フォトジャーナリストの大藪順子さん
性暴力被害者の写真を撮り続けるフォトジャーナリスト 大藪順子さん(37)
30年前の被害現場で泣き崩れる男性、目にいっぱいの涙をためた女性……。モノクロの写真からは、性暴力被害者の心の叫びとともに、ごく普通の人が被害に遭っているという事実が伝わってくる。2001年から、写真撮影活動「STAND」を続けている。
米国の新聞社でカメラマンとして働いていた1999年、自宅でレイプ被害に遭った。心も体も深く傷つけられ、うつ状態になり苦しんだ。被害者が立ち上がり、生き抜いてほしいという願いを込めて、その表情を撮影し始めた。
これまでに米国とカナダで男女計約70人を取材。活動が知られるようになり、一昨年から、日本各地で写真展や講演会を開いている。日本でも、被写体になりたいと被害者が連絡をくれるようになった。
3歳の娘、夫と米国に住む。「性暴力は被害を『恥』とする偏見が根強いが、恥ずべきなのは加害者」。力強いまなざしが力を帯びる。「遠い国の出来事ではなく、身近に起きているこの犯罪をなくすため、写真を通じて伝えていきたい」(生活情報部 月野美帆子、写真も)
(2008年12月6日 読売新聞)