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    民間の介護保険商品 現金給付、公的制度を補完

     病気やけがで介護が必要となった場合に備えて、生命保険会社が独自の介護保険商品を販売している。要件を満たすと一時金や年金を受け取れ、公的介護保険の補完になる。保障内容は商品ごとに異なるため、契約を検討する際は保険料などを十分に確認したい。

     公的介護保険制度では、介護が必要だと認められると、状態に合わせて、自宅での入浴や排せつの介助、デイサービス施設での機能訓練といったサービスを利用できる。

     ただし、サービス費用の1割は自己負担(一部の人は2割負担)だ。介護を受けるために自宅を改修するなど、多額の支出が必要となる場合もある。生命保険文化センターの2015年の調査では、介護にかかる費用は、自己負担分を含め月平均7万9000円。一時的な費用も平均80万円に上る。介護期間(介護中の人の期間も含む)は平均4年11か月なので、総額で550万円近くかかる計算だ。

     しかも、公的介護保険は40歳未満だと利用できない。40~64歳の人も、利用できるのは要介護状態になった原因が認知症など16種類の「特定疾病」に限られ、交通事故などが原因のものは対象外だ。

     公的介護保険でカバーされない部分の補完となるのが、民間の介護保険だ。生命保険文化センター生活情報室の高須周作さんは、「民間の保険商品は15歳頃から契約できることが多い」と説明する。単独の保険として契約する「主契約」と、終身保険や医療保険などに「特約」として付け加える方法がある。

     公的介護保険が介護サービスを受ける「現物給付型」なのに対し、民間介護保険は必要に応じて給付金を受け取る「現金給付型」だ。「お金がもらえるので、要介護で働けなくなった際の収入減に備える役割もある」と高須さん。

     給付金の受け取り方は、〈1〉一時金〈2〉年金〈3〉一時金と年金の併用――の3種類。また、保険期間中に死亡すると、死亡給付金が出ることが多い。ただ、既に一時金や年金を受け取っていると、その分が死亡給付金から差し引かれることもある。

     保険期間は、「10年間」や「80歳まで」のように期間や年齢を限った有期型、生涯にわたり保障する終身型に分かれる。年金の給付期間も有期型と終身型がある。終身型の方が手厚いが、その分、保険料は高くなる。ファイナンシャルプランナーの高橋成寿なるひささんは「家計と保険料のバランスを考えて選んで」と助言する。

     気をつけるべき点もある。

     民間の介護保険には独自の給付要件があり、公的な要介護認定を受けたからといって必ずしも給付されるわけではない。「寝返りまたは歩行ができない状態」などと診断されても、180日後に再び診断を受け、継続的に要介護状態にあると認められなければ給付金が出ないタイプもある。

     保障の重複にも注意したい。すでに契約している生命保険に「介護特約」が含まれていることもある。高橋さんは「加入している保険の中身を精査して」と呼びかける。

     介護が必要になった時も、障害年金や失業給付といった公的制度でカバーできる場合がある。そうした点を理解した上で、民間の介護保険が必要かよく検討しよう。

    民間の介護保険商品を検討する際のポイント
    ・複数の保険会社の商品を比較検討する。ファイナンシャルプランナーなど第三者の意見も参考に
    ・給付金の金額や受取期間などが十分か考える
    ・死亡保険や医療保険など、すでに契約している保険と保障が重複していないかも確認
    ・病気やけがで重い障害が残った場合、死亡保険などで「高度障害」とみなされて保険金が支払われ、介護費用に充てられることもある
    (高須さん、高橋さんの話を基に作成)
    2016年03月03日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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