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セレブブームに反対! ピンク

 パンチの効いた歌声とルックス。そしてユニークなミュージックビデオで大人気。今年行われたグラミー賞授賞式でも、大胆なパフォーマンスで話題になったミュージシャン、ピンクを取り上げます。

13歳でクラブ常連

 2000年に20歳でデビューしたときから、ピンク色に染めたショートの髪がトレードマーク。以来、ピンクはミュージックシーンで独自の存在感を放っています。

 パンクで姐御(あねご)肌なイメージですが、生まれたのはフィラデルフィア郊外のミドルクラス家庭。しかし、本人がいうには、3歳ですでにロックスター風の反抗的なスタンスを身につけ、7歳で両親が離婚してからは荒れた子ども時代を過ごしたそうです。なんと、13歳ですでに地元のクラブの常連だったとか! ただし、彼女の場合は遊びに行っていただけでなく、曲をつくり、コーラスやバックダンサーもつとめていたそうですから、ちょっと早めの就職活動だったともいえるかも。途中、ドラッグや飲酒にハマってしまった時期もありましたが、16歳でレコード会社と契約し、Choiceという女性R&Bグループで音楽活動をスタート。若い頃からその才能と個性は際だっていたといえそうです。

セレブをパロディ

 しかしChoiceはさしたる活躍をすることなく解散。ピンクはソロになります。すると、そこから一気に大ブレーク! デビューアルバムは300万枚を売り上げる大ヒットとなり、翌年には映画「ムーラン・ルージュ」のテーマ曲となった「レディ・マーマレード」をクリスティーナ・アギレラ、リル・キムらと歌い、グラミー賞を受賞。2003年にはサードアルバムからのシングル「トラブル」で2度目のグラミー賞を受賞するなど、デビューしてすぐグラミーシンガーに。その後も大ヒットを次々飛ばし続けているのです。

 それらの彼女の作品のなかでも、特にインパクトがあったのは「Stupid Girls」ではないでしょうか? 2006年に発表されたこの曲のミュージックビデオは、当時、大ブームだった、お騒がせセレブ、おバカセレブのパロディ。世間のセレブ崇拝を痛烈に皮肉ったことで大いに話題になりました。しかも、ピンク自身がそれらのセレブを演じているのですが、その演技が秀逸!

 たとえば、携帯電話で通話しながら車の運転をして次々と事故を起こしたり、ホテルの一室で恋人とプライベートビデオを録画していたり……。ハッキリと名前はだしていないものの、これはパリス!? こっちはジェシカ!? という具合に、セレブ好きなら誰をパロディしているかすぐにピンとくる内容で大爆笑。

 ピンク自身が語ったところでは、このビデオは棒のように細くなくちゃいけないとか、常に最新バッグを持たなきゃいけないと取りつかれたように思っている女性たちに対するメッセージとして作ったとか。そんなメッセージを爆笑ビデオにしてしまうあたり、ジョークのセンスも素晴らしいですよね。

とんでもプロポーズで結婚!

 そんな爆弾娘ピンクはプライベートも話題がいっぱい。現在は夫であるモトクロスレーサーのケアリー・ハートとラブラブなことでも知られていますがぶりが、実はこの2人、1度離婚を発表した後、復縁したという間柄なのです。

 その出会いは2001年にラスベガスで行われたエクストリーム・スポーツの大会でのこと。約4年の交際期間を経て2006年1月に結婚していますが、交際期間中も何度か破局しており、その間にピンクは別の男性と交際していたこともありました。そしてプロポーズはピンクから。

 もちろん、彼女のことですから、プロポーズも普通であるわけはなく、ケアリーのレース中に公開プロポーズを敢行。その方法は、チームスタッフから選手への指示を伝えるボードのひとつに、伝統的なプロポーズの言葉である「結婚してくれますか?(Will you marry me?)」と書き、別のボードに「マジで!(I’m serious!)」と書いて掲げていたそう。それを見たケアリーは驚きのあまり、危なく事故を起こしそうになったとのこと。ドラマチックな演出ですが、サプライズすぎ!? ともかく、無事に結婚できてよかったですよね。

 こうして結婚した2人ですが、2年後の2008年にピンクが自身のホームページで離婚を発表。その理由は明らかにされていませんが、後のインタビューで、幸せは自分を役立たずにしてしまう、怒りや悲しみがインスピレーションの元になる、と語っていたところをみると、夫のことを嫌いになったわけではなく、ミュージシャンとして仕事第一に考えたうえでの友好的な円満破局だったよう。そして、同年に離婚をテーマにした新曲「So What」を発表したのですが、そのビデオにはピンクが自分の本名アリーシアとケアリーの名前を書いた木を切り倒すシーンもありました。しかし、その一方で、ケアリーも本人役で共演。世間はその不思議な関係に首をひねっていたものです。

 ところが、同年8月にケアリーの弟で、同じくモトクロスレーサーのアンソニーがレース中に事故死してしまうという出来事が起こります。悲しみにくれるケアリーを支えたのがピンクで、これを機に2人は復縁。そして、再婚はいつ? と聞かれたとき、ピンクが実は離婚届けを出し忘れていたことを告白。つまりはずっと結婚していたわけですが、そんなオチもついたところもピンクらしい、破局騒動だったといえるでしょう。

ステージのためにダイエット

 ところで、ミュージックビデオではビキニ姿になることも多く、グラミー賞のステージでもボディラインがハッキリわかる全身タイツ姿になっていたピンクですが、意外(?)にもムダな贅肉がない、スタイルのよさに注目した人も多かったのではないでしょうか?

 アメリカのリアリティ番組スターのひとりである、ケンドラ・ウィルキンソンはそんなピンクのボディが大好きで、出産後にダイエットする際、ピンクの写真を家中に貼り付けてモチベーションをアップさせていたとか。

 もちろん、ピンク自身は自分と他人を比べないとしながらも、ダイエットをしていることは認めていて、オーガニックな食品、新鮮な魚、トーフ、野菜中心の食生活を実践しているとか。またツアー中も、1日1時間のカーディオ、ヨガ、そして2時間のステージをこなしたうえに食べ物にも気をつけていると語っています。それもすべてはステージ上で気持ちよくパフォーマンスするためとのこと。

 確かに、グラミー賞で絶賛された空中アクロバットもヘルシーで動けるボディがあってこそ。キャリアとルックスの割には、30歳とまだまだ若いピンク。これからも、ステージ、ミュージックビデオ、そしてプライベートでも、彼女らしいパフォーマンスで、私たちをビックリ&大笑いさせてくれるに違いありません。

 【Profile】P!NK(ピンク) 1979年9月8日、アメリカ・ペンシルベニア州生まれ。本名はアリーシア・ムーア。16歳でレコード会社と契約し、2000年にアルバム「キャント・テイク・ミー・ホーム」でデビュー。以来、大ヒットを連発し、2001年、2004年に2度のグラミー賞に輝く。プライベートでは2006年にモトクロスレーサーのケアリー・ハートと結婚。2008年に破局を公表したが現在は復縁中

◆ピンクの商品一覧 → HMVのページへ

太田 万紀子 (おおた・まきこ)さん
海外セレブ専門のフリーランスライター&エディター
海外セレブ専門誌編集を経て、現在フリーランスで活動。ブリトニー・スピアーズ、リンジー・ローハン、パリスなど元祖お騒がせセレブに加えて、近頃はリリー・アレンやエイミー・ワインハウスなどイギリス系大暴れアーチストからも目が離せず、海外雑誌やサイトを見まくる日々。シャイロちゃん、スリちゃんの成長ぶりに癒されています。 「CELEBLOG」http://www.celebtimes.net/
2010年4月21日  読売新聞)

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