<速報> 北朝鮮、新たに開発の弾道ミサイル試験発射に成功…朝鮮中央通信
    文字サイズ
    「ファッション界の今」を分かりやすく掘り下げます。

    バンクーバー・ファッションウィーク 次世代の才能発掘

     バンクーバー・ファッションウィーク(VFW)の特徴として、新鋭デザイナーの多さも挙げられます。

    • Nadia+Zehra
      Nadia+Zehra

     新鋭デザイナーのコレクションは、“冒険ぶり”も魅力のひとつで、双子の女性姉妹がデザイナーを務める英国の「Nadia+Zehra」は色数の多い作品を披露してくれました。カラフルで、どこかキッチュな雰囲気も感じさせる作品からは、2013年にファッションスクールを卒業したばかりという初々しい発想が伝わります。強烈な色選び、やや過剰な飾り立て方も若きチャレンジャーならでは。マーケットを意識しすぎないからこそ、潔い思い切りができるのでしょう。着回しを重視したセオリー通りのスタイリングから、時に離れる大切さに気づかされます。

    • Gabriel Lage
      Gabriel Lage

     アルゼンチンの「Gabriel Lage」はオートクチュールのゴージャス感でランウェイを包み込みました。豪奢(ごうしゃ)なロングドレスに的を絞り、公式な晩さん会にでも着ていけそうなドレスばかりを紹介。会場が一気に華やぎました。

     シルクのつやめきを引き出す流麗な仕立てに、手の込んだ刺しゅうや、まばゆく輝くパーツなどを組み込んで、見ているだけで社交界の気分を味わえます。透ける素材などはこの春夏のトレンド。上品さとセクシーさを両立させる“露出”のお手本を見た気がしました。

    一般市民も会場に

    • the Gabby Wild Foundation
      the Gabby Wild Foundation

     VFWに参加できるのは、プロのファッションデザイナーだけではありません。野生生物の保護を呼び掛けている団体「the Gabby Wild Foundation」はサステイナブル(持続可能)なファッションを提唱する活動の一環としてショーを開催。ファー(毛皮)やレザーを使わないおしゃれを提案しました。

     ファッションがメディア的性格を帯びるのは、勢いが戻ってきたメッセージTシャツでも知られています。公正な貿易を重んじるフェアトレードに代表される、エシカル(倫理的)ファッションも支持が広がっており、ファッションを楽しむことにも、こうした責任を伴うということが強く意識されるようになってきました。

     市民参加型の運営もVFWの持ち味。チケットを買えば、誰でも会場に入れるので、モードに触れる身近な機会として市民の間に定着しています。他のコレクションは、買い付けを担当するバイヤーやセレブリティー、ファッション誌の編集者や記者しか招待されないことも多いのに比べ、VFWは、市民にとっても本気のドレスアップを楽しめる貴重なチャンスともなっているようで、風通しの良さを感じました。一般の来場者からは、温かい拍手が送られることが多く、ここでデビューを飾る新米クリエイターも、比較的リラックスしてショーに臨めるようです。

     アートとの融合やカラフルな色使い、上品な肌見せなど、4大コレクションでも見られた新トレンドを反映しながら、各デザイナーは自由に創造の翼をはばたかせ、ランウェイを盛り上げました。常識にとらわれない運営で次世代の才能を送り出すバンクーバーのファッションウィークは、まだまだ進化の可能性を秘めているように見えました。

     

    プロフィル

    宮田 理江(みやた・りえ)さん/ファッションジャーナリスト
    ファッションブランドの販売員としてキャリアを積んだ後、バイヤーやプレスも経験してジャーナリストへ。海外コレクションのリポートや次シーズンのトレンド予測、着こなしのアドバイスといった原稿執筆のほか、セミナー講演なども手掛けている。著書に「おしゃれの近道」(学研パブリッシング)など。

    2014年05月01日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    


    くらげっとのつぶやき
    発言小町ランキング
    アーカイブ