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    胸焼け なぜ起こる

    過剰な胃酸で食道に炎症

     年末年始はとかく食べ過ぎてしまい、「胸焼け」に悩まされる。なぜ胸がムカムカするのだろうか。

     食べ過ぎると、胸の真ん中辺りが焼けるように感じるのが胸焼けの症状。慶応大学教授の鈴木秀和さん(消化器内科)は「胃酸や胃酸を含んだ胃の内容物が食道に逆流して起きる症状です」と話す。胸焼けに伴い、酸っぱいものがのど元にこみ上げてくることもある。

     胃は胃酸を出し、食べ物を消化している。胃酸は強い酸だが、胃は防御機能が働いているため、粘膜が荒れることはない。一方、食道は酸に対する防御機能が弱く、胃酸が逆流すると粘膜が炎症を起こし、胸焼けが起きる。

     胃酸の逆流が起きる原因の一つは、胃酸の出過ぎだ。食べ過ぎたり、肉類や揚げ物などたんぱく質や脂肪の多いものを食べたりすると、それを消化しようと胃酸が過剰に分泌される。

     もう一つの原因は、食道と胃の境目にある「下部食道括約筋」と呼ばれる筋肉の緩みだ。この筋肉は食べ物をのみ込む時以外は閉じており、胃酸の逆流を食い止めている。しかし、飲酒や高脂肪の食品を食べ過ぎることで閉まりが悪くなり、逆流を止められなくなる。

     太っていたり、姿勢が悪く背中が曲がっていたりする場合も、胃が圧迫されて胃酸が逆流しやすい。また食後すぐに就寝すれば、寝ている間も消化が続き、横になっているため胃酸が逆流してしまう。

     胸焼けへの対処法は、水分を補給しながら胃が空になるのを待つこと。「早く治すには、市販の胃腸薬の服用も選択肢の一つ」と鈴木さん。胃の粘膜を保護したり、胃酸を一時的に中和したりする成分などが入っているという。

     注意が必要なのは、胸焼けを頻繁に繰り返す場合。食道の粘膜がただれ、「逆流性食道炎」になる恐れもある。仕事が手につかない、吐きそうになるなど生活の質が低下する病気だ。治療には、胃酸の分泌を抑える薬を長期間服用し続ける必要がある。

     胃潰瘍や十二指腸潰瘍、食道がん、胃がんの場合にも胸焼け症状が起こることがある。鈴木さんは「症状が続く場合は一度、内視鏡検査を受けた方がいい」と話している。

    よくかんで腹八分目に

     胸焼けを防ぐ食生活での注意点として、管理栄養士で大手前大学准教授の本多美預子さん(栄養教育)は「腹八分目を心がけ、よくかんで食べ、脂っこいものや甘いものは控えめに」と強調する。

     食べ物を細かくなるまでかめば、胃の中にとどまる時間が短くなり、胃酸の出過ぎを防ぐことができる。食べ物を口に入れたらすぐに口の奥に行かないよう、舌で歯の裏に押しつけるようにするのが、よくかむコツだ。

     鶏肉はささみやむね肉、牛・豚肉はももやヒレなど脂身が少ない肉を選ぶ。あんこやチョコレートなど甘いものは胃酸が出やすいため、控えめにする。

     また、お酒には食欲を増進させる効果があると言われ、飲酒をしながらの食事は食べ過ぎに注意が必要。夕食は、就寝の3時間以上前に済ませよう。

     胸焼けが起きてしまったら「飲酒を控え、おかゆや豆腐、大根や白菜を煮たものなど消化の良い食事を心がけ、胃酸の分泌を抑えましょう」と本多さんは助言する。

    2017年01月12日 Copyright © The Yomiuri Shimbun


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