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きもの噺

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木綿製、ジーンズ感覚でグー

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長谷川 義史/絵

 これまで、ふだん家で着るきものといえば、ウールや軽い袷(あわせ)がほとんどでした。また、そういったきものをよくいただくんです、「これ普段着にしてちょうだい」って。

 やはり、訪問着や色無地などの逸品はお身内の方に譲ることが多いんでしょうね、知り合いからいただくのはカジュアルな雰囲気のきものが多いのです。箪笥(たんす)の一段分を普段着きものが占め、もうこれ以上は増やさないようにしよう、と思っていた矢先のこと。プレジデント社のきもの雑誌『七緒』から電話がかかってきたのです。いわく、「木綿のきものを着てみませんか」。

 そういえば、木綿のきものは着たことがない。普段着用きものをわざわざ買う機会もなかったですし、アンティーク市場にも木綿はあまり登場しないんですね。中古のTシャツがリサイクルに出されないのと同様、木綿のきものも、ボロボロになるまで着倒して、後世に残ることが少なかったのでしょう。

 で、実際着てみました。今までの普段着と比べてだんぜん良いのは、木綿は家で洗えること。炊事や洗濯で汚したって、洗濯機でザブザブ洗えると思えばうんと気が楽です。ただし、炊事の際には袖が濡(ぬ)れたり燃えたりする恐れがありますので、割烹着(かっぽうぎ)またはタスキがけをお忘れなく。

 いいきものを着ているときは、ごはんを食べに行っても「汚したらどうしよう」と緊張しがちですが、木綿だと、居酒屋で呑(の)もうがカラオケで歌おうが、のびのび過ごせるのも楽しいところ。きもの界のジーンズって感じなのです。

 そんな木綿きものライフが、発売中の『七緒』に載ってます。タイトルは「憧れは、磯野家のフネさん」です。(落語作家)

2005年11月23日  読売新聞)
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