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正社員登用 職場に笑顔企業に仕組み義務付け 人材確保へ導入相次ぐパートや契約社員を正社員に登用する動きが進んでいる。4月1日施行の「改正パートタイム労働法」がパートを正社員に登用する仕組みを企業に義務付けたほか、企業側も従業員のやる気を高めて優秀な労働力を確保しようと取り組んでいるためだ。導入した企業では従業員の意欲向上につながっているようだ。(伊藤剛) ユニクロ銀座店(東京・中央区)で働く中井麻紗美さん(28)は昨年、準社員(契約社員)から同社の地域限定正社員となった。現在は、新人スタッフに接客方法などを教えている。2年半前の開店時から銀座店で働き、「銀座での仕事に愛着がある」と言う。準社員の時は半年ごとの契約更新で、いつまでここで働けるのかと不安があったが、「先の見通しが立ち、安心して働ける」と笑顔で話す。 同社は07年4月に地域限定正社員制度を導入。約2万人のパート、アルバイトのうち、制度導入後1年で約2000人が地域限定正社員になった。同社広報・プレス部の青野光展さんは「以前は、正社員になれるという理由で転職する人も多かった。少子高齢化による将来の労働力不足を見据えて優秀な人材を確保したい」と狙いを説明する。 同社の地域限定正社員は全国転勤のある正社員と比べて給料が安いなど待遇面の差はある。しかし交通費が支給され、正社員用の福利厚生が利用できる。中井さんは「産休も使える。子どもが生まれても仕事を続けたい」と言う。 ◎ 生活雑貨大手のロフトは、3月16日付で正社員、契約社員、パートの三つの雇用区分をなくし、全員が無期契約の正社員となり賃金制度も統一した。週40時間以上勤務などを正社員登用の条件とする企業が多い中で、注目される試みだ。 ロフト営業推進部顧客広報課の森山いずみさんは「正社員でも働く時間を短縮でき、子育て、介護など様々な事情に応じて選択が可能になる」と説明する。個々人の事情に応じて弾力的に運用できるので社員にも好評だ。卒業時に退職するパートの学生などを除き2861人のうち2446人が正社員になった。 ◎ 景気回復による人手不足に加え、少子高齢化で将来の労働力確保はさらに厳しくなることから、大手企業では、優秀なパート、アルバイト、派遣社員を正社員に採用する動きが進んでいる。小売業以外でも金融、製造業など様々な分野に広がりつつある。 ただし、正社員が増えると福利厚生などのコストが増えるケースが多い。改正パートタイム労働法は違反の罰則がなく、正社員化の仕組みをどの程度導入するかは企業の体力差に左右されそうだ。 明治学院大経済学部教授の笹島芳雄さん(労働経済学)は、「パートは通常、期限を定めて雇われるが、中小企業では会社側の都合で正社員同様に無期限で契約しているケースもみられる。パートで採用されているのに正社員同様に働いているといった疑問点があれば、会社に確認してみては」と話している。 改正パートタイム労働法 パートを正社員として登用する制度など、正社員化のための措置を講じるよう企業に義務付けた。また、仕事の内容、労働時間などが正社員と変わらないパートへの差別待遇を禁じた。 非正社員の正社員化に取り組む企業の主な例▽吉野家/勤務地域を限定した正社員制度を導入 ▽リンガーハット/勤務地域を限定した正社員制度を導入 ▽三井住友銀行/店舗の派遣社員の一部を正社員にする制度を導入 ▽シダックス/パートとアルバイトの2%にあたる500人を試験で正社員に ▽トヨタ自動車/期間従業員を試験などで正社員にする制度で採用数を拡大 ▽キヤノン/派遣社員を期間契約の社員に採用するほか、正社員への登用を進める (2008年4月17日 読売新聞)
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