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    ピアノ伴奏 バレエ団支える…滝澤志野さん

     バレエ団の稽古でピアノ伴奏することが主な仕事です。

     振り付けを覚え、ダンサーに寄り添う気持ちで弾きますが、音楽の力で踊り手を作品の世界に導く役割もあり、合わせるだけでは成り立ちません。ピアノ協奏曲が使われる作品の場合、本番でもピットに入ってオーケストラと共演します。

     音大に入った時点で、プロのピアニストになると決めていました。幼いころから舞台芸術が大好きで、中でもバレエのはかない美しさにひかれ、自然と今の職業を選んでいました。

     バレエスタジオなどで修業した後、憧れの新国立劇場(東京)にアプローチすると、意外なほどすんなりと採用してもらえました。強くかれたウィーンの国立歌劇場でも、劇場訪問した際、ピアニストの欠員が出ると偶然聞かされ、その場でオーディションしてもらったのです。

     振り返ると、「絶対にかなえたい」と思ったことだけは、実現している気がします。目先のリスクを考えず、自分を貫けば、扉は開かれるのかもしれません。

     力量不足でウィーンでの1年目にスランプに陥った時、自宅近くのベートーベンのお墓にお参りすると、彼の苦しみにシンクロした気がしました。「彼が直面した困難を思えば、私もまだ努力できるはず」と気づき、前に進むことができました。歌劇場の同僚たちも家族のように温かく、今は日々感謝しつつ、仕事にまい進しています。(聞き手・岡部匡志、写真・加藤学)

     滝澤志野(たきざわ・しの)さん

     ウィーン国立歌劇場バレエ団専属ピアニスト。大阪府出身、桐朋学園大学短大部卒、同専攻科修了。新国立劇場バレエ団などを経て、2011年9月から現職。

    2015年10月13日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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