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    家事の合間に手芸品

    ネット通じて販売

    • 自宅で花冠を作る藤井さん。「今まで趣味だったのが、仕事に変わってきたと実感しています」(千葉県松戸市で)
      自宅で花冠を作る藤井さん。「今まで趣味だったのが、仕事に変わってきたと実感しています」(千葉県松戸市で)

     子どもに手がかかるなどの理由で、働きたくても働けない女性は多い。

     そんな女性たちの間で、家事や育児の合間に手芸作品を作り、ネットで販売する動きが盛んだ。こうした作品の売買を仲介するサイトも増えている。

    売買仲介サイト

     6歳、4歳、2歳の子を持つ東京都墨田区の主婦(33)は、2年前から「ちゃーちる」の作家名で、手作り作品の専門サイト「tetote(テトテ)」に子ども用品を出品している。日に1、2点製作できればいい方だが、多い月は5万円程度の売り上げになる。

     システム関係の仕事をしていたが、3人目の子どもが生まれた頃、忙しさで睡眠時間もままならなくなり、やむを得ず退職した。

     その頃、ペダルがなく、足で地面を蹴って進むタイプの子ども用自転車のタイヤカバーを手作りした。それを見た知人から、同じものを作ってと頼まれた。「他にも欲しい人がいるかも」と、テトテに登録。出品すると注文が相次いだ。

     以来、おもちゃをベビーカーにつなぐストラップなど、自分が便利だと感じたものを作っては出品する。主婦は「作る楽しさ、買った人に喜んでもらえるうれしさがある」と話す。

     手作り作品の売買仲介サイトは2010年頃から相次いで登場=表=。いずれも「作家」として出品者登録すれば無料で出品でき、価格も自由に設定できる。決済はサイト運営業者が仲介し、販売代金の1~2割を業者に手数料として払う。

    育児中の主婦活躍

     テトテの場合、出品者の中心は30~40代の女性で、子育て中の主婦が多い。購入者の傾向も同様で、チーフプロデューサーの吉田研三さんは「まさに母親たちで成り立つ市場」と話す。

     「マーメイドローズ」の作家名で、花冠や、花をあしらったフォトフレームを「minne(ミンネ)」や「Creema(クリーマ)」に出品している、千葉県松戸市の藤井典子さん(46)は先月、3000~8000円の作品を70個近く売った。

     花が好きで華道をたしなんでいたが、結婚後は家事と3人の娘の育児に専念してきた。下の娘が幼稚園に入ったのを機にプリザーブドフラワーを学び、5年前からは自宅で教室も開く。

     同じ頃からサイトにも出品していたが、当初はあまり売れなかった。それが今年春頃、娘たちの話で若い女性の間に花冠が流行していることを知り、作って出品したら注文が殺到した。

     深夜に作業が増え、夫が「大変だね」と気遣うようになった。娘に「ママみたいに好きなことを仕事にできたらいいな」と言われた時は、うれしくて涙が出そうになった。今の売り上げを維持することが目標だ。

     女性に自宅開業などを助言する「全日本ママ起業連合会」代表の前川知佳さんは、「手作り作品の販売は、家にいながら収入を得られるいい手段」と勧める。「母親が笑って仕事をしていれば家族も幸せになる。自信を持ってチャレンジして」(宮木優美)

    ネット販売 掲載写真でひと工夫

     ミンネの運営会社、GMOペパボ(東京)の阿部雅幸さんに、手作り作品を売るためのコツを聞いた。

     ネット販売は、作品をじかに見たり触ったりできません。その分、写真と説明文が重要になります。

     写真は複数掲載し、サイズや質感が伝わるようにします。バッグや袋なら、素材のアップや内部を撮影したものも載せる。何かを入れてみるなど、使い方の例を示す写真も添えるのもお勧めです。

     説明文は、〈1〉その作品が何か〈2〉作品への思いや背景〈3〉特徴やアピールしたい点〈4〉素材はどんなものか〈5〉サイズ感――を盛り込むと、イメージがうまく伝わります。

     初めて出品する人は販売金額を安く設定しがちですが、赤字で続けられなくなってしまっては残念。他の作家の作品を見るなどして市場価格を把握し、値段を決めてください。(談)

    2015年10月27日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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