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パートから正社員へ労働条件 事前に確認パートなど非正規労働者を正社員に登用する企業が増えてきた。チャンスを生かして正社員になるパートの女性は少なくない。仕事ぶりが評価され、やりがいが増す一方、残業が増えるなど負担も大きい。正社員を目指す場合は労働条件などをきちんと確認しておきたい。(小坂佳子) 東京都小金井市にあるスーパー「東急ストアSSC武蔵小金井店」で働く石川雅子さん(28)は今年5月、パートから正社員になった。レジやサービスカウンターを担当して6年目。社内試験に応募し、合格した。「1年ごとに契約するパートに比べ、安心感は大きい」と喜ぶ。 石川さんは、働きながらレジの技能検定を受けるなど能力向上を図ってきた。パートの立場では助言などをしにくく技能を生かし切れなかったことも、正社員を目指した動機だ。正社員になってからはレジ対応のレベル向上に取り組むなど、「責任はあるが、その分、やりがいを感じている」と話す。 変化も大きかった。パートの時に担当していたお客様対応の仕事に加え、正社員としてパートの勤務管理などの仕事を任されるようになり、事務所の席に座る間もないほどの忙しさになった。異動の可能性もあるので、「今のうちに仕事を教えてほしい」とパート社員から頼りにされているという。 東急ストア(東京)では、人材確保のため、パート社員の正社員への登用制度を新設した。今年5月の登用では、22〜56歳の41人がパート社員から正社員になった。フルタイムのパートから正社員になると、年収は80万〜100万円増える。 財団法人社会経済生産性本部(東京)によると、人手不足や改正パート労働法の影響で、パートから正社員への登用制度を導入する企業は徐々に増えているという。同本部が今年初めに上場企業を対象に実施した調査では、パートから正社員への登用制度がある企業は26%、契約社員から正社員への登用制度がある企業は52%だった。 ただし、正社員への道が広がっても、戸惑う人が多いことは事実だ。自動車販売会社のパートから正社員に転じた30歳代の女性は、事務に加え、営業にも出るようになったため、「残業が重なり、このままではやっていけない」ところまで追い詰められてしまった。今は転職も考えている。 働く女性の相談を受けている「女性と仕事の未来館」(東京、03・5444・4155)には、そんな相談があった。ほかにも「子どもが病気の時など何度か休んだら、仕事に集中していないと言われた」「保育園のお迎えのために帰るのが後ろめたい」など、正社員になって生じた悩みが寄せられている。 主任総合相談員の横山八重子さんは、「正社員になると、パート時代と働き方が変わってしまい、戸惑う人は少なくありません」と話す。「こんなはずではなかった」と後悔しないために、労働時間や賃金などの労働条件は文書で交付してもらい、十分に確認することが大切だ。 また、仕事と家庭との両立も大きな課題だ。「働き方が変われば家族にも影響が出ます。一人で考え込まず、事前に家族とよく話し合って対応を検討しておきたい」と横山さんはアドバイスする。 正社員を目指すときの準備や心構え(横山さんの話をもとに作成) ◇能力開発 パートで担当している仕事の延長線上で能力アップを図る。資格取得のほか、商品知識を増やすなど積極的に学ぶ姿勢が大切。 ◇家庭との両立 いざというときに育児や介護を手助けしてもらえるよう体制を整える。パートで働いていたときに比べ、育児や介護など急な用事でも家に帰れない場合が出てくるためだ。 (2008年7月31日 読売新聞)
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