上限40人…質向上へ独自基準
埼玉県東松山市の学童保育「竹の子クラブ」(児童数68人)は今年初め、建物を増築した。子どもたちが過ごす保育室を約80平方メートルから約140平方メートルに広げた。
新しい床の上で、子どもたちが集まって、手遊びをしたり、じゃれあったりしている。「『だるまさんが転んだ』もできるよ。夢みたい――」と5年生の女児(10)。
運営するNPO法人「東松山市学童保育の会」事務局長の山本和順(かずのり)さんは「手狭だったスペースに余裕ができ、好評です」と話す。
増築のきっかけになったのは、埼玉県が昨年まとめた「県放課後児童クラブ運営基準」。学童保育の施設の広さや指導員の数など運営の基準を、細かく定めた。
同県子育て支援課は「これまで学童保育の基準ははっきりしたものがなく、質的に劣っている例もある。基準をもとに改善に努めてほしい」。県内の学童保育が基準を満たしているかどうかの調査も行い、改善のための補助も行っている。「竹の子クラブ」も県や市の補助を利用した。
学童保育は全国に増えているが、国の明確な運営基準はない。自治体も、しっかりした基準を定めているところは少ない。厚生労働省は昨年、全国の自治体が独自の施設基準を持っているかどうか調査した。定めているのは埼玉県、東京都の2都県と札幌市など43市区町村に過ぎなかった。基準の内容が十分ではない例もあった。
全国学童保育連絡協議会事務局次長の真田祐(ゆたか)さんは「施設の整備は遅れている。施設が狭かったり、専任の指導員が一人だけだったり、専用トイレがないところもある」と指摘する。
同協議会は一昨年、独自の「設置・運営基準」を示した。▽対象は小学校1〜6年生▽人数の上限は40人▽宿題などをする「生活室」、遊びに使う「プレイルーム」、台所などを設置する▽指導員は、児童30人まで2人以上、40人まで3人以上――など多岐にわたる。
「学童保育の質を向上させるため、国が制度として取り入れてほしい」と真田さん。
同協議会の調査(2003年)では、子どもが学童保育で過ごす時間は夏休みなどの長期休暇を含めると年間1630時間で、学校で過ごす時間より約500時間長かった。学童保育に通う子どもにとって、重要な生活の場になっていることがうかがえる。
学童保育への一般の理解は、まだ十分とは言えない。関心を高めることがこれからも求められる。(伊藤 剛寛)
(おわり)


























