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「クライマーズ・ハイ」で新聞記者を熱演 堺雅人さんに聞く

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堺雅人(34)宮崎県出身。舞台、テレビ、映画などで活躍。

命を追った、あの夏。

 1985年の日航ジャンボ機墜落事故で取材に当たった新聞記者たちの1週間を追った映画「クライマーズ・ハイ」(原田眞人監督)が、7月5日に公開される。地元新聞社の社会部記者、佐山達哉を演じた堺雅人さんに聞いた。

走り、叫び、書いた。新聞記者たちの激動の一週間。

Qでき上がった作品を見た印象は?

ANHKの「プロジェクトX」とか「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見た時に流す涙というものがあるとしたら、それに近いと思いました。働く人間のかっこよさというものを、むき出しで見せられた感じです。あの時、僕は12歳でしたが、家で仕事のことをほとんど話さない父親の背中を「働いている」というだけでかっこいいと思っていた感覚を思い出しました。

Q横山秀夫さんの原作については。

A脚本と平行して読みましたが、働くこと特有の高揚感がひしひし伝わってきました。それだけ、日航の事故が、当時、地元紙で記者をやっていた横山さんにとっても大きなことだったのでしょう。

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主演の堤真一さん。© 「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ

 また、横山さんの経験のおかげで、新聞業界の描写にもリアリティーが出たと思います。例えば、地方新聞社勤務である佐山が全国紙の記者と話す場面がありますが、親しげに言葉を交わしながらも、腹の中では相手がどのくらいの情報を持っているかを探っている。そういうやりとりは演じていて楽しかったですね。

Q新聞記者を演じるための役作りは?

A専門用語一つとっても分からないことばかりだったので、何人かの事件記者にお会いして話を伺いました。例えば、「サツ回り」というのは、具体的に何時にどこへ行って何をするのか、メモ帳やペンはどんなものを使っているのか、そういったことを一つ一つ聞いてイメージしました。

 新聞記者というのは、組織人でありながら、一匹狼の集まりにも見えますね。上司部下の関係でありながら、自分のネタ元を出すことについては慎重だったり、切羽詰まると敬語が抜け落ちてしまってもOKだったり。

Q会社なのに割り切った関係が成立している?

A実は役者同士や演出家との関係も似たようなところがあります。カメラの前や舞台に立つと自分で責任を取るしかない一方で、みんなで作るものだという意識もすごく強いんです。

Q正統派記者ともいえる佐山にとって、事故取材の全権デスクを任された熱血漢の先輩、悠木和雅(堤真一)はどういう存在ですか。

Aもっとも身近な「数年後の自分」でしょうね。だけど、悠木を目指しているのかと言われれば違います。佐山はいろんな人の背中を見ながら仕事をしている一方で、佐山自身も後輩たちから背中を見られている。だから、悠木の下す決断に反目することがあっても、他人事とは思えないんです。

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映画のワンシーン。堺雅人さん(右)と堤真一さん。© 「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ

Q墜落現場の取材シーンは鬼気迫るものがありました。

A昨年夏、40度近い気温のなかでの撮影でしたから、大変でした。でも、実際に救援や取材で御巣鷹山に入った方々、何よりも墜落で亡くなった方々のことを思うと、「いくら想像しても追いつかない」ということを忘れないように心がけました。どんなにリアルに演じたつもりでも、肉親を亡くされたご遺族の悲しみには到底及びません。

 ただ、新聞記者として大きな取材に奔走しながら、目の前の現実に手も足も出ないという状況については、できる限り生々しくやりたいと思って取り組みました。

Q堺さん自身が仕事上で感じる「クライマーズ・ハイ」は?

Aこれまで経験できているのか分かりませんが、毎回、感じたいとは思っていますよ。勢いにもつながりますからね。いつか感じられるように、一つ一つの作品に挑んでいきたいですね。

クライマーズ・ハイ

7月5日より丸の内TOEI.1他にて、全国ロードショー

 日航事故を地元紙の社会部記者として取材した横山秀夫さんのベストセラー小説を「金融腐蝕列島[呪縛]」などを手がけた原田眞人監督が映画化。出演は堺さんのほかに、堤真一さん、玉置千鶴子さん、高嶋政宏さん、山崎努さんら。

公式ページはこちら

配給 : 東映、ギャガ・コミュニケーションズ

© 「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ

2008年7月1日  読売新聞)


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