「家具道具室内史学会」を設立する生活史研究家 小泉和子さん

撮影・三浦邦彦
畳の上で寝起きし、押し入れを使う日本人の生活に、家具はあまり必要なかった。それでも、興味深い家具文化が生まれた。「例えば、ちゃぶ台。一つの食卓を皆で囲む西洋スタイルと畳に座る日本の習慣が融合した」「狭い家に暮らす庶民の生活にもぴったり」。魅力を語り出したら止まらない。
そんな家具の歴史を研究する場を設けようと、18日に家具道具室内史学会を設立する。建築やデザイン、民俗学、考古学など多方面の研究者に参加を呼びかけた。「家具の歴史は独立した分野として扱われてこなかった。協力し合って光を当てたい」
美大を卒業し、家具の設計事務所に就職。しかし、大量生産の製品に満足できず、古いたんすの研究を始めた。博物館の展示企画や、古い家具の修理を頼まれ全国を駆け回った。昨年まで京都女子大で学生も指導した。
東京都内の生家を改修し、「昭和のくらし博物館」として9年前から一般公開している。当時のままのちゃぶ台や桐だんすを懐かしがる人も多い。「暮らしに密着した家具の文化的な価値を知ってほしい」(生活情報部 西村洋一)
(こいずみ かずこ)さん 74
(2008年10月17日 読売新聞)