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    加熱で硬くなる肉と軟らかくなる肉…その違いは?

    たんぱく質 部位で違い

    • 肉は焼きすぎない。表面に焼き色がついたらあとは余熱を利用するとよい
      肉は焼きすぎない。表面に焼き色がついたらあとは余熱を利用するとよい

     ステーキなどの肉を焼きすぎると硬くなる。一方、煮込んで軟らかくなる肉もある。どういうことだろう。

     肉を焼くと硬くなるのは、肉に含まれるたんぱく質の分子構造が加熱によって変わり、固まってしまうためだ。加熱調理に詳しい横浜国立大学教授の杉山久仁子さんは、「加熱してゆで卵や卵焼きを作るのと原理は同じ」と説明する。

     とはいえ、すべての肉が加熱で硬くなるわけではない。ステーキ用の肉は焼くと硬くなるが、すね肉などは煮込むと軟らかくなる。これについて、杉山さんは「部位によって肉の特徴が異なり、適した調理法も違ってくるのです」と説明する。

     食用肉の大部分は筋肉で、主として筋繊維とそれらを結びつける結合組織からなる。筋繊維に多く含まれるのが「完全たんぱく質」と呼ばれるたんぱく質で、熱を加えると固まったり縮んだりする。一方、結合組織に多く含まれるのが「不完全たんぱく質」。その代表がコラーゲンだ。水と一緒に加熱すると、ゼラチン化するという特徴がある。

     この2種類がどういう割合で含まれるかは、部位によって異なる。牛の場合、背中にあたるサーロインやリブロースには、完全たんぱく質の割合が高い。ステーキなどに使われるこの部位は、生の状態では比較的軟らかく、熱を加えると硬くなりやすい。

     一方、肩、首、すねの肉は不完全たんぱく質の割合が高い。生では硬いが、長時間煮込むと不完全たんぱく質がドロドロになり、束ねられていた筋繊維もほぐされるので、肉全体が軟らかくなる。

    表面はこんがりと

     肉を軟らかく焼きたいときに気を付けることは何だろう。

     東京都内でフランス料理店を営む管理栄養士の堀知佐子さんは、「たんぱく質が固まらないよう、例えば、サーロインの場合、肉の中心温度が50~55度になるように加熱すれば、理論的には軟らかさを保てます」と話す。

     もちろん、実際の調理で、肉の中心温度を測りながらというのは難しい。堀さんは、「肉に金串を刺して、それを唇にあててみて。温かさを感じれば火は通った証拠。とにかく焼きすぎないように」と注意を促す。

     やわらかな食感を残すためにも、表面はこんがり焼くのがコツだ。たんぱく質が加熱で縮むと、肉内部の水分が、うまみ成分とともに流れ出してしまう。肉汁を閉じこめるほか、細菌が付きやすい表面をしっかり焼くことは、衛生面でも意味がある。

     ただし、肉を火にかける時間は短めに。「サーロインなどは、表面に焼き色がつく程度に表裏を焼いたら火を止め、数分寝かせておけば余熱で十分熱は通ります」と堀さんは話している。

    2017年03月27日 Copyright © The Yomiuri Shimbun


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