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    発言小町で話題になっている事柄を、専門家らの意見も交えながら掘り下げます。
    小町拝見

    集配人の対応にほっこり…俵万智

     侃侃諤諤かんかんがくがくの議論も興味深いが、時には、ほっこりするトピもいい。「小さな幸せみーつけた」とか、「『親切』エピソード」とか。ほっこりの輪が広がって、書いたほうも読むほうも、心が温まる。


     キンモクセイの香りや、ちょっとしたおまけなどの身近な話題から、タクシーの運転手さんに親切にしてもらった話、乗り合わせたバスで大人にかばってもらった話……。30年前、40年前のことを書いている人もいて、優しさやうれしさに賞味期限はないんだなあと思わせられる。

     そんな場としての発言小町。拝見するだけでなく、書き込みたくなるようなできごとが、最近、私にもあった。

     千葉県内の、とあるJR駅前。珍しく円筒形のポストが立っている。絵はがきを投函とうかんしたかったのだが、うっかり切手を忘れてしまった。駅前にあった釣り具屋さんで、「切手おいてますか?」と聞いて、けげんな顔をされ、あきらめかけていたところ、ちょうど集配の車がポストの前に止まった。きびきびした動きの女性が、ポストを開けて手紙類の入った袋を回収しはじめている。「ダメでもともと」で聞いてみた。

     「すみません。52円切手を買いたいのですが……」

     すると、こともなげに返事が返ってきた。「はい、いいですよ。何枚ご入り用ですか?」

     売ってるんだ! 聞いておいてなんだが、けっこう驚いた。「この絵はがきに貼るぶん1枚で」と、60円を出すと、ちゃんとお釣りも出してくれた。切手や小銭を常備されているのである。年に何回、こういうことがあるのかわからないのに、いつでも対応できるように準備されているんだなあ、と感じ入ってしまった。ほっこりに加えて、うれしいびっくりでした。

    俵 万智(たわら・まち)
     歌人。1962年、大阪府生まれ。24歳で出版した歌集「サラダ記念日」がベストセラーに。96年から読売歌壇選者。近著に「旅の人、島の人」(ハモニカブックス)など。
    2017年02月27日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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