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    産婦人科医や助産師、小児科医、保育・子育て支援の専門家のアドバイスを取材してまとめます。
    子育てと仕事・保育園

    【8】看病で仕事を休んだ妻を激怒させた一言

    • イラスト・いわしま ちあき
      イラスト・いわしま ちあき

     急な発熱で保育園から連絡を受け、翌日はお休み。その次の日、もう「ほぼ平熱」だったとしたら、あなたは子どもを保育園に行かせますか? それとも、念のためもう1日お休みさせる――? それについて夫婦で話し合ってみたことはありますか。

    先を見通して見極めを

     仕事が立て込んでいる時期だったら、「2日も続けて休むのは厳しい」と考えるかもしれません。産後サポート会社「アイナロハ」代表で父親学級などの講師も務める渡辺大地さんは、「熱がないなら保育園に行かせればいいじゃん、と迷わず思っていました。でも結局、『お昼寝して体温をはかってみたら、また38度ありました』と連絡を受け、早退しなければならないことも。ずるずると体調の優れない日が続くよりは、きっちり治させることも大切です。そのあたり、我が家では妻のほうが、きちんと先を見通せていました」と話します。

     渡辺さんには、こんな経験があるそうです。第1子が保育園に通い始め、ママも復職したばかりの頃、渡辺さんはまだ会社勤めをしていました。仕事から帰ったところ、「まだ熱が少しあるから、今日も保育園を休ませたよ……」とママ。渡辺さんは「今日も会社休んだの? いいなあ、家でのんびりできてさー」と言ってしまったそうです。

     「妻は激怒でした。自分自身も妻も働いているのは同じなのに、仕事に行かなければならないのに行けないもどかしさを、全然分かっていなかった。お互いにどうしてもキャンセルできない会議など、『この日なら休める』『半日なら何とか』というスケジュールを共有して、やりくりできるのがいいですが、もしどうしても休めないときは、せめて『役に立てなくてゴメン』と伝え、仕事を休んだママに感謝することが大切だと思います」(渡辺さん)

     「アイナロハ」の産後ヘルパーを利用した家庭を見ても、意外とお父さんが遅くまで仕事をしていたり、休日出勤も多かったりするそうです。「でも『全然家事をやってくれない!』と愚痴を聞かされることはあまりなくて、それは、本当に困ったときにパパが会社を休んで戦力になっていることが多いからだと感じます」と渡辺さんは話しています。

    夫の「懐の大きさ」はどこで示される?

     これまで2000人を超すお父さんを対象に父親学級を開いてきた渡辺さん。最近は「共働きしながらの子育て」について関心が高まっていると感じているそうです。著書「産後が始まった! 夫による、産後のリアル妻レポート」(KADOKAWA メディアファクトリー)でも、ひとつの章を割いて詳しく書いています。

    「そもそも出産後も仕事を続けるのかという問題から、育児休業中には、ちゃんと復職できて、子育てと仕事を両立していけるのかという問題まで、女性は不安でいっぱいです。『君の好きなようにすればいい』と言ってあげるのが懐の大きさを示すと思っているお父さん、要注意ですよ! パートナーが仕事を続けるという選択をすれば、当然パパの働き方も子どもが生まれる前と同じとはいきません。その点もふまえて、一緒によく考えましょう」とアドバイスします。

     渡辺さんは、復職した経験のある女性から、「応援してくれる人がだれもいなかった」と聞いたことがあるそうです。「職場の上司や同僚にも、夫やおじいちゃん・おばあちゃんにも背中を押してもらえなかった、むしろ否定的なメッセージを受け取ったというママもたくさんいます。専業主婦になるという選択肢も含め、大切なママの人生についてよく考える機会をぜひもってくださいね」と勧めています。

     

    2014年04月25日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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