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企画・連載
どうする?私たちのお産

安産へ心掛けこそ母心

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大葉ナナコさん(右)の出産準備クラスには「どうしたら安産できるか知りたい」という妊婦とパートナーたちが数多く訪れる(東京都内で)

 「産科医が足りない中で私にもできるのは、なるべく医師の手を煩わせずに安産できる女性を増やすこと」

 長野市の宇敷(うしき)香津美さん(28)は自身の出産経験から、こんな思いにたどり着いた。

 一昨年9月、長男を同市の助産所で出産した。妊娠した時、お産の知識はほとんどなく、助産所に行ったのも「男性医師に診察されたくない」というだけの理由だった。

 助産師は「本来、女性の体には自然に産む力がある」ということを教えてくれた。ただ、妊娠中に体を冷やしたり、太りすぎたりすると、難産になって医師の助けを借りねばならなくなる。

 「逆子にならないように足を冷やさないことや、太らないよう運動することなど厳しく指導されながら、同時に『大丈夫、ちゃんと産めるよ』と励まされた。自然と『自分のお産は自分で作るんだ』という気持ちになりました」

 たまたまいい助産師と出会い、お産のリスクやそれを避けるために自分でできることを教えてもらえた。しかし、母子手帳の記述や母親学級の情報では不十分だと感じ、「経験した私が伝えなきゃ」と、月1回、女性たちが集まってお産情報を交換しているグループ「うむうむネット」に加わった。

 自分の体験を後輩妊婦に伝え、妊婦向けテキストを母親たちで手作りする計画も練っている。産む力を育てる方法のほか、行政からは得られない情報など、妊婦の意識が高められる情報を盛り込むつもりだ。

 妊娠中の過ごし方が、お産の安全に影響するという意識が希薄な妊婦は意外に多い。厚生労働省の人口動態統計によると、2500グラム未満の低体重児の割合は、1990年の6・3%から2004年は9・4%に増えた。最近の妊婦のダイエット志向が影響しているといわれている。また同省が今年3月に発表した「健やか親子21」中間報告によると、3歳児健診に来た母親の8・3%が、妊娠中に喫煙していたと答えた。こうした状況は、早産や難産をさらに増やすことにもなりかねない。

 5人の子の母で、東京都内で出産準備クラスを主宰する大葉ナナコさんは、クラスにやってくる女性たちの中にも時折、ショッピング感覚で評判のいい産院を選んだら後はお任せで、無事に産ませてもらえるという意識の人がいるのが気になるという。

 「自分が望むお産ができるかどうかは、妊娠中や妊娠前からの生活で決まってくることを知ってほしい」と話す。

 安全で、しかも幸せを感じられるお産は、その後の育児の自信にもつながる。そんなお産を守るため、それぞれにできることを考え、動き出すことが大切だ。(森谷直子)(おわり)

2006年6月17日  読売新聞)

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