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    1週間の中で起きた注目の話題を漫画付きで詳しく解説するコーナーです。
    沖縄の洞穴遺跡から出土

    国内最古の全身骨格

    • イラスト・スパイスコミニケーションズ(まこと)
      イラスト・スパイスコミニケーションズ(まこと)

     沖縄県石垣市おきなわけんいしがきし白保竿根田原しらほさおねたばる洞穴遺跡どうけついせきから、国内最古さいことなる全身骨格こっかくふくむ19体分の人骨じんこつが出土しました。うち1体はやく2万7000年前の旧石器きゅうせっき時代のものとみられます。これまで国内で一番古い全身骨格は、沖縄本島で見つかった約2万2000年前の港川みなとがわ人のものでした。これだけの規模きぼで旧石器時代のものが発見されたのは世界てきにもめずらしいそうです。

     調査ちょうさにあたった沖縄県立埋蔵文化財まいぞうぶんかざいセンター(同県西原町)によると、現場げんばは新石垣空港の建設地けんせつちで、2010~16年の発掘はっくつ調査で、洞穴内の地層から1000点をえる人骨へんが見つかりました。

     頭蓋骨ずがいこつ部分や足など全身がほぼそろっているのは2体で、頭蓋骨の復元ふくげん可能かのうなものも2体ありました。

     4体のうち1体の頭蓋骨は、両耳の部分がコブじょう変形へんけいしていました。海女あまさんなど海にもぐる人に多くみられる特徴とくちょうとされます。水にかかわる生活をしていたことがうかがえます。ただ、今回の人骨が見つかった場所は当時、海から遠くはなれた山の上だったとのことです。また、骨の成分せいぶんを調べたところ、海産物かいさんぶつではなく、陸上りくじょうの動物や植物を主に食べていたのではないかと予想されています。文化財センターは、どのような目的もくてきで海に潜っていたのか、今後、研究していくとしています。

     最古の全身骨格は高齢こうれい男性だんせいで身長は約1メートル65です。岩陰いわかげで見つかりましたが、骨の位置関係いちかんけいから、両手・両足を強くげたあおむけの姿勢しせいだったことが分かりました。動物にかまれたあともあり、死者を地下にめない「風葬ふうそう」でほうむられたものとみられます。洞穴内の地層から骨以外いがいの石器などが見られなかったことから、発見場所は墓場はかばだったと推測すいそくされます。担当者たんとうしゃは「生活していた場所も近くにあるのでは」と話しています。新しい発見に期待がかかります。

    顔や体つき復元

     文化財センターは人骨の細かい分析ぶんせきをさらに進め、顔や体つきを復元するなどして、もっとくわしく旧石器人やそのらしぶりをさぐろうとしています。

     全身骨格は文化財センターで一般いっぱん公開されていましたが、分析を進めるために現在げんざいは公開されていません。将来的しょうらいてきには骨を復元するなどして一般公開することも検討けんとうしているそうです。

    2017年06月14日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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