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    発言小町で話題になっている事柄を、専門家らの意見も交えながら掘り下げます。
    小町の法律相談

    Q.夫はテレビっ子でセックスレス、家から出ていってもらうには?

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     テレビばかり見て会話が成立しない夫と離婚したいが、家を出て別居すると自宅を奪われないか不安――。40代後半の働く女性から、発言小町にこんな相談が寄せられました。

     相談を投稿した女性(トピ主)によると、夫は「テレビと結婚」している状態で、会話が成立せず、10年以上セックスレス。トピ主は夫と離婚することを考えていますが、自宅とペットに関して悩みを抱えているため、別居できないでいます。

     自宅は、トピ主が親から生前に贈与されたものを一部含んでおり、19対1でトピ主に権利があります。しかし、トピ主が一方的に家を出てしまうと、自宅を放棄したと見なされ、夫に奪われるのではないかと不安を抱いています。また、ペットの面倒を見ているのもトピ主ですが、夫もペットに愛情を持っているため、奪われないか気になっているようです。

     トピ主は、夫に20分の1の住宅費用と引っ越し費用、そしてテレビ関連一式を渡すことと引き換えに、家から去ってもらい、自宅の権利とペットを守りたいと考えています。ただ、今そのような話をしても、「養われる気満々の夫が出て行くとも思われず」と踏み出せないでいます。

     トピ主はどうすればいいのでしょうか。山岸陽平弁護士に聞きました。

     トピはこちら⇒「離婚前の悩みについて

    A.夫に居住権を奪われることは考えづらい

     まず、トピ主が心配している自宅の権利についてですが、今回の場合、自宅の登記上の権利はほぼすべてトピ主にあるようです。したがって、離婚するまでトピ主が自宅についての権利を主張し続ければ、トピ主が夫に居住権を奪われることは考えづらいです。

     財産分与の際、どちらが自宅の所有権を取得するのか、ということや、どちらが住み続けるのかが問題になることはよくあります。

     夫がどうしても出て行かず、他方でトピ主はどうしても別居したくて自分から出て行くのだとすれば、離婚にあたって、所有権や居住権を手放す意思がないことを夫に明確に伝えるべきです。そうすれば、トピ主が自宅を出て行き、夫が住み続けているというだけで、夫が自宅を取得すべきだということにはなりにくいでしょう。

     気になる点としては、自宅の権利に関して、夫側の言い分もありそうなところです。トピ主によると、「自分側の権利の一部に親からの生前贈与が含まれる」ということですが、親からの生前贈与が、どれだけ、どのような形でなされ、残りの分はどのように購入されたのかが重要になってきます。夫婦の共有財産として見るべき部分が大きければ、財産分与の対象として取り扱わざるを得ないことになります。

     「改善されなかった」ということを夫に示す

     今回のケースで離婚を進めていくために一番重要なことは、まず、細かな条件はともかく、離婚する方向で夫婦双方が合意できるかどうか話し合うことです。話し合いの際には、別居をするなら夫が出ていく形にしてほしい、ということをきちんと伝えましょう。

     トピ主と夫のように、会話が成立せず、10年以上もセックスレスという夫婦の場合、一般論として、夫はダラダラした生活や実のない夫婦関係に慣れきってしまっていて、夫婦間に結婚生活を続けることが難しいほどの重大な問題があるとは全く思っていないという場合があります。

     このようなケースでできるだけ円満に離婚を進めるためには、「どんな場面において、夫のどんな態度が問題で、それに対し妻からこんな働きかけをしたが改善されなかった」という事情を数多く集めて、夫にそれらを示すことで自覚を持ってもらうという方法が考えられます。

     その上で、「生活態度が改善されなければ離婚を考えざるをえない」ということを夫に伝える場合は、適切なタイミングを見計らって、しっかりと根拠のある言い方と落ち着いた言葉遣いで行うといいでしょう。

    【取材協力弁護士】

    山岸(やまぎし)陽平(ようへい)弁護士

    金沢弁護士会所属。富山県出身。京都大学法学部・同法科大学院を経て弁護士登録。相続、離婚、不動産、交通事故、会社法務などへの取り組み多数。高齢者の財産管理、資産承継、身上監護について取り組むことも多い。

    所在エリア:石川・金沢

    事務所名:金沢法律事務所

     

    ※この記事は法律相談サイト「弁護士ドットコム」とのタイアップ企画です。大手小町の掲示板「発言小町」に寄せられた相談に弁護士が回答します。相談はこちらからお寄せください。

     

    2016年08月12日 Copyright © The Yomiuri Shimbun


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