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    子育て女性の仕事復帰…就業体験やカウンセリングで後押し

    再就職の不安和らげる

    • インターンとしてパソコンを操作し、結婚式のアルバムを作成する小林さん(左、東京都世田谷区で)=飯島啓太撮影
      インターンとしてパソコンを操作し、結婚式のアルバムを作成する小林さん(左、東京都世田谷区で)=飯島啓太撮影

     出産や育児で離職した女性の仕事復帰を後押しする取り組みが広がりつつある。

     実際の仕事が体験できるインターンシップを行ったり、専門家のカウンセリングを受けさせたりして、再就職の不安軽減に応えているのが特徴だ。

     東京都世田谷区の小林順子さん(45)は、5月下旬から約1か月間、同区で結婚式や広告用の写真撮影を行う「アンズフォト」でインターンシップに挑んだ。パソコンを使い、結婚式などのアルバムを作成する作業を、週2、3日行った。「以前に経験もあって好きな作業で、自分には向いていると思った」と感想を語る。

     小林さんは大手レコード会社などで、CDのジャケットや広告のデザイン編集に携わっていた。7年前、長女の出産を機に退職したが、長女は今春、小学校に入学。余裕ができた昼の時間を生かせないかと考えていたところ、NPO法人「Arrow Arrow(アローアロー)」(東京都国分寺市)など全国5団体が6地域で始めた事業「ママインターンプロジェクト」を知った。

     この事業では、参加者は計3回のキャリア講座を受けた後、希望やスキルに応じた企業で2週間~1か月間、インターンとして働く。受け入れ先は団体側の呼びかけに応じた中小企業や団体で、期間中は無給だが、終了後も双方が合意すれば、そのまま正社員やパートとして働き続けられる。

    • 「女性しごと応援テラス」では、アドバイザーのカウンセリングを受けられる
      「女性しごと応援テラス」では、アドバイザーのカウンセリングを受けられる

     小林さんも経験を評価されてパート採用が決まり、「家庭を一番にしながら仕事も頑張れる」と喜んだ。

     東京都の就職支援施設、東京しごとセンターの「女性しごと応援テラス」でも、女性の再就職支援に取り組む。都民でなくても無料で利用できる。

     特に力を入れているのは、アドバイザーによる個別カウンセリングだ。仕事面での希望を聞き出し、それに沿うよう、企業側に勤務時間を短くできないかなどといった交渉もする。

     2015年度は延べ計3795人が利用し、759人が職を得た。「働きたい人が働けないのは社会の損失。今後も、女性に活躍の場への橋渡しをしたい」と都産業労働局の担当者。

     就職ではなく、起業による仕事復帰を手助けしようとする取り組みも、今秋スタートする。「ママプレナーインターン」と題し、参加者は都内などの企業経営者の下で一定期間働き、経営のノウハウや人事のコツなどを学ぶ予定だ。

     主催するのは、イベント企画会社の経営者で長野県在住の柳沢由香さん(36)。「経営者になれば責任は大きくなるが、自分の裁量で仕事ができ、育児にも時間を割ける」と起業のメリットを語る。自身も、仕事で都内と長野を行き来しながら、小学生の双子の娘の授業参観などがある日はそちらを優先するなど、柔軟な対応で育児と仕事を両立させているという。

     転職情報サイト、リクナビNEXT編集長の藤井薫さんによると、出産や育児を経て再び働こうと考える女性は、勤務日数や時間、自宅と職場の距離など制約が多い。また、仕事から離れていたブランクが長いと、新しい職場で力を発揮できるか不安に感じるという。

     「インターンなどで女性の不安を払拭する取り組みを進めることが大切だ。企業側にとっても、就職前に適性を確認できるメリットがある。新しい就職や転職の方法として広まれば」と期待を寄せる。(及川昭夫)

    30代の労働力率 欧米より低く

     出産や育児が理由で働けない女性は多い。総務省の調査によると、30歳代女性の労働力率(働いている人と、働くことを希望しながら仕事についていない人の合計が、人口に占める割合)は、20歳代後半や40歳代より5ポイントほど低い。

     グラフにすると「M」に見えることから「M字カーブ」と呼ばれる。女性が出産後も働き続ける環境が整っている欧米では、こうした落ち込みは見られず、日本特有の状況だ。

     人口減が進む中で経済成長を続けるには女性の労働力が不可欠とし、政府は女性の再就職支援に力を入れる。2011年に66・3%だった25~44歳の女性就業率を、20年までに73%に上昇させる目標を掲げる。

    2016年08月02日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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