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世界のスーパーギタリストが映画初出演 マーティ・フリードマンに聞く

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チャレンジ精神旺盛なマーティさん。

演じるということは、大きなチャレンジ

 日本在住の世界的ロックギタリスト、マーティ・フリードマンさんが、小泉今日子が3年ぶりに主演する、9月6日公開の「グーグーだって猫である」(犬童一心監督)に俳優としてデビューする。

 映画初出演の苦労や、音楽活動について流暢な日本語を操り、通訳なしで語ってもらった。

 映画は漫画家大島弓子さんの自叙伝的エッセイが原作。小泉今日子さん演じる少女漫画家・麻子と飼い猫グーグーとの愛しい日々を描いている。

 マーティさんは、麻子が以前飼っていた猫のサバが死に、ペットロスで苦しむ場面でサバとの再会の橋渡しをする死神のポールという重要な役を演じている。

「話があったらラブシーンにもチャレンジしたい」
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死神ポールと、英会話講師役を熱演

Qなぜ映画に出ようと?

A犬童監督から頼まれたので。まさか頼まれるとは思わなかった。(笑)実は、以前にも出演依頼があったんだけど、内容がコメディーっぽかったので断りました。今回は内容がすごくよくて、ボクはそんなに出ていないけど、出演シーンがとても大切なシーンだったので、がんばりました。

Q試写を見て最初から感動の連続でしたが、スーパーギタリストのマーティさんが登場したので、驚きと同時にすごくうれしかったです。

Aそうですか。ありがとうございます。そういってもらえて、ボクもうれしいです。

Q今回は死神役ということで、ちょっとロックな感じもしますが。

Aでも、ボクには「死神」というものがなんなのかよく理解できませんでした。

 台本を読んだら内容はわかりましたが、死神って日本のものですよね?ボクはあまりスピリチュアル系のものに詳しくないので、死神について説明してもらいました。映画の中のボクの役はとても重要で、それに対してのプレッシャーはすごくありました。演技の経験もありませんでしたしね。セリフの丸暗記はなんとかできるけど、演じるということはボクにとっては大きなチャレンジで、がんばりました。

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「撮影は寒かったが、ネコを抱いていたので温かかった。でも動物はチョット苦手」だそうだ。

Qマーティさんが仮の姿で英会話教師として英語を話すシーンもありましたが、普段テレビでは流暢な日本語を話しているので、珍しく英語を話していたことに、びっくりしました。

A日本ではライブの時のMC以外は、ほとんど英語を話しませんからね。(笑)

 それよりも、ストーリー・テラーとして英語でナレーションをしましたが、実は演技よりも難しかった。監督はナレーションにこだわっていて、ボクの話すスピードとか言葉の響きとか、普段と違うしゃべり方を要求され、それにズバっと監督の要求に応えるように、何度も何度も同じセリフを繰り返し言いました。ナレーションの方が演技より難しく、それが一番の苦労でしたね。

Q黒づくめの衣装のマーティさんが、公園のベンチでまったりと猫をひざの上に抱くシーンは、ちょっとミスマッチで印象的でしたが。

Aはい。でも実はボク猫とか動物はあまり得意ではないんです。(笑)ちょっと苦手なタイプ。だから猫を抱く姿が不自然に見えなかったか一番心配でした。撮影の日は超寒くて、ボクは寒がりなので、猫を抱いているとホッカイロみたいで暖かかったです。(笑)

Qマーティさんがロックな黒いファッションでキメていたのに、白い猫の毛がいっぱい付いてしまったのでは?

Aそうなんです。コロコロで毛を取るのはメークさんの仕事でした。でも、共演した猫はちゃんと訓練されていて、演技(?)も上手でしたよ。

Q今回、J-Popの大スターである小泉今日子さんとの共演でしたが、いかがでしたか?

A最高!最高!すごくいい人でした。実はお会いするまで小泉さんのことは名前を知っているくらいで、あまり詳しく知りませんでした。でも、共演することを周りの人に言ったらみんなが驚いていました。その後連載している雑誌で小泉さんの話題になり、いろいろ勉強して詳しくなりました。そうしたら、こんなすごい人と共演するんだとわかって、映画の前に知っていたらびびっていたかもしれない。(笑)気さくに話しかけてくれて、やさしくていい人です。試写会の時も隣に座ってくれたし。(笑)他の共演者とからむシーンはあまりなかったのですが、待ち時間にみんなとしゃべりまくっていました。上野樹里さんとのおしゃべりも楽しかったし、かわいかった。高部あいさんもいい人。

Qマーティさんが死神ポールとして、小泉さん演じる麻子と、死んでしまった飼い猫のサバが人間に姿を変えて(大後寿々花さん)対面させるシーンはとても感動的でした。

Aそうですか?信じられない!

Qその場面でもマーティさんは初演技にもかかわらず本当に重要な役どころを演じられていましたね。すばらしかったです。

A本当ですか?めちゃくちゃうれしい。ありがとうございます。

 ボクの演技はたぶんほとんど期待されていなかったかもしれない。でも、実際出演シーンになると小泉さんはめちゃめちゃプロフェッショナルで、自分も無意識に少しでも同じレベルに近づけるようがんばった。がっかりさせたくなかったから。

「DMC」ではジーン・シモンズとも共演

Q映画「デトロイト・メタルシティー」にも出演されたとか。

Aボクのシーンは瞬きしたら見逃すかもしれない。一瞬しか出ていないけど、最高におもしろい映画だよ。出演できただけでもうれしい。

QKISSのジーン・シモンズとの共演は?

Aジーンとは2日間しか一緒じゃなかったんだけど、最高!音楽やいろいろな話で、2人でずっとしゃべりまくって盛り上がっていたよ。

 ボクは待ち時間にずっとギターを持っていたんだけど、ボクが日本の曲を弾くと、メークさんや周りのスタッフたちが歌ってくれてたんだ。ジーンはきっとその風景を見て、「なんでそんなに日本の曲を知っているんだ?」と、ボクのことを変なヤツだと思ったんじゃないかな?(笑)

Qマーティさんの違う一面を見てびっくりしたでしょうね。

A2人とも1950年代のポップス音楽に詳しいから、待ち時間にはずっと「トリビアクイズ大会」を撮影開始5秒前の合図がかかるまで「あの曲は誰が書いていた?」とかやって盛り上がっていたよ。(笑)

映画もすごくおもしろくて、笑いまくる。話がわかりやすいので、ボクの限られた日本語の知識でも全然大丈夫!

Q今後は本格的に俳優業を?

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愛用のギターと(アーティスト公式)

Aもっと長いセリフがある役も、頼まれたら精一杯がんばりますね。

Q「ロックスターで俳優」といえば、デヴッド・ボウイとかジョン・ボンジョヴィが有名ですが……。

A一緒に名前を並べてくれることはめちゃくちゃうれしいけど、そんなレベルは目指していないから。(笑)本業は音楽を本気でやることだから。でも、映画は楽しい経験だったし、出演を依頼されることはうれしいし、喜んでやります。

Qラブシーンがある役がきたらどうしますか?

Aそうですね。今回も「小泉さんとのラブシーンはないの?」って周りから聞かれた。「(残念そうに)ないんだよー」って答えたよ。でも、話があったらなんでもチャレンジ精神でがんばります。

Q音楽活動では7月の日本ツアーはいかがでしたか?

A日本ツアーといっても東名阪だけだけど。(笑)最高、最高、最高!2時間以上やって、ボクのキャリアの中では一番長いライブだった。ボクの音楽が好きな人にとっては大サービスかもしれない。嫌いな人だったら最悪かもしれないけど。(笑)

Qライブに来た人は、メガデス時代のマーティさんよりも、「ヘビメタさん」や「ROCK FUJIYAMA」といったテレビ出演以降のファンが多いのでは?

Aそうですね。結構幅広い層のお客さんが来てくれたので、最近の曲をはじめ、昔からのファンのためにも古い曲をたくさん演奏しました。いやぁ(ライブは)長かった。(笑)

Q以前在籍していたバンド時代の曲も演奏したのですか?

Aそう。今年の3月に発売したセルフ・カバー・アルバム「Future Addict(フューチャー・アディクト)」(HAWAII,DEUCE, カコフォニー,メガデスからの楽曲を中心に全12曲収録)では、最近のボクの活動で好きになったファンに昔のボクを知ってもらうために、昔の曲を完全にリニューアルしました。今のボクらしく、音とかスタイルとか新しくしました。

ジェロとの紅白共演も?

Qマーティさんは演歌にも詳しくて、ジェロさんの演歌のカバーアルバム「カバーズ」では、「釜山港へ帰れ」でギターとして参加したそうですね。

Aジェロさんの前に演歌に詳しいといわれるのは恥ずかしいよ。あの人ホンモノだよー。ボクもある程度知っているけど、彼の方がすーごく詳しい。本格的だよー。ボクはロック。

Q演歌の話で盛り上がった?

A全然演歌の話はしなかった。2人とも日本にあこがれていて「まさか日本で音楽活動ができるなんて夢のよう。夢が叶ってよかった」。という話で盛り上がりました。

Qマーティさんは、世界で活躍されてから日本に来ましたが、ジェロさんは、音楽活動自体、日本が初めてですよね。

A「まさか自分がテレビで見ていた『演歌の花道』に出られるなんて」と、感動していた。絶対今年の紅白歌合戦に出て欲しい。

Q紅白といえば、マーティさんは既に出演していて先輩ですし、競演はいかがですか?

A出演といってもチラッとですが。話があれば喜んでやりますよ。

Qマリナーズのイチロー選手のテーマ曲「天城越え」もマーティさんのギターとか?

Aそれは、めちゃくちゃうれしかった。

Q私も日本人としてすごくうれしいことです。

Aだって、いい曲じゃん。その話を聞いたときは超喜びました。ボクが「誰でもピカソ」という番組で「天城越え」を石川さゆりさんが、ボクのギターの伴奏で歌ったのを見ていて、気に入って登場テーマ曲に使おうと思ったようです。

Qその番組では八代亜紀さんとも競演していましたよね?

Aそれも楽しかった。ありえないじゃん!そんな競演。ジェロさんならまだありえるけどね。日本のミュージシャンは音楽のジャンル分けにこだわらない。それって健全だと思いますよ。伝統的で立派な演歌歌手がまさかボクのゴリゴリのロックアレンジでテレビで歌ってくれるなんて、普通ありえない!アメリカの大物歌手は絶対にそんな冒険はしないよ。日本の演歌歌手は頭が柔軟。ボクは本格的な演歌は演奏しないよ。ジェロさんのアルバムは演歌だけどボクはロック担当。ボクのは似非(えせ)演歌かも。(笑)あの人は(ジェロさん)はホンモノだよ。

Q最後に映画のPRを

A映画はすごく感動するので、彼女と一緒に行って欲しい。女の子向きの映画だし、感動しているところを彼女に見せたらすごく繊細な男だと見直されるよ。お得だと思います。(笑)

(ヨミウリ・オンライン 遠山留美)

J−Popが大好きなマーティさんが最近注目しているアーティストはPerfumeだそうだ。それ以外にもたくさん名前を挙げてくれた。日本以外では台湾出身の歌手で俳優のジェイ・チョウさんの大ファンで「彼の曲はみんな好き。一緒に何かできるならどこへでも飛んでいくよ」と大絶賛していた。通信教育で日本語の基礎を学んだというマーティさん。「継続は力なり」とのこと。

映画「グーグーだって猫である」

9月6日からシネマライズほか全国ロードショー。

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映画のワンシーン 猫のグーグーと主演の小泉今日子さん©2008『グーグーだって猫である』フィルム・コミッティ

配給:アスミックエース

©2008『グーグーだって猫である』フイルム・コミッティ 公式サイト

【プロフィル】マーティ・フィリードマン(Marty Friedman)

米・ワシントンD.C生まれ。CACOPHONY(カコフォニー)等のバンド活動を経て、1990年にMEGADEATH(メガデス)に加入。在籍時に全世界で1,300万枚のアルバムセールスを記録。来日を重ねるうちに日本通になり、独学で日本語を習得。アリゾナ州の日本語弁論大会で2位になったこともある。メガデス脱退後は活動の拠点を日本に移し、流暢な日本語を操り、数々のテレビ番組に出演。

元CRAZEの鈴木慎一郎さんとロックユニット「LOVEFIXER(ラヴフィクサー)」を結成し、8月27日に映画「トワイライトシンドローム デッドクルーズ」のテーマ曲「夜光」のシングルをリリース。

2008年9月4日  読売新聞)

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