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乗り物酔いは防げる連休中に旅行をする家族も多いだろうが、長時間の移動は乗り物酔いをする子どもにとってはつらいもの。ただ、専門医によると、乗り物に慣れればほとんどの人が酔わなくなるという。乗車前の体調管理にも気をつけたい。 東京都府中市の女性公務員(37)は、3歳の長女が1年ほど前から、乗り物酔いをするようになり困っている。 電車は大丈夫だが、車とバスが苦手。10分も乗っていると無口になり吐いてしまうことも多い。「荷物が多いときはタクシーを使いたいが、長女は『オエーとなるから嫌』と言って乗りたがらない」と困惑する。 5歳の長女が乗り物酔いをしやすいという栃木県の主婦(36)は「来年は小学生で、長時間バスに乗る遠足が心配」という。 東京厚生年金病院(新宿区)の耳鼻咽喉科部長、石井正則さんによると、乗り物酔いの原因は大きく三つの段階が考えられるという。 〈1〉乗り物による加速や上下左右の揺れなどにより、平衡感覚をつかさどる内耳(三半規管)が感じる体の動きの情報と、目から得られる情報が食い違いズレが生じる〈2〉このズレを脳が不快と判断〈3〉自律神経の反応が不安定になり、冷や汗や生つば、ため息やあくびが出てきて、頭痛や吐き気などの症状がでる。 石井さんは「自分で運転すると酔わないのは、車の動きを予測して自然と体が反応するから。進行方向の見える席に座ったり、遠くの景色を見たりすると酔いにくくなる」と話す。 乗車前の体調管理も大切だ。睡眠をとる。空腹も満腹もだめ。油っこいものなど消化の悪いものは控える。乗車中に本を読んだり、ゲームをしたりするのもよくない。 子どもの場合は精神的な要素も強いという。親からむやみに「大丈夫?」「気持ち悪くなったら早く言いなさいよ」などと言われると、子どもは不安をあおられ、かえって酔いやすくなるという。 東京都中央区の会社員(38)は「7歳の息子が車に酔うときは、時間がなくてイライラして運転しているときが多い。一緒に歌を歌ったり、しりとりしたりして楽しく過ごしていると、長時間乗っていても不思議と酔わない」と話す。 乗り物酔いをしなくなる訓練として、石井さんが勧めているのが、布団の上での前転だ。「最初は1回転するだけで酔って吐いてしまう子どももいるが、様子を見ながら徐々に体を慣らしていく。5回ぐらいできるようになればもう大丈夫だろう」と話す。 もし、車に酔ってしまったら、窓を開けて風にあたる。ベルトや衣服をゆるめ、進行方向に足を向けてあおむけに寝て、目を閉じる。乗り物酔いへの不安が強い場合は、「これを飲んだら大丈夫」などと子どもに暗示をかけながら酔い止めの薬を飲ませるといい。 石井さんは「乗り物に慣れてくれば、ほとんどの人は酔わなくなる。酔い止めの薬を服用するなどして、まずは『自分は酔わない』という自信をつけることが大切だ」と話している。 石井さんが提唱する「乗り物酔いに勝つための13カ条」〈1〉脂肪の多い食事をとらない 〈2〉空腹はだめ。食べ過ぎず、適度な食事を 〈3〉乗る前に排便を済ませる。便秘は要注意 〈4〉厚着をしない 〈5〉寝不足は大敵。前日は十分に睡眠をとる 〈6〉きついネクタイやベルト、体を圧迫する下着は避ける 〈7〉読書はしない。なるべく遠くの景色を眺める 〈8〉後ろ向きの座席を避け、進行方向が見える前の方の席に座る 〈9〉気分をリラックスさせ、呼吸は深くゆっくりと 〈10〉不安が強い人は、事前に酔い止めの薬を服用する 〈11〉乗り物内では、頭をぐらぐら揺らさない 〈12〉気分が悪くなったら、早めにシートを倒すか横になる 〈13〉窓を開けて風を浴びる。船なら甲板に出て空気を吸う (2009年5月1日 読売新聞)
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