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    発言小町を基に、少子化ジャーナリスト・白河桃子さんが社会現象などを分析します。

    「二世帯住宅、三世代同居」がうまくいく条件とは?

     「三世代での近居・同居を支援します」――こんな制度があったら、みなさまウェルカムですか?

     先日、政府の「一億総活躍国民会議」で、三世代近居・同居支援について、「子育て世代にとって本当に実のある支援になるのか」と提言しました。なるべく多くの子育て世代の声を直接、官邸に届けたかったので、ちょうど子育て世代のマスコミ関係者にも協力を得て、ネットで集めた意見も参考資料として付けました。

    親の存在は頼もしい…でも、頼れない人もいる

     その結果ですが、「共働き世代」や「これから共働きしたい家族」にとって、三世代での近居・同居は、かなり“現実的な選択”という意見が出てきました。まあ、どちらの両親と同居、近居したいかというと、多分圧倒的に「妻の親」になると思うのですが。

     ベネッセ「サンキュ!」編集長のご意見はこんな感じでした。「(読者の)世帯年収は300~500万円。取材すると、経済的事情や仕事をしたいという理由から三世帯、近居は増えており、それを前向きにとらえて暮らそうとする読者も最近見受けられ、企画会議でも話題になっています。

     ですので、近居や三世帯への援助を行うことで、メディアも取り上げやすくなり、トレンドとして拡散の可能性もあり有効と思います。しかし、親を頼れない人たちは当然いますし、そこへの援助もセットにしないと、批判は大きいと思います」

     共働き世代向けのメディア「日経DUAL」の編集長も、「共働き子育て家族にとって、親の育児ヘルプは非常に重要です。『いざというとき』、例えば数か月に1回でも、『もうどうしようもなく核家族だけでは手が足りない!』というときにSOSを出せるのが両親という存在です。そのときに新幹線代などの交通費負担などが少しでも減れば」という意見でした。

     そこで、会議では「近居同居支援だけでなく、+αを」と提案しました。「交通費の負担」や「親に頼れない人のための外部サービスバウチャーなど」もセットにすると、かなり多くの世帯が支援を受けられるのでは?

     近居・同居も「共働き」を視野にいれると、決してこれからの世代にとってはマイナスだけではないというのが、今回わかったことでした。

    ホラーのような同居話

     さてさて小町を開くと……うわああ、二世帯住宅で同居して後悔したという人あり、二世帯住宅を建てて同居という計画を回避したい人あり……怨嗟(えんさ)の声に満ちていました。

     スティーブン・キングのホラー映画みたいなトピも。こんなお(しゅうとめ)さんと二世帯住宅とはいえ、同居するなんて……。

     「二世帯住宅を出た方いますか?」というトピです。トピ主さんは自分の母親との二世帯住宅歴15年。

     「昔から母親とは確執がありました。私を罵倒(ばとう)したり(さげす)んだり、子供達に私の事を『能無し、最低女! クソ女』など、悪口を言います。もちろん、私にも言います。私達が入れないように門を針金でグルグル巻きにしたり、ブロックを庭のコンクリに叫びながら何度も投げたり、夕飯の買い物が少しでも遅いと『遊び歩くの大好き女!』など、今までケンカはしない日はなく、うつ病にもなりました。もう、心身ともにクタクタです」

     お姑さんにも、きっといろいろあるのだと思いますが、それにしても……双方ちっとも幸せではない。

     ほかにも「二世帯住宅でうまくいかないと大変」「売れないし、貸せない」などのご意見もありました。

     二世帯住宅で大変(つら)い目にあっている方の特徴は、「子どもが小さく、働いていない」ことのようです。いくら二世帯とはいえ、同居は同居。同じ屋根の下に、日中家に2人主婦がいるというのが、かなりのストレスのようです。

    さすがは人生の先輩! お見事なアドバイス

     「二世帯住宅を建てたい、でも不安」という方も小町に投稿しています(「二世帯住宅のかた上手(うま)く行ってますか?」)

     それに答えて、ある方が「二世帯暮らしは『明日は明日の風が吹く』精神で」とレスをつけています。「夫の両親と上下の完全分離型二世帯暮らし20年です。うまく行くときもあればダメなときもあります」

     この方の場合は、さまざまな軋轢(あつれき)を経て「9年目~12年目、専業主婦だった嫁が働きに出る。親世帯は学童保育と化し、若夫婦のサポートに張り切り、嫁も感謝の気持ちをもつ」ということになったそうです。

     やはり共働き世帯になると、両親に世話になることも多く、日中の接触も減り、うまくいくのかもしれませんね。

     そして、その後の二世帯はどうなるのか? さきほどのレスによると「17年目~、老夫婦、見守りが必要になる。親世帯の物音に敏感に耳をすまし様子を見に行く。親は子世帯を頼り始める。『明日は明日の風が吹く』精神で、考えすぎないことが大事です」

     人生の先輩からの見事なアドバイス。二世帯住宅をお考えの方はぜひ参考にしてくださいね。共働き世代の方たちも「猫の手も借りたい」と言っていたので、姑とうまくいかない、なんて言っている場合ではないのが、小さな子どもを持つ共働きの家庭。

     しかし「女性が働くことに理解がない親世代」に「なぜ、そんなに働くの?」と攻められ、衝突するという話もよく聞きます。家にいても、働いていても……なかなか複雑な、“三世代同居あるある”なのでした。

    2015年11月18日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    白河桃子 (しらかわ・とうこ
     少子化ジャーナリスト・作家。相模女子大客員教授。「一億総活躍国民会議」委員。東京生まれ、慶応義塾大学卒。婚活ブームを起こした「婚活時代」(山田昌弘共著)は19万部のヒットとなり、流行語大賞に2年連続ノミネート。著書に「妊活バイブル」(講談社新書)「女子と就活」(中公新書ラクレ)「産むと働くの教科書」(講談社)「格付けしあう女たち」「専業主婦になりたい女たち」(ポプラ新書)など。「仕事、出産、結婚、学生のためのライフプラン講座」を大学等で行っている。最新刊は「専業主夫になりたい男たち」(ポプラ新書)。公式ブログ:http://ameblo.jp/touko-shirakawa ツイッター:@shirakawatouko


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