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女性の健康Q&A 「乳がん」<2>

第3テーマ「乳がん」

回答してくださった先生:土井卓子先生

質問<2>

 叔母が乳がんで亡くなりました。乳がんは遺伝的な要素があると聞いたのですが、本当ですか? また今、日本女性に乳がんが増えているのは、食生活の影響や、都市部に患者が多いという話を聞いたことがあるのですが、どうなのでしょうか?

 予防するために普段の生活でできることがあれば教えてください。(30代)

回答<2>

 乳がんは必ずしも遺伝性の疾患ではないのですが、家族内に乳がんの患者さんがいる場合は乳がんを発症するリスクは高くなることがわかっています。親、子、兄弟姉妹に乳がんの人がいる場合、2倍のリスクになります。叔母さんでは2倍にはなりませんが、注意するにこしたことはありません。定期的にマンモグラフィ検診を受け、自己触診も毎月きちんと行うのが良いでしょう。

 次に、日本女性に乳がんが増加している理由ですが、それにはいろいろな理由が考えられます。まずひとつ目は、食生活の欧米化により、成長が早くなり、肥満が増加していること。閉経後の肥満は乳がんにとってはリスクとなります。2つ目には、成長が早くなることで初潮も早くなり、エストロゲン(女性ホルモンのひとつ)の影響を若い頃から受けるようになっていること。そして3つ目はライフスタイルの変化です。

 社会生活の変化で、現代女性は結婚、初産が遅く、出産回数も減少しています。出産後も授乳期間が短く、このライフスタイルの変化が乳がんには影響しているようです。都市部ではこういったライフスタイルの傾向が強く現れており、日本では地方と比較して、都市部で乳がんがやや多い傾向がみられます。

 最後に予防についてですが、予防は難しいのですが、過度の脂肪摂取を避けたバランスの良い食事をとり、肥満にならないよう適度な運動をし、リスクのひとつと指摘されている喫煙をやめ、アルコールの飲みすぎをしないようにすることは乳がん予防に有効かもしれません。また夜勤などの不規則な生活を長く続けることもリスクになるといわれているので、規則正しい生活を送ることも大切でしょう。結婚や出産を早くすることも良いといわれていますので、自分の生涯設計を立てる時に考えてみるのもひとつの方法かもしれません。ただ、これらは統計的に乳がんのリスクとしてあげられていることをできるだけ回避する方法にすぎず、すべての人にとって乳がん予防に有効となるとは限りません。やはり定期的に乳がん検診を受け、毎月自分で触診する習慣をつけ、万が一乳がんになってしまったとしても早期発見につなげることが最も大切といえるでしょう。

プロフィール


土井卓子(どい たかこ)

昭和59年横浜市大医学部卒業、医学博士、外科医、日本外科学会専門医、指導医、日本乳癌学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本乳癌検診学会評議員
一人一人と正面からまっすぐに向き合った医療を行いたいと思っています。自分を大切にして、十分に納得して治療を受けていただくことが大切だと考えています。「医療は医師と受診者が一緒に上手に歩いていくことである」が信条です。

◆女性医療ネットワーク http://www.cnet.gr.jp/

女性の体と心の健康と幸福に貢献する統合医療をめざすNPOです。メンバーが交代でコラムを執筆します。

2009年3月19日  読売新聞)


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