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遺族の悲しみ和らげるサービスが登場

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洗剤や特殊機材を駆使しして部屋を清掃する。「時には遺体の痕跡が残る現場もあります」と竹沢さん(左、大阪市のセントワークスで)=追野浩一郎撮影

孤独死 清掃や遺品整理・死に化粧 生前の表情に

 大事な人を失った遺族の悲しみや苦労を軽減するサービスが登場している。

 死者の遺品を整理したり、死に顔をきれいに化粧したり。サービスは有料だが、遺族の多くから感謝されるといい、ニーズは高まっていきそうだ。

 一人暮らしの高齢者などが人知れず亡くなり、しばらくたってから発見される「孤独死」。遺品整理を請け負う会社「セントワークス」(大阪市)の竹沢光生さん(39)のもとには、孤独死のあった部屋の片づけと清掃の依頼が、年間15〜20件寄せられる。

 警察が遺体を搬出した後、遺族が目を覆いたくなる部屋でも平然と入り、テキパキと片付ける。清掃し、掃き清めて部屋を出る時には、においも痕跡も残さない。料金は悪臭・腐乱など部屋の状況などで異なるが、遺品5立方メートル当たり6万円前後と言う。

 部屋から搬出する家財道具は引っ越し作業と同じように荷造りし、遺品は遺族に渡す。「この仕事をやっていて、感謝されなかった現場はありません。自分らがやらなかったら誰がやる、という誇りもあります」と竹沢さんは話す。

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死者の顔を化粧し、安らかな表情をよみがえらせる仕事をする井上千代子さん(福岡市で)

 死者の顔に化粧をし、生前の表情をよみがえらせる職業がある。福岡市の井上千代子さん(36)は「デス・メーキャップ・アーティスト」という肩書で、1997年からこの仕事を続けている。同市とその近郊を中心に、年間約500件の表情修復を請け負う。

 葬儀社から連絡を受けると、白衣姿で斎場や遺族の自宅に向かう。特殊な顔料を使った化粧道具で30〜40分かけてメークをすると、青白い死に顔に赤みが差し、ふだん眠っているかのような表情に変わる。事故死した遺体には、化粧の前に傷口をふさいだり、シリコンで鼻などを復元したりする。

 利用希望者は葬儀会社経由で申し込む。通常の葬儀費用に3万円からの追加料金で行えるという。「遺族から『元気な頃の顔と一緒だ』『きれいにしてくれてありがとう』といった言葉を聞けた時に、この仕事をしていて良かったと、やりがいを感じます」と井上さんは言う。

 遺品整理業者が注目される背景には、孤独死の増加がある。孤独死の明確な定義はないが、東京都監察医務院の統計では、東京23区で2007年に確認された一人暮らしの死亡は5489人。2000年の3637件から年々増えている。

 また、死者への化粧は、井上さん以外にも、遺体に防腐処理を施して衛生的に保つ技術「エンバーミング」でも行われる。

 葬儀専門誌「SOGI」編集長、碑文谷創さんは「現代の葬儀では、祭壇を作るとか段取りを決めるだけでなく、遺族や遺体へのケアも求められている。そこに対応するサービスは、今後も広がっていくのではないか」と話している。

2009年9月23日  読売新聞)
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