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    小町拝見

    実家に私の反抗期の記録…杉上佐智枝

     面倒な片付けを少しでも明るく! 「実家の片付けで出てきた、面白いもの、びっくりしたものを教えて」というトピに、多くのレスが集まっていた。実は、私も去年、引っ越しに伴い実家の片付けを手伝った。


     手作りのベビー服(去年娘に着せて、日の目を見た)や幼児期に書いた創作絵本、通知表……。私の物がたくさん出てきた。

     もっとも衝撃だったのは、私の反抗期に向き合った両親の記録だ。「人間関係、親子関係に対する基本的考え方」と題した父の文書。「この夏、親も子も新しい人生経験をした。この機会に自分の考えを整理してみた」と始まる。

     高校2年の時。カトリック系女子校という鳥かごの外にある世界に気付いた夏だった。初恋もこの頃か。「人間は一人では生きられない以上、すべての基本は他人との建設的な会話の成立にある」。すぐに感情的になって悩む母を、父が諭しているようだ。「肝に銘じるべきは、しゃべりすぎないということ。言ってしまったことは決して消せず、相手の心のなかに残る」

     理系の父。文章は硬いが、初めて直面した娘の反抗期に正面から向き合ってくれているのがよくわかる。親とケンカをした夜、よく幼少期のアルバムを開いた。親の愛が感じられる写真を見ては、ひとり涙した。泣くくらいなら、なぜ昼間にもっと素直になれないのか、思春期よ。

     最後は私を信じて認めてくれた両親。だから、大きく踏み外すことはなかった。社会人となり、この家族の温度がどれだけ私の礎になっているか、よくわかった。そして自分も親となり、改めて、感謝は尽きることがない。

     こんなことを考えながらの片付けだったので、結局、親の役にはちっとも立てなかった。

    杉上佐智枝(すぎうえ・さちえ)
     日本テレビアナウンサー。1978年、東京都生まれ。「キユーピー3分クッキング」の土曜日の回などを担当。2児の母で、絵本の読み聞かせなどに関する資格を勉強中。
    2017年08月07日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun


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