広がる全児童対象事業
川崎市は2003年4月、市内の全小学校に「わくわくプラザ」を開設した。
空き教室などを開放し、利用登録すれば、親が働いているかどうかにかかわらずすべての子どもが基本的に無料で遊べる。同市は「親が共働きの子どもだけが対象の学童保育は不公平」「大勢の子どもと遊べる」などを開設の理由に挙げる。これに伴い約100か所あった公営の学童保育は廃止された。現在、全児童の約4割が登録している。
すべての児童に、放課後の場を提供する「全児童対策事業」を実施する自治体は広がっている。
東京都品川区が今年度中にすべての学童保育を廃止し、「すまいるスクール」事業に統合する予定。
横浜市は、1990年代から全児童対象の事業を続け、学童保育への補助も行っているが、昨年度から両者の中間的な性格を持つ「放課後キッズクラブ」を試験的に始めた。午後5時までは全児童を対象、以降午後7時までを親が留守の家庭の子どもを対象に有料で子どもを預かる。同市は「どの施設を選ぶかは親の判断だが、『キッズクラブ』が普及すれば、将来現行の学童保育を縮小することもあり得る」と言う。
学童保育のほかに、子どもたちが放課後を過ごす新たな場所を増やす動きが各地で進んでいることで、学童保育の意義も問い直されている。
川崎市内の「学童ほいくオカリナ」は公営の学童保育廃止に伴い、父母会が運営主体となって、2003年4月にオープンした。指導員や父母らが場所探しや改装などに奔走し、開設した。公的な補助金はなく指導員2人の費用などは月2万5000円の保育料で賄っている。
公営のときと比べ、保育料は約6倍になったが、児童は毎年増え現在33人。ある母親(34)は「安心して子どもを預けたいので、ここを選びました」と話す。
「わくわくプラザ」は「大勢の子どもが不定期で利用するため、スタッフが子ども一人一人へきめ細かい対応をすることが難しい」という声も多い。学童保育と比べ、遊びや会話など子どもとのかかわりは少ない。
同市内には、公営の学童保育廃止後も、自主運営している学童保育が約10か所ある。
大阪市など学童保育と全児童対象の事業の両方を進めている自治体も多い。
学童保育についての提言も行っている「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀(ふこういんあき)さんは「全児童対象の事業は、地域の子どもたちにとって有益。ただ、親が夜まで家庭に帰れない家庭の子どもには、落ち着いて体を休め、宿題ができる環境や、甘えたり、頼りにしたりする指導員が必要。学童保育との役割の違いを、よく整理することが大切です」と話している。
























