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    「テレワーク」導入広がる

    パソコン安全性向上/人材確保策に

     会社以外の場所で働く「テレワーク」が広がりつつある。働き方の見直しが求められているのに加え、パソコンの安全対策が進んだことなども追い風となっている。

     多くの働き手が利用しやすくなった一方、社内のコミュニケーション確保などの課題もある。


     三井住友海上火災保険の東京西第二支社(東京都立川市)支社長の村本裕さん(47)は、昨年12月から在宅勤務制度を月に1、2回利用している。18人の部下の状況は、日々の成果をパソコンで共有するなどして把握する。「長女と長男が出かけた後は、会社より業務に集中でき、中長期的な展望をじっくり考えるのにもよい」と村本さん。

     同社は昨年10月、在宅勤務の対象を、課長代理職以下などから、全社員約1万3000人へと広げた。社内資料のペーパーレス化を進めたことで、社外でも作業できるようになった。社外でも社内と同レベルで安全なパソコンを順次、配備している。

     パソコンメーカーのレノボ・ジャパン(東京)は昨年4月、全社員を対象に回数無制限のテレワークを導入した。

     社員の村上武士さん(42)は昨年11月に1週間のテレワーク勤務を申請し、実家のある福岡市へ向かった。共用オフィスを拠点に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)も活用して地元の人と交流した。こうした人脈を、新たな事業開発に生かしたいという。

     総務省の調査によると、従業員100人以上の企業のうち、テレワークを導入した割合は、2015年で16%と、13年の9%の倍近くに増えた。昨年9月には政府が働き方改革の柱の一つとして「テレワークの推進」を挙げている。

     人手不足の中、優秀な人材をつなぎ留めるため、積極的にテレワークに取り組む中小企業も出てきた。オンライン英語学習サイトを運営するイングリッシュセントラル(東京)では、顧客対応担当の斎藤優香さん(29)が昨年7月、結婚を機に京都市へ転居した。働き続けたいとの希望を受け、同社はテレワークを正式導入し、斎藤さんは以前と同じ業務を自宅で続けている。

     一般社団法人日本テレワーク協会(東京)事務局長の富樫美加さんは、「働き手が不足する中で企業が成長するには、多様な人材の活用が必要だ。テレワークに対応したITツールも充実してきており、今後もテレワークによる柔軟な働き方は広がっていくだろう」と話している。

    社内ルール確認し連絡は密に

     テレワークの利用には、どんな心構えが必要だろうか。

     社内制度作りや実際の運用事例に詳しい「テレワークマネジメント」社長の田沢由利さんは、「これまでは子育て中の女性社員などの福利厚生とみられてきたが、人材確保などが大きな目的になっています」と話す。働き手は社内にいる時以上に、自社の戦力として働きたいという意識が欠かせない。

     就業規則や運用ルールは必ず確認しておこう。始業時や終業時の連絡方法などは決まりがある。コミュニケーション不足を防ぐため、ITツールなどを利用してこまめに連絡を交わす。パソコンの安全対策は基本的に会社が行うが、共用オフィスなどでは周囲の視線に気をつけよう。パソコンや携帯電話を置いたまま離席するのは禁物だ。

     「今は制約なしに働ける人も、いずれは子育てや介護を担うことが考えられる。テレワークを人ごとと捉えず、まずは一度試してみるなど、前向きに利用を検討してみては」と田沢さんは話す。(福士由佳子)

    2017年03月25日 Copyright © The Yomiuri Shimbun


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