は、もちろん行きたい学校に合格することだけれど、

     その先にあるもっと大きな目的は、皆が大人になっていくための底力を育てることにあると,私は思うのです。

    たくさん失敗を経験…「底力」を身につけよう

     前に失敗力について書きましたが(「あさが来た」流 失敗力を鍛える)、成功するには、たくさん失敗を経験し、そこから学んだことを生かしてやり続けることが必要です。

     ぜひ、受験勉強を通して、「グリット」を身につけてくださいね! 皆さんの成功を応援しています!

    ▽これまでのアドバイス

     ・グローバル社会は英語ができればOK?

     ・「あさが来た」流 失敗力を鍛える

     ・五郎丸流のルーチンで受験に勝つ

     ・冬の成績ダウンに効く「加点主義」

     ・国語力アップへ「脱・ワンワード」

     ・自由研究のテーマ探す「頭の地図」

     ・自由研究のテーマ探す「頭の地図」

     ・18歳選挙権と大学入試改革の接点

     ・エジソン流、1万回の挑戦

     ・イチローに学ぶ、夢を叶かなえるコツ

     ・入試は「二つの壁」に挑む大事な体験

     ・勉強時々休んで、頭のアイドリング

     ・ノーベル賞受賞者の声を励みに

     ・2学期好発進、カギは「眠り」にあり

     ・夏休みの勉強は「プチ冒険」しよう

     ・何のために勉強するんだろう

     ・入試問題は学校からのメッセージ

    2016年05月31日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    
    プロフィル
    中曽根陽子  (なかそね・ようこ
     教育ジャーナリスト。情報発信ネットワーク ワイワイネットhttp://www.waiwainet.com/ 代表。教育雑誌から経済誌、新聞連載など幅広く執筆。学校現場や塾の取材、著名人インタビュー、書籍の執筆などを手がける傍ら、海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエイティブな力を育てる探求型の学びへのシフトを提唱。講演活動やワークショップも行っている。子育て中の女性の視点を活かした切り口に定評があり、近著には『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(晶文社)、『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)、などがある。新しい時代を創る子ども達が思う存分その力を発揮するために、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てたいと、2014年「Mother Quest ~learning platform for creative mothers」を立ち上げた。
     
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