文字サイズ
    年間で一番心に残ったトピックを、読者投票を基に編集部が選びます。
    2014年

    亡き義母から心温まる手紙…発言小町大賞2014

    ベストトピ賞は 「『いっしょうけんめいいきてください』(駄)」

    • イラスト・山崎のぶこ
      イラスト・山崎のぶこ

     インターネットの掲示板「発言小町」に投稿された話題から、今年最も心に残ったものを選ぶ「発言小町大賞2014」が決まった。

     義母の遺品から家族宛ての手紙が出てきたという投稿が「ベストトピ賞」に選ばれた。手紙に書かれた、シンプルだが思いやりあふれる一言に、感動した人が多かったようだ。

     投稿主は女性で、義母は94歳で他界した。四十九日の法要を終え、遺品を整理していたところ、義母が大切にしていた着物からたくさんの封筒が出てきた。封筒は家族それぞれ宛てで、便箋に書かれた言葉は全員同じ。「いっしょうけんめいいきてください」とたった一言書いてあった。

     義母は、戦争や阪神大震災で身内を亡くすなど苦労してきたが、明るくて優しい性格で、「一生懸命生きていれば、必ず良いことは起こるよ」が口癖だったという。投稿主は「きっと義母は本当に一生懸命生きてきたのでしょう。私にとって、この遺言は一生の宝物になりました」。

     この投稿に対し、「涙が出た」「こんなに胸の奥までしみてくるのは初めて」との反響が相次いだ。「たった一言」という手紙の簡潔さが多くの人の心をとらえたようだ。

     また、「いっしょうけんめいいきてください」という言葉を、自身に向けられた言葉と受け止め、励まされた人も多かった。病気で自分を見失い始めていたという女性は、「まだまだ甘いですね。頑張らず、いっしょうけんめいいきます」と反応を寄せた。

     このほか、「私もこの世を去る時、息子夫婦、孫に一言書けるなら書きたいです」「交通事故で義母を亡くしたばかり。何気なくこの投稿を開いて号泣です。義母が誘導してくれたのでしょうか」と書き込んだ人もいた。

     この手紙は、投稿主によると、そんなに昔に用意したものではなかったようだ。投稿主が昨年、着物を干した時に封筒はなかったという。義母は死期を悟ってから、手紙をしたためたとみられる。

    手書きならではの温かみ

     横浜市や大阪市、名古屋市などで生前整理や遺品整理を行う「e品整理」の代表、上東丙唆祥じょうとうひさよしさんは、「死や病を受け入れ、自分の状況を分かっている人ほど、家族宛てにメッセージを残す傾向にあると思います」と話す。

     上東さんは、認知症で施設に移った高齢女性の家を片付けた時、コタツの天板の下に隠してあった一人娘宛ての封筒を発見したという。そこには「いつも迷惑かけてごめんなさい」と書かれた手紙と現金が入っていた。

     「自分の病気をわかっていて、症状が治まった時に書いたのでしょう」と上東さん。認知症という病気が引き起こす母の行動に腹を立て通しだった娘は手紙を読み、「ごめんなさい」と涙ぐんだという。

     メールや話す言葉ではなく、手紙だからこそ、受け取った人の心を打ったともいえそうだ。亡くなった家族に宛てた手紙を募って発表している冠婚葬祭の互助組織「くらしの友」(東京)の広報担当者はこう指摘している。「手紙は、家族の絆や愛情を再確認するきっかけになります。手書きならではの温かみが良いのではないでしょうか」

     ■発言小町大賞2014発表ページはこちら→発言小町大賞2014 ベストトピ賞は「『いっしょうけんめいいきてください』(駄)」に

    2014年12月22日 08時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun


    くらげっとのつぶやき
    発言小町ランキング