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    2014年に100周年の読売新聞くらし家庭面。特集記事などを掲載します。

    恋と結婚(6)占いや迷信に左右 戦後も

    • 1958年1月6日の人生案内。順調に進む縁談に「トラとトリで大凶」という易者の言葉が相談者の女性を悩ませていた
      1958年1月6日の人生案内。順調に進む縁談に「トラとトリで大凶」という易者の言葉が相談者の女性を悩ませていた

     恋と結婚をめぐる人生案内のテーマの一つが「占い」だ。

     1914年(大正3年)10月29日の人生案内の相談は、26歳の男性から。19歳の女性との結婚を占った親戚に、「両人の相性が悪い故、もし結婚すれば一方が死するか、離別の悲しみを見る」と進言されたため、男性の両親は結婚に反対し始めたという。

     「本当に九星と相性とかいうことがあるものでしょうか」という男性の質問に対して、記者の答えは明確だ。「愛の前には九星も相性もありませぬ。相愛することがすなわち相性ではありませんか」

    「丙午の女性は気が強い」根深く

     35年(昭和10年)1月22日、女性からの相談。2人の子があり、結婚9年目になるのに、夫から「お前のような丙午ひのえうまをもらったから出世が出来ない」と暴力をふるわれ、離婚を迫られて苦しんでいた。

     丙午の年に生まれた女性は気が強く、家庭不和をまねく――。この迷信は根強く残り、女性を苦しめていた。教育者の河崎ナツは「丙午は女の運命を決定的に左右するものではないことは今日世間周知の事実です。あなた自身もここに意を強うして肩身を狭くする必要はありません」と回答した。

     こうした迷信は、戦後も残っている。

     56年6月21日の相談は、相愛の仲の女性と破談になった24歳の男性から。破談の理由は「私がサル年でK子がイヌ年だから相性が悪い」。

     58年1月6日の相談は24歳の女性から。縁談を易者に見てもらったところ「トラとトリ年で相性は大凶、もし結婚すると早く死別する」と言われ、半信半疑だという。

     回答者で医師の山本杉は、「ご自分でもそれは科学以前のもうまい(蒙昧)時代のことであると承知しながら、まだこうしたことにひっかかってその点だけが半信半疑なのですなどといっていられるのは、結局生命に対して、真剣味がたりないのだとしか考えられません」と一蹴した。

     占いの文化や歴史に詳しい椙山すぎやま女学園大の加藤主税ちから教授は「人の心が不安を覚えたときにこそ、占いは流行するのです」と指摘する。

     73年、第1次石油ショックで日本経済は大打撃を受け、高度成長が終わる。このころ、人類が滅亡するという解釈が話題となった「ノストラダムスの大予言」が大流行。第2次石油ショックの79年には「天中殺入門」がベストセラーとなった。

     70年代、人生案内にも占いについての相談が目立つ。

     73年12月20日の相談は、夫との不仲を易者に相談したところ、別れた方がよいといわれた22歳の女性から。「気にすればキリがないと思うのですが、やはり易者の言葉を考えると不安になります」

     評論家の戸川エマは「大事なのはあなた方お二人の問題ですから、あくまでもあなた方できめることです」と諭した。

     今も恋する女性は占いが好きだ。東京・新宿の占い専門館「バランガン」には20~40代前半の女性が多く訪れる。「彼が自分をどう思っているか占って」「彼から連絡がこない。いつメールを送ればいいの」。悩みの8割は恋愛に関するものだという。

     恋の行方はだれにもわからない。占いに頼る心理が生じる。「占いにはいつでも懐疑心を持って臨むことが大切。理性を保つことが重要なのです」と加藤教授は話す。(敬称略)(野倉早奈恵)

    2014年10月30日 Copyright © The Yomiuri Shimbun


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