ニュース 速報 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

とれたて!ミックスニュース

本文です

スカウト 女性に熱視線

写真の拡大
「女性の視点での広報やブランドイメージの構築を求められ、転職を決めました。自分の考えで情報発信できるのがうれしい」と話す中野亜季さん(千葉県市川市で)

即戦力を幹部候補に

 企業が有能な人材を他社から引き抜くスカウト(ヘッドハンティング)の対象に女性を求めるケースが最近目立ってきた。女性管理職を積極活用したい日本企業が増え、通常の求人では間に合わない需要をスカウトで埋めているのだ。女性専用のスカウト事業を始める人材会社も登場し、仕事ができる女性に熱い視線が注がれている。(鳥越恭)

 「一度、話を聞いていただきたい」。教育関係の職場でPRの仕事をしていた中野亜季さん(29)に、知人を通じてスカウト会社から突然の連絡が来たのは昨年9月。

 広報や宣伝の仕事を担える女性の人材を複数の会社が求めており、当時の職場で7年間の実績があった中野さんに白羽の矢が立ったという。

 まだ管理職ではなかった中野さんは、「言われた仕事ではなく、自分の責任で企画や提案ができるなら転職してみたい」との思いを伝えたところ、書籍やCD、ゲームソフトなどのリサイクル店を運営する「サンセットコーポレイション」(千葉県市川市)から、「新設する広報IR室の室長に迎えたい」という話が寄せられた。

 社長や専務との面談を4回受け、2か月後に転職を決意。今年1月から新しい職場に移籍した。管理職として給与も上がった中野さんは会社の新サービスをPR、テレビや雑誌で紹介され、会社の期待にさっそく応えた。

 中野さんのスカウトを仲介した「レイス」(東京都千代田区)によると、20歳代後半から30歳代後半の中間管理職や管理職候補といった即戦力になる女性を、将来の幹部候補として求める会社が目立っている。こうした人材は数が少なく、転職市場にはあまり出てこないため、他社からの引き抜きを求める傾向が強いという。

 人材会社「プロフェッショナルバンク」(千代田区)は今年6月、ヘッドハンティング部門から女性に特化した部門を独立させ、専任の女性スタッフ4人を配置した。

 人事や心の健康、社会貢献などの部署や、女性向けのサービスを行う会社のほか、建設会社の営業職など、従来は男性が中心だった職種のリーダーにも女性管理職を活用したいとして、引き抜きを求める声が増えているという。

 国は男女共同参画を進めるため、指導的立場の女性の割合を2020年までに30%に高める目標を掲げており、女性をターゲットにした引き抜きは今後さらに増えることが予想される。

 ただし、男性をスカウトする場合と違い、女性は待遇や役職だけでなく、女性社員の多さや育児休暇の充実度なども重視する傾向が強いようだ。

 プロフェッショナルバンクの久我忍さんは「スカウトで転職した女性が働きやすい職場環境を引き抜く側も整備していく必要があります」と指摘する。

打診来たらどう対応

 スカウト会社はあらゆる人脈を頼って、欲しい人材を探し出す。本人の経歴などが紹介された新聞やビジネス雑誌のインタビュー記事なども参考にされるという。電話番号や時にはメールアドレスを割り出し連絡をとってくる。

 誘われる側はどんな点に注意すればいいのか。

 女性の転職サイト「とらばーゆ」編集部の富井りささんは、「スカウトの話は、転職の意思を示していないのに、ある日突然来る場合が多いわけだから、自分のことをなぜ知ったのか、どこを評価しているのかをまずはきちんと確かめる必要があります」と話す。

 相手に不審な点がないなら、とりあえず話だけでも聞いてみる価値はあるという。自分の能力を客観的に知ることができるいい機会だからだ。

 ただし、「興味がわいても、本当に転職するかどうかは慎重に検討するべきです。自分が認められている部分がその会社に行けばどう生かせるか、キャリアプランを具体的にイメージする必要があります」。

 誘った相手が突然、採用を取りやめる場合もある。契約のトラブルがないよう、不明な点があれば必ず確認したい。今の職場の退職についても制約などがないか、就業規則を読んでおくことが大切だ。

2008年10月9日  読売新聞)
現在位置は
です