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    中学受験のプロ講師たち「マナビレンジャー」がアドバイスするコーナーです。

    入試で増える時事問題、対策は?…早川明夫

    身近なことから「なぜ?」「どうして?」を考える

     ノーベル物理学賞を受賞した朝永(ともなが)振一郎先生が次のような言葉を残しています。

     「ふしぎだと思うこと これが科学の芽です よく観察してたしかめ そして考えること これが科学の茎です そうして最後になぞがとける これが科学の花です」

     科学の世界に限らず、私たちの身の回りには「なぜだろう」「どうしてだろう」と感じられることがたくさんあります。そのような素朴な疑問や興味・関心を日頃から大切にすることが、中学入試の受験勉強においても大切です。

    世の中に「歴史のないもの」はない

     たとえば、私たちの名字には、漢字2字のものが多いです。また名字は、地名に由来するものがとても多いといわれます(山口さん、奈良さん、金沢さん……)。これはなぜでしょうか? ぜひ、皆さん自身の手で調べてみてください。

     調べてみると、国や郡、里の成り立ちがわかってくると思います。さらには、中国の地名のつけ方に行き着くかもしれません。

    世の中の物事には必ず歴史があります。歴史のないものなどありません。深く調べれば調べるほど、新たな歴史の世界を発見できるに違いありません。

     身近なことに興味や関心を持ったら、まずは自分の手で調べてみてください。自分で調べるという作業は、幅広い知識を身につけるための第一歩です。そしてその行動こそ、歴史や社会を学ぶ上で、もっとも有効な手段の一つといえるのです。

    教科の枠を超え、横断的な学習を

     身近な疑問について調べるとき、意識してほしいことがあります。それは社会や理科といった教科の枠にとらわれず、さまざまな視点から掘り下げてみるということです。

     もし皆さんが学校の授業などで地図帳を開き、鹿児島県に目を向けたなら、種子島という名前を見つけることができるでしょう。

     種子島はロケットの打ち上げ基地として、しばしばニュースにも登場するので、ご存じの方も多いと思います。

     では質問です。なぜ種子島に打ち上げ基地が設けられたのかわかりますか?

     この質問に答えるには、理科の知識が必要です。ロケットの打ち上げに、地球の自転のスピードを利用していることなどを理解している必要があります。

     わからない方はぜひ、調べてみてください。

     いろいろ調べてみれば、地球の自転の速度と緯度の関係、ロケットを打ち上げるのに適した場所の条件などがわかると思います。世界の主なロケット打ち上げ基地の場所も知ることができるでしょう。ロケット打ち上げの歴史、各国の開発競争についてもわかるでしょう。

     このように自分で調べることで、理科的な視点、社会的な視点など複眼的な目で物事を見ることができるようになります。広い視野と多面的な考え方を身につけることができるのです。


    2017年01月17日 12時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    
     
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