災害時に有効…液体ミルク市販求める声
東日本大震災では海外からの緊急支援物資として、被災地の母親に乳児用液体ミルクが配られた。粉ミルクと異なりそのまま飲ませられて便利だが、国内では流通していない。「災害時などに備え、日本でも手に入るようにしてほしい」との声が上がっている。
宮城県七ヶ浜町で被災した佐藤里佳さん(31)は震災直後、生後8か月だった長男の授乳用に粉ミルクを使っていた。断水で粉ミルクを溶く湯が用意できず、冷たい井戸水を加えた哺乳瓶を強く振って溶かそうとした。「溶けきらないうえ、水の衛生面も心配でした」と振り返る。
佐藤さんが窮状をツイッター(簡易投稿サイト)で訴えたところ、ボランティア団体を通じ、フィンランドからの支援物資の乳児用液体ミルクが届いた。「調乳の必要がなく、保存もきくので助かった。日本でも手に入るようになれば」と話す。
震災後には、フィンランドのほか米国で市販されている乳児用液体ミルクも被災地の母親に届けられた。厚生労働省によると、日本には乳児用液体ミルクの規格がなく、乳児用としては輸入や製造が行われていない。今回は、緊急支援物資として特例で認められたという。
日本乳業協会では規格を作るよう、2009年に厚生労働省に要望した。ただ、安全性を評価するためのデータなどを業界側が提示する必要があり、「需要があるかどうか分からない」(同協会)として準備は進んでいないという。
危機管理アドバイザーの国崎信江さんは、「液体ミルクは必要だが、安全性を確保することも大切。早く規格を設け、非常時に備えてほしい」と話している。
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