文字サイズ
    女性に関心の高い最新ニュースをお届けします。

    育休からの復職…夫婦の役割 再確認を

    • セミナーで、育休後の家事分担について話し合う斉藤真衣子さん(右)と夫の慎士さん(東京・有楽町の第一生命保険本社で)
      セミナーで、育休後の家事分担について話し合う斉藤真衣子さん(右)と夫の慎士さん(東京・有楽町の第一生命保険本社で)

     育児休業からの職場復帰後、仕事と家庭をうまく両立させるには、育児や家事を夫と分け合うことが不可欠だ。

     夫婦同伴のセミナーなどで意識を高めてもらおうとする企業も増えている。多くの女性が復職する4月を前に、夫婦間の役割分担を考えたい。

     今月8日、東京・有楽町にある第一生命保険の本社で、育休からの復職セミナーが開かれた。夫婦の役割分担などを考えてもらうのが狙い。10月までに育休を終える予定の本人や夫、上司ら約80人が集まった。

     4月末にフルタイムで復帰予定の斉藤真衣子さん(36)は、同社勤務の夫、慎士さん(36)と参加した。パートナーに担当してほしい育児と家事の項目を選ぶワークショップで、真衣子さんは「子どもをお風呂に入れ、髪を乾かす」「おむつ替え、着替え」を挙げた。「今も時々やっていることなら量が増えてもできるはず。これをやってくれたらかなり助かるなあ」と話すと、慎士さんは「全部できるようにするね」と応えた。

     講師を務めたNPO法人「ファザーリング・ジャパン」理事の林田香織さんは「自分でやらなければという意識を変え、夫に少しずつ家事や育児を移行しましょう。その際、夫には『気づいてほしい』ではなく、伝えることが大切。育休明けを機に、夫婦の役割を再構築して」と助言する。

     第一生命は2014年度に復職セミナーを始めた。15年度からは、女性の描くキャリアや両立のために必要なことを話し合い、夫の理解も深めてもらおうと、夫が同社勤務でない場合も参加可能とした。人事部長の柏崎かしざき美樹さんは「家事や育児の負担が重く、仕事との両立ができないと悩む女性社員は少なくない。そうならないよう、事前に夫婦で考えるきっかけを作ることが大事」と訴える。

     夫婦参加のセミナーは多くの企業に広がっており、セミナーを機に家事の役割分担を見直した人もいる。

     オリックスの青木晴子さん(32)は、16年5月に育休から復帰し、長男の瑛志ちゃん(1)を育てながら時短勤務で働く。復帰直後、大半の家事は自分一人で行っていたが、うまくいかず行き詰まっていた。夫で弁護士の康洋さん(34)は「育休中からの流れで、家事の主体は妻になっていた」と振り返る。

     8月に行われた同社のセミナーに夫婦で参加し、育児家事の分担や将来について話し合った。今は平日の保育園への送り届けと皿洗いや風呂洗い、土日の瑛志ちゃんの食事の世話などは康洋さんの役目になった。

     「自分でやるのはここまでと決めることができて楽になり、仕事も続けられると思うようになった」と晴子さん。康洋さんは「近くに両親もいないので、夫婦のチームワークが大事と感じている」と話す。

     実際の分担はどう決めればいいだろうか。夫婦で家事を分け合うノウハウなどを伝えるNPO法人「tadaima!」代表の三木智有ともありさんは、「『暇なら掃除して』などと場当たり的に指示を出すケースはうまくいかないことが多い」と指摘する。

     提案するのは「パラレル家事」という手法だ。「○○していない方が××する」といった形で、同時並行で物事を進める。例えば「ごはんを作っていない方が子どものおむつ替えや着替えをする」「保育園に連れて行かない方がゴミを出す」などだ。

     三木さんは「分担する量が同じでなくてもいい。話し合いがきちんとできていれば、育児や家事への満足度は高まります」と訴える。

    日本の男性 26か国中25位

     通信販売会社のオークローンマーケティング(名古屋市)が2016年、首都圏の20~50歳代の会社員男女800人に行った調査では、女性が家事や育児と仕事の両立に必要なこととして、男女ともに「夫や家族の理解・協力」(女性81%、男性72%)を最も多くあげた。

     だが、現実は厳しい。経済協力開発機構(OECD)が16年、主要26か国の家事や育児などの無償労働時間をまとめたところ、日本の男性は1日あたり62分。韓国の45分に次いで短く、最も長いデンマーク(186分)の3分の1だった。男性の協力が少ない分、他の主要国に比べ、家事や育児の負担が女性に偏ることになっている。(矢吹美貴)

    2017年03月28日 Copyright © The Yomiuri Shimbun


    くらげっとのつぶやき
    発言小町ランキング
    アーカイブ