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支えあって子育て 福井のヒミツ

予算充実「すき間」ない支援

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シルバー世代も手伝って、子どもの一時預かりが広がっている(福井市シルバー人材センターの「ひだまりの家」で)

待機児童ゼロ・各地で一時預かり

 福井県を「子育て支援のお手本」という他県の関係者は、「対策に“すき間”が少ない」と指摘する。保育所は待機児童ゼロで入所が簡単。各地に病児病後児保育、乳幼児の一時預かり。ボランティアによる育児相談も実施――。

 多くの自治体で「保育園に入れない」「ちょっとした時に子どもを預ける所がない」と親たちが悲鳴を上げているのとは対照的だ。

 すき間のない支援に予算の裏付けは欠かせない。県の少子化対策の拡充と共にその予算は93億円(05年度)→103億円(06年度)→127億円(07年度)と伸びてきた。

 4年前に就任した西川一誠知事は、大規模施設の建設凍結など行財政改革を進め、これまでに200億円以上を捻出(ねんしゅつ)。原子力発電所の立地に伴う豊富な電源交付金の一部も加え、子育て支援にあててきた。「女性が生きがいを持って子育てできる環境を整えることが大事。それが不十分だから日本で少子化が進んでいる」と話す。

 同県の出身で、「子育て環境研究所」(東京)代表の杉山千佳さんは、育児観の違いも指摘する。「福井には、幼い子を持つ母は育児に専念すべきだという『3歳児神話』がなく、女性が働きに出るのにハードルがない」とみる。

 繊維産業などが盛んで女性もずっと働き手だったから、先輩世代も働くことに協力的だ。「むしろ専業主婦だと『昼間から遊んでいる』と見られ、肩身が狭いほど」と杉山さんは説明する。

 女性が働きやすい福井だが、課題はある。福井県立大教授(社会福祉)の大塩まゆみさんは「働く女性は多いが専門職や管理職は少なく、発言力は高くない。家事育児で協力してきたのはおしゅうとめさんで、男性が協力的なわけではない。でも今は核家族が増え、男性も分担することが求められている」と分析する。

 こうした中、県では昨年度から、男性の育児力向上に取り組む民間団体への支援を始めた。育児と家事の技能習得をはかる父親教室など5団体の活動に助成した。

 また、従業員50人以上の約450社を県職員が全社訪問し、「父親の子育てを応援する職場環境を作っている企業」を調査。出産休暇やノー残業デーなどに取り組む企業16社を表彰した。

 表彰企業には、県の中小企業育成資金の融資を利用する際の保証料が無料という特典付き。さっそく特典を使った東工シャッター(鯖江市)は、「表彰で企業イメージも上がるし、ありがたい」と話す。

 「仕事と家庭が両立できる暮らし」をいち早く実現しつつある福井県。男性も女性も働きながら子育てができ、家族を大切にできる。少子高齢時代に求められるライフスタイルが見えてくる。

 (榊原智子、おわり)

2007年8月11日  読売新聞)


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