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東京都市大…ネパールも学びの場

光の可能性追求

現地で購入した土産物を並べながら、「ネパールプロジェクト」の方向性について議論する学生たち(東京都市大学・横浜キャンパスで)=川口正峰撮影

 新しい街づくりが進む横浜市の港北ニュータウン。その一角にある東京都市大学の横浜キャンパス(都筑区)は、緑豊かな住宅街に溶け込んでいた。

 1998年、日本の教育機関としては初の国際環境規格「ISO14001」を取得したキャンパスでは、ネパールとの国際協力プロジェクトが進められていた。学生が現地を訪れて大学生とペアを組み、約2週間、野外調査を行う。途上国の視点から環境問題を考えるのが目的だ。

 企画・運営するのは、授業を履修した学生有志らでつくる「ネパールプロジェクト」。環境情報学科4年の清水恵子さん(22)は「例えばバイオガス発生装置が環境によくても、村人の年収に近い費用や土地が必要では、導入は進まないんです」と力を込める。

キャンドルに火をともしながら、キャンパスイルミネーションの構想を練る学生たち(同・世田谷キャンパスで)=保井隆之撮影

 清水さんは来年から、JICA(国際協力機構)の青年海外協力隊員として、現地で子どもたちの環境教育などに当たる。「ネパールの人々の役に立ちながら、日本に応用できるアイデアがあれば吸収したい」と笑顔を見せた。

 多摩川を渡り、都内を目指す。世田谷区玉堤の世田谷キャンパスでは、夜の大学を光で演出する「キャンパスイルミネーション」の準備に学生たちが没頭していた。住民らに大学の存在をアピールする恒例のイベント。今年は約210人が手がける17の作品が並ぶ。

 企画を発案した小林茂雄准教授(41)は、「縮小した模型ではなく、実空間を生かした大きなスケールのデザインと徹底的に向き合い、光が持つ可能性を突きつめてほしい」と話す。

 建築学科2年の小林寛さん(21)の班は、建物のらせん階段を飾り付けることにした。5色の光を絡み合わせ、見た人の心の中に五重奏が流れるような作品にしたいという。「泊まり込みで作業した時期もある。大きな作品を作った経験は、将来、絶対に役立つはず」

庄内柿の販路拡大

 等々力キャンパス(同区等々力)では、山形特産の庄内柿の販路を拡大するため、首都圏の女子高生らをターゲットにした商品開発が進んでいた。都市生活学科の学生6人と、都立高の生徒11人が三つのチームを編成、7月から市場調査を重ねてきた。

 「地味、年配の人しか食べない、甘過ぎて飽きるなど、女子高生が柿に対して持つイメージは悪い。それならば、美容健康志向に訴え、学校でわいわい言いながら食べられるお菓子にすればと考えた」と都市生活学科1年の鳥居朗江さん(18)は言う。

 開発したのは、チップス感覚で食べられる果肉入りの薄いもなかなど50種類。地元の食品加工業者に提案した結果、16種類が採用され、来年1月、都内で販売されることになった。

 同科1年の近藤奈穂さん(21)は「商品を作るのにこれだけの労力がかかり、たくさんの人が動いているんだと分かり、驚きの連続だった」と感慨深げ。

 学生の自主性を引き出し、現場での体験から学ばせる。三つの取り組みから、そんな教育方針が浮かんで見えた。(保井隆之) 

〈沿革〉
 2009年、武蔵工業大学と東横学園女子短期大学が統合し、校名を東京都市大学に変更した。武蔵工大の前身は、1929年創立の武蔵高等工科学校。東横学園女子短大の前身は、39年創立の東横商業女学校。世田谷区玉堤の世田谷キャンパスに工、知識工、横浜市都筑区の横浜キャンパスに環境情報、世田谷区等々力の等々力キャンパスに都市生活、人間科学の計5学部16学科がある。学生数は約6400人。今春から、同大が開発した水素燃料エンジンバスが3キャンパスを結ぶスクールバスとして運行している。


(2009年10月9日掲載)

2010年2月24日  読売新聞)
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